夜勤で多いヒヤリハット事例|原因と対策をわかりやすく解説【事故発生または再発防止研修】
- 夜勤中のヒヤリハットに不安を感じている方
- 転倒や誤薬などの事故を未然に防ぎたい方
- ワンオペに近い状況で働いている方
- 新人や夜勤に慣れていないスタッフ
- チームで安全対策を強化したい管理者
夜勤は少人数で暗いフロアを守る負担の大きい時間帯です。
一瞬の判断ミスが重大事故につながる危険もあります。
私も長年の現場で、明け方の疲労やコール対応の焦りを何度も経験してきました。
だからこそ「ヒヤリ」とした体験を共有し、チームで対策することが重要です。
この記事では、夜勤で起きやすい事例と、慌てず対応する具体策をわかりやすく解説します。
この記事を読むメリット
夜勤帯に「ヒヤリハット」が多発する理由

夜勤帯にヒヤリハットが多発する理由は、スタッフのスキル不足ではありません。
夜勤という「特殊な環境要因」が大きく影響しています。
視覚情報の圧倒的な不足:
薄暗い居室や廊下では、顔色や足元の障害物、表情の変化を見落としやすくなります。
脳の疲労と判断力の低下:
深夜から明け方にかけては、人間の生体リズムとして最も集中力が低下する時間帯です。「普段なら絶対にしないミス」が起こるのが夜勤です。
ワンオペの重圧による「焦り」:
「今のうちにおむつ交換を終わらせなきゃ」「記録を書かなきゃ」という業務への焦りが、利用者さんの細かなサインを見逃す原因になります。
ヒヤリハットは「スタッフのミス」ではなく、「業務フローや環境の弱点」を教えてくれるアラートです。
まずはこのマインドセットをチーム全体で共有しましょう。
【事例1】ベッドサイドでの「あわや大骨折」の瞬間
夜勤帯で最も多く、かつ重大事故に直結しやすいのがベッド周りでの転倒・転落です。
ヒヤリハット状況
深夜3時、離床センサーが鳴ったため慌てて居室へ駆けつけると、利用者さんがベッド柵(サイドレール)を乗り越えようとし、上半身が宙に浮き、あわや頭から床に転落する寸前だった。間一髪で体を支えて事なきを得た。
原因の分析
「トイレに行きたい」などの理由で早く起きたい利用者さんの焦りと、センサーが鳴ってからスタッフが到着するまでの「時間のズレ」が原因です。
ベッド柵で無理に動きを塞ごうとした結果、それを乗り越えようとする「より高所からの転落リスク」を生んでしまっています。
具体的な対策:環境とタイミングの見直し
①超低床ベッドの活用と衝撃吸収
柵で囲うのをやめ、ベッドの高さを一番下まで下げます。
万が一転落しても骨折しないよう、ベッドサイドに厚手の衝撃吸収マットを敷きます。
②「先回り」の排泄介助
過去の記録から「深夜3時に起きる」というパターンが読めるなら、センサーが鳴る前の「2時45分」にこちらから訪室し、安全にトイレへ誘導します。
【事例2】もうろうとした状態での「ヒヤリ」
夜明け前、スタッフも利用者さんもまだ頭がはっきりと目覚めていない時間帯に起こる重大なヒヤリハットです。
ヒヤリハット状況
早朝6時、起床時の薬を配る際、薄暗い部屋の中でまだ半分眠っているAさんに、同室のBさんの薬を飲ませそうになった。
コップに水を入れる瞬間に名前に気づき、ギリギリで誤薬を防いだ。
原因の分析
夜勤明けの極度の疲労による「スタッフの集中力低下(思い込み)」と、同室者の名前の見間違い、そして「薄暗い環境で確認作業をしてしまったこと」が重なったヒューマンエラーです。
具体的な対策:ルールによる強制的な確認
①「指差し呼称」の徹底
「Aさん、〇〇の薬、よし!」と、必ず声に出して指を差して確認します。疲れている時ほど、目視だけの確認は脳がエラーを起こします。
②明るい場所でのセッティング
薬の準備や名前の確認は、絶対に薄暗い居室の中では行いません。必ずナースステーションの明るい照明の下で準備し、居室でも手元灯をつけて確実に本人確認を行います。
【事例3】深夜の徘徊が招く「別居室でのトラブル」
認知症の方が夜間に歩き回ることで起こる、利用者さん同士のトラブル事例です。
ヒヤリハット状況
深夜2時、巡視をしていると、認知症のCさんが他の方(Dさん)の居室に入り込み、Dさんのベッドの布団をめくって自分が寝ようとしていた。Dさんが驚いて大声を出したため駆けつけ、トラブルを未然に防いだ。
原因の分析
夜間特有の「見当識障害」です。暗い廊下ではどのドアも同じに見えるため、「ここが自分の部屋だ」と完全に思い込んでいます。悪意は一切ありません。
具体的な対策:視覚的な誘導と動線管理
①一目でわかる「個人の目印」
部屋の入り口に、Cさんが昔から馴染みのある写真や、好みの大きな飾りのような「圧倒的にわかりやすい目印」を設置します。
②センサーの位置調整
居室のドアだけでなく、廊下の分岐点などに赤外線センサーを配置し、他室へ向かう前にスタッフがアプローチ(声かけや誘導)できる動線を確保します。
「これくらい大丈夫…」が招いた翌朝の後悔
私が過去に経験した、ヒヤリハット報告の重要性を痛感した出来事です。
ある日の夜間巡視中、スタッフが「Eさんがベッドの下に座り込んでいる」のを発見しました。
スタッフが声をかけると「ちょっと滑っただけ」と答え、外傷や痛みの訴えもなかったため、そのスタッフは「自分で尻もちをついた程度だろう。大したことはない」と自己判断し、ヒヤリハット報告も申し送りもせずに業務を終えました。
しかし翌日の日中、Eさんが歩行時に激しい痛みを訴え、受診した結果、大腿骨のき裂骨折と大きな内出血が発覚したのです。
「転倒した現場を見ていないのに、怪我がないと自己判断して報告を上げないこと」は、介護現場において最も危険な行為です。
「なぜそのスタッフが報告をためらったのか」を調べた結果、「報告すると、見守りが足りなかったと責められる」という空気が職場にあったことが原因だと分かりました。
ヒヤリハットを歓迎する「責めない文化」を作らなければ、隠れた大事故は絶対に防げないという大きな教訓を得ました。
チームで実践する「3つのヒヤリハット撲滅対策」
夜勤の安全は、夜勤者だけの努力では守れません。
ここでは施設全体で取り組むべき3つの対策を紹介します。
対策1:日勤帯からの「質の高い申し送り」
「今日は日中ずっと車椅子でウトウトされていました」「夕方から少し怒りっぽくなっています」といった日中の情報は、夜間の不穏や転倒リスクを予測する最大の武器です。
日勤と夜勤の分断をなくし、24時間の流れとしてリスクを共有します。
対策2:ワンオペにさせない「ICT・センサー」の正しい活用
最新のベッドセンサーや見守りカメラは夜勤者の強い味方です。
しかし、機器に頼り切るのではなく、「この方は右側から降りる癖があるから、センサーマットを右に寄せよう」といった、個人の特性に合わせた微調整(チューニング)があって初めて効果を発揮します。
対策3:夜勤者のリフレッシュ(仮眠)の義務化
「忙しいから」と休憩や仮眠を取らずに働き続けることは、ミスを誘発する最大の原因です。
短い時間でも交代で確実に休息を取り、脳の疲労をリセットする環境とルールを管理者が徹底して守らせる必要があります。
おわりに
ヒヤリハット報告書は、自分のミスを謝罪する「始末書」ではありません。
「この時間に、こういう危険なことが起きる可能性があるから、みんなも気をつけてね!」と、他のスタッフへ注意を促すための貴重なデータであり、仲間と利用者さんを守るための「ラブレター」なのです。
夜勤という過酷な環境で、「ヒヤリ」としないスタッフは誰一人いません。
一人で抱え込み、自分を責める必要は全くありません。
小さな「ヒヤッとした感覚」をチーム全員で共有し、誰が夜勤に入っても慌てずに対応できる「安全な夜のフロア」を、全員の力で創り上げていきましょう。
お知らせ①【介護事業所の必須研修資料一覧(2026年度版)】
介護サービスごとにわかりやすく、情報公表調査で確認される研修と、義務づけられた研修を分けて記載しています。
また、それに応じた研修資料もあげています。研修資料を探している方は、ぜひ参考にしてください。
お知らせ②【介護職の方へ!老後とお金の不安を解消する方法!】
介護職の仕事をしていると、低賃金や物価の高騰、そして将来に対する漠然とした不安がついて回ります。
特に独身の方は老後の生活費や年金に対する不安が大きいのではないでしょうか?
下記のブログは、そんな不安を解消するために実践すべき7つの方法です。
- 【節約】 これだけでOK!サクッとできる節約テク二ック
- 【資産運用】 低収入でも大丈夫?iDeCo & NISAの超カンタン活用術!
- 【転職】 未経験OK・高待遇!失敗しない介護職の転職術
- 【婚活】 忙しくて出会いがない…独身介護職のための婚活戦略!
- 【お金の勉強】 介護職向けのかしこい資産運用セミナー!
- 【ポイ活】 スマホで簡単!【ワラウ】で楽しくポイ活デビュー♪
- 【副業】 介護職の副業は、これこれ1択!
少しの工夫と努力で、将来の不安を減らし、安心した未来を作るための第一歩を踏み出してみましょう! 詳しくはこちらの記事をご覧ください。






