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虐待防止

【介護施設の高齢者虐待防止に資する研修】ニュース事例から学ぶ現場の課題と対策

とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。【介護施設の高齢者虐待防止に資する研修】をタイトルのような内容でお伝えします。

筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

近年、介護施設における高齢虐待件数増加し、ニュースでもたびたび取り上げられるようなりした。

厚生労働調査では、2023年度虐待判断件数過去最多記録し、通報・相談件数増加傾向あります。

こうした状況背景は、職員知識不足ストレス、労働環境悪化など、複雑要因んでます。

記事では、実際ニュース事例に、虐待発生する背景現場課題、そしてたち介護できる対策について整理し、今後研修施設運営かせるポイント考察ます。

虐待決して他人事ではなく、現場小さな行動未然防止つながること改めてつめしましょう。

この記事を読む価値

  • 高齢者虐待の基本から理解できる内容です。
  • グループワークを入れると1時間程度の研修にできます。
  • 極力、難しい表現は避けてあります。

 

早速、見ていきましょう。

高齢虐待は?基礎知識確認

蹴られている高齢者

高齢虐待主に5分類ます。

最も多い身体虐待(殴る、蹴る、身体拘束など)で、介護施設では51.3%半数以上ます。

心理虐待(暴言、侮辱、無視など)施設24.3%、家庭では38.3%。

介護放棄(ネグレクト)食事ない、清潔保持怠るなどで、施設22.3%報告ています。

その他、性的虐待(2.7%)、経済虐待(18.2%)

虐待兆候は、説明ないあざ傷、急激体重減少、表情硬化、特定職員萎縮などあります。

日常何気ないかけ対応虐待つながることあるため注意必要です。

たとえば、車椅子乱暴移動や「またて!」など暴言、過度拘束不衛生状態放置など虐待該当ます。

法律上、虐待発見した場合市町村通報義務あります。

通報情報守秘義務保護れるため、ため報告すること求めます。

「通報の手順」等について詳しく知りたい方は、コチラの記事をご参照ください。

介護職が高齢者を叩こうとしている
【通報の流れ・事例公開】高齢者虐待防止研修で押さえるべき義務と対応手順高齢者虐待防止法では、介護の仕事に携る職員には、虐待を発見した場合の通報義務が課せられています。この記事では、高齢者虐待の定義や具体的な事例、そして現場での初動対応や通報の手順、通報の重要性について、具体例を交えて解説します。研修資料としても活用していただければ幸いです。...

虐待背景は、職員知識不足、ストレス、倫理欠如、労働環境悪化など指摘ています。

効果防止として、職員教育ストレスケア、虐待防止委員設置、相談やすい職場づくりなどています。

詳しくは後述します。

介護個人意識え、運営層環境整備行うことも、再発防止不可欠です。

高齢虐待防止は、職員一人ひとり意識もちろん、組織・地域・家族連携取り組む体制整備せん。

心して通報できる環境と、虐待未然防ぐ仕組みづくり今後ますます求めます。

ニュース報道実際虐待事例

介護施設で発生した高齢者虐待の事例は、私たち介護職にとって他人事ではありません。

特に身体的虐待、心理的虐待、介護放棄(ネグレクト)などは、現場の構造的な問題が関係しており、職員一人ひとりの対応とともに、施設全体の仕組みが問われる問題でもあります。

まず、身体的虐待の具体的事例として、熊本市の老人ホーム「はなな」では、元職員による94歳女性への暴行が明らかになりました。引用:朝日新聞

車椅子をぶつける、首や腕をつかんで乱暴にベッドへ移動させるといった行為が隠しカメラによって記録され、熊本市は7件の身体的虐待を認定し、業務改善命令を出しました。

また、兵庫県明石市では、サービス付き高齢者向け住宅で職員が認知症の男性入居者に対し、殴打や蹴り、引きずり下ろすなどの暴行を加え、映像証拠に基づいて有罪判決が下されました。引用:神戸新聞

さらに、富山市の「おおやま病院介護医療院」でも、複数の利用者に対する暴行が確認され、行政処分が科されています。引用:NHK

心理的虐待も深刻な問題です。

豊橋市の特養「つつじ荘」では、「くそ、漏れてるじゃないか」「死んだ方がいい」など、職員の暴言が調査資料に記録されており、利用者の尊厳を著しく傷つける行為とされています。

心理的虐待は、身体的暴行のように外見でわかりにくいため、特定の職員にだけ萎縮したり、表情が硬くなったりするなどの兆候に注意が必要です。

介護放棄(ネグレクト)も施設での虐待として報告されています。

豊橋市の「つつじ荘」では、おむつ交換が必要な利用者を放置し、衣類が濡れるほど失禁させたことが虐待と認定されました。

また、青森県八戸市の「サンシャイン」でも、身体的虐待とともにネグレクトが認定され、行政処分の対象となっています。引用:NHK

こうした事例から浮かび上がるのは、虐待が一部の職員だけによる偶発的な行為ではなく、施設の体制や文化、管理の甘さが背景にあるという点です。

熊本市の事例では、家族の設置したカメラによって初めて虐待が明らかになりました。

兵庫県明石市では、施設側が虐待を疑いカメラを設置したことで暴行が発覚。

虐待を行った職員自身も「発覚しなければ続けていたかもしれない」と供述しています。

富山市のケースでは、施設が行為を把握していながら有効な対策を講じておらず、管理体制の問題として行政処分を受けました。

また、「つつじ荘」では、当初3人とされた虐待関与職員が、調査の結果17人に上ったとされ、組織全体に虐待や不適切ケアが常態化していた可能性もあります。

これらは、虐待の早期発見が困難である一因として、内部通報のしづらさ、通報による不利益への不安、何が虐待かの判断の難しさなど、職員側のハードルがあることを示しています。

虐待の防止には、職員の教育や倫理意識の向上はもちろん、管理者や施設の体制強化が不可欠です。

ストレスチェック、相談体制の整備、虐待防止委員会の機能強化などの具体策に加え、家族や地域との連携を含めた多角的な取り組みが必要です。

高齢者虐待は、施設の外から見えにくく、本人が声を上げられないことも多いため、私たち介護職一人ひとりが「見過ごさない」姿勢を持ち、変化に気づき、声を上げることが大切です。

虐待起きる背景リスク要因

高齢者虐待の背景には、さまざまな要因が複合的に関わっています。

まず、仕事の労動環境によるストレスと感情コントロールの限界が大きな原因として挙げられます。

特に人手不足や長時間労働によって疲れが貯まり、ストレスの蓄積し、それが人間関係の悪化につながっていきます。

仕事場の風通しやチームの雰囲気によっても、虐待の発見に大きな差が生じます。

「通報しづらさ」「ひけめしらずに問題を指摘できる雰囲気がない」といった雰囲気があれば、虐待の発見は難しくなります。

また「認知症」特有の、「自分の思いを伝えにくい」という状況も、虐待を発見しにくくする要因の一つです。

そのため私たち介護職は、利用者さんの少しの変化やささやかな病状の調子に敏感になり、それを「ただ機嫌が悪いだけ」と見過ごさないことが大切です。

虐待は、「個人の違法行為」と捉えるのではなく、社会や組織、個人同士の関係性が「見過ごしを生む環境」を作りだしている、という認識が必要です。

虐待防ぐために、職員できること

虐待を防ぐために私たちができることを、5つ紹介します。

①毎日の声かけや表情から意識を変える

高齢者虐待の早期発見には、利用者さんの日常的な観察の中で変化に気づくことが重要です。

特に、認知症や重度の要介護状態の方は、自ら被害を訴えることが難しい傾向にあります。

職員は、次のような兆候に注意を払い、日常的な声かけや表情、身体的状態から意識を高めることが求められます。

  • 説明のつかない傷やあざ
  • 急劇な体重の減少
  • 脱水症状や栄養不良の兆候
  • 不自然な身体束縛の跡
  • 特定の職員の前での萎縮
  • 表情の硬化や活気の低下
  • 不安や怖がりの様子
  • 介護拒否が突然現れる

これらの兆候を見逃さず、毎日の観察や話しかけを通して、小さな変化に気づくことが、早期発見に繰がります。

②記録の重要性と気づきの共有

日常的な観察と具体的な記録を重ねることは、急な変化を解析し、実際の行動の背景を明らかにするために有効です。

その上で、それをチームで共有することは企業統治的な方面でも性能を発揮します。

③自分の感情に気づく「セルフモニタリング」の意識

疲れや不満、イライラ感をためずに発散すること。

これが利用者さんへの虐待防止につながることを認識しておきます。

ただし、これを職員個人の努力のみで解決させるのではなく、施設側でのケア体制の整備も一緒に求められます。

④虐待を生じさせない環境づくり

高齢者虐待は一個人の問題ではなく、組織全体で対応するべき課題です。

そのためにも、身近な気づきを隠さずに伝えられる、チームの風通しのよさが重要です。

経験の分かち合いや、メンタルケアの充実、適正な人員配置など、組織的な高齢者虐待防止の環境を整備していきましょう。

⑤職場内での学びと支え合い

先輩が新人職員を支える体制、ケアの悩みを分かち合う場の設置。

これらは、知識や技術の向上だけでなく、孤立感を防ぐ上でも効果的です。

施設のサポート体制や定期的な研修の実施も、しっかりとした効果を生みます。

利用家族関係重要カギ

高齢虐待防ぐうえで、家族良好関係づくりとても大切ポイントです。

介護職員は利用さん家族接する場面において、身体的・心理異変ない注意見守る必要あります。

虐待原因として多いが、認知影響や、介護疲れ、介護する知識不足です。

こうした状況少しでも防ぐため職員家族介護負担悩みき、共感し、寄り添うこと重要です。

家族孤立ぎ、信頼関係築くことが、結果虐待リスク減らすことにつながります。

また、施設職員家族日ごろから丁寧コミュニケーション取ることで、施設理解信頼まります。

過去は、施設不信から家族隠しカメラ設置し、トラブル発展したありました。

日々ケア様子きちんと説明し、透明をもって対応することが、こうした誤解不安防ぐとなります。

日常情報共有工夫必要です。

体調変化ケア課題正直伝え、家族相談やすい雰囲気つくること信頼構築第一歩です。

可能範囲ケア記録など共有できば、家族安心つながります。

このように、職員家族しっかり向きい、支え合う関係築くことは、虐待防止大きなとなります。

グループワーク

グループワークは、自分ひとりではなか考え方対応工夫触れることできます。

そういう見方あるか」感じることで、視野広がり、より柔軟対応できるようなります。

また現場悩み不安話すことで、「自分だけじゃなかた」感じれ、気持ちなります。

仲間共感合うことで、孤立ぎ、相談やすい職場づくりつながります。

ぜひ、取入れてみてください。

題:虐待発生する職場の「環境要因」と「改善策」について考える

ニュース事例参考に、「なぜこの施設虐待きたか?」「どうげたか?」話し合いましょう。

ニューズ事例のリンクを、再度貼っておきます。

熊本市の老人ホーム「はなな」:朝日新聞

兵庫県明石市のサービス付き高齢者向け住宅:神戸新聞

富山市の「おおやま病院介護医療院」:NHK

青森県八戸市の「サンシャイン」:NHK

グループで話し合った後、代表者が発表します。

そして、司会者がまとめることでグループワークは終了です。

おわりに

いかがだったでしょうか。

高齢虐待は、一人職員問題として片付けることできせん。

日々業務で、職員ストレス環境不備積み重なることで、加害なり得るリスク抱えています。

今回取り上げ事例からわかるように、虐待防ぐは、個々職員意識向上だけなく、組織全体仕組みづくりや、家族・地域連携不可欠です。

相談やすい職場づくり、教育・研修継続、そして上げやすい環境整備が、再発防止第一歩です。

たち介護心して働き、利用心して暮らせる場所守るために、今後学び実践重ねていきしょう。

それではこれで終わります。

この研修記事が御社の運営に少しでもいかしていただければ幸いです。

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