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緊急時対応

緊急時にこそ力になる!利用者の不安を和らげる声かけの工夫【緊急時の対応に関する研修】

とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。声掛けの仕方で、自分自身も冷静に対応できるようになります。
この記事はこんな方におすすめ
  • すぐに使える研修資料・マニュアル・事例などがほしい
  • 資料作成を急いでいる、でもちゃんと伝わる内容にしたい
  • 現場の職員が興味持ってくれるテーマって何?
  • 去年と同じ内容じゃまずいよな…
  • 研修担当じゃないけど、あの人に教えてあげたいな

筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

緊急時には利用者さんも介護職員も緊張しがちですが、適切な声かけは利用者さんの不安を和らげ、冷静な対応につながります。

この記事では、緊急時にありがちな場面と利用者さんの不安サイン、声かけのポイント、場面別の実例フレーズ、職員同士の連携、日頃からの備えについて詳しく解説します。

この記事を読むメリット

  • 緊急時でも慌てずに対応できるポイントが分かる
  • 利用者さんの不安を和らげる「言葉の力」が身につく
  • チーム全体で冷静に連携するためのヒントが得られる

 

早速みていきましょう。

よくある緊急場面と不安のサイン

杖をついているおばあさんと介護士

介護施設で起こる緊急事態は、大きく分けて次の3つのパターンがあります。

転倒・ケガ:
高齢者は骨がもろく、ちょっとした転倒でも骨折などの重いケガにつながることがあります。

持病の急な悪化:
脳卒中による意識低下や手足のしびれ、心筋梗塞による胸の痛みや息苦しさなど、命に関わることもあります。

体調の急変:
発熱や呼吸困難、嘔吐など、突然の変化により緊急対応が必要になるケースです。

こうした場面では、利用者さんは強い不安や恐怖を感じています。

次のようなサインが見られたら、注意が必要です。

  • 声のトーンが急に高くなったり、震えたり、早口になる
  • ため息やうめき声が増える
  • 顔がこわばる、大声で呼びかける、手足をばたつかせる

これらの非言語的な反応は、「このままどうなってしまうのか」という強い不安の表れです。

介助者は表情や声の変化にいち早く気づき、落ち着いた声かけや安心できる態度で対応し、不安を和らげましょう。

不安をやわらげる声かけの基本

緊急時でも、声かけの基本は「落ち着いた口調」で話すことです。

慌てず、ゆっくり・はっきりと、優しい表情で伝えるようにしましょう。

高齢者は高い音が聞き取りにくいため、高すぎないトーンで話すのがポイントです。

また、「ここはどこで」「誰が話していて」「何のための対応なのか」を簡潔に伝えると安心につながります。

例えば、「○○さん、私△△です。転んでしまったので、今から治療しますね。」と前置きすることで、利用者さんは状況を理解しやすくなります。

焦って強い言葉を使うと、かえって不安を大きくしてしまうことがあります。

次のような表現には注意しましょう。

「ちょっと待って!」

「危ないから座って!」

こうした言い方は理由が伝わらず、混乱を招くことがあります。

また、「〜していてください」といった命令口調は、スピーチロック(言葉の拘束)にあたる場合もあります。

代わりに、「理由+お願い」の形で伝えるのが理想です。

「今〇〇していますので、あと2分だけそのままで待っていただけますか?」

「足元が滑りやすいので、このまま少し座ってくださいね」

声かけのポイントまとめると次のようになります。

  • ゆっくり・はっきり話す(高音になりすぎない)
  • 笑顔や優しい表情で接する
  • 「○○さん」「です・ます調」など敬語で丁寧に話す
  • 理由を添えて説明する(「なぜそうするのか」を伝える)
  • 強い命令や否定形を避け、「~してもらえますか?」と依頼形で伝える

全体を通して、「落ち着いた声」「理由のある言葉」「安心を与える表情」がポイントです。

介助者の穏やかな声かけが、利用者さんの不安を大きく和らげます。

場面別:こんな時どう声かける?実践フレーズ集

実際の現場では、落ち着いた声かけが利用者さんの安心につながります。

状況に応じて「理由」や「支援の意図」を添えて伝えるのがポイントです。

転倒や移動の危険があるとき

  • 「○○さん、危ないので今は座っていてくださいね」
  • 「足元が滑りやすいので、私が近くに行くまでそのままでお願いします」
  • 「立つと危ないので、私が支えに行きますね」

これらの声かけは、単に「止まってください」と命じるのではなく、危険を伝えながら、支援する姿勢を示す言葉です。

たとえば、手助けする際には「今から手を持って、一緒に立ちましょう」と誘導すると、安心して動作に移ってもらいやすくなります。

誤嚥(むせ)や咳き込みが起きたとき

「大丈夫ですよ、落ち着いて大きく咳をしていいからね」

誤嚥時は利用者さんも動揺しています。

背中をやさしくさすりながら、穏やかに「大丈夫」と声をかけましょう。

無理に咳を止めさせず、「落ち着いて、咳をしてもいいですよ」と促すことで、異物が自然に出やすくなります。

急変・ショック状態のとき

「○○さん、今すぐ救急車(または先生)を呼びますね。大丈夫ですよ」

脈の異常や意識低下などが見られる場合、利用者さんは強い不安を感じています。

介助者は慌てず、「救急車を呼びます」「大丈夫」「すぐ来ますから安心してください」と、繰り返し落ち着いた声で伝えましょう。

拒否や不安の反応が見られたとき

「どうされましたか?どこか痛いですか?」

拒否の言動が見られたときは、否定したり急かしたりせず、まず相手の気持ちや訴えを確認します。

「怖かった」「痛い」などの思いを汲み取ることで、協力しやすい雰囲気を作ることができます。

必要なのは「指示」ではなく「寄り添う声かけ」です。

利用者さんの不安を理解し、落ち着いた言葉で支える姿勢を大切にしましょう。

慌てないために:職員同士の声かけと連携も大切

いざというときに落ち着いて行動するには、職員同士の連携と日頃からの準備が欠かせません。

平常時から緊急対応の訓練を行い、マニュアルを確認しておくことで、いざという時の焦りを抑えられます。

また、救急搬送やAED対応の連絡係を誰が担当するのかなど、役割分担を明確にしておくと、現場での迷いを減らすことができます。

緊急時には、「連絡・報告・相談」を密に行うことが大切です。

大きな声で「○○さん、こちら来てください!」と仲間を呼び、簡潔に状況を伝えるようにしましょう。

特に夜勤など人員が少ない時間帯では、一人が慌ててしまうと全体が混乱しやすくなります。

そのためにも、常に落ち着いた声かけで助け合うことを意識しましょう。

たとえば、「▲▲さん!転倒しました!とりあえず人を呼んでください!」と、要点をはっきり伝えることが大切です。

また、事後にはご家族への状況説明や事故報告も必要になります。

焦らずに対応できるよう、冷静に連絡する練習を日頃から行っておくと安心です。

このように、平常時からの準備と職員同士の声かけ・連携が、緊急時の混乱を防ぐ大きなカギになります。

日ごろの「声かけ」で安心感を育てる

緊急時だけでなく、日常の声かけが利用者さんとの信頼関係を育みます。

普段から利用者さんのちょっとした変化に気を配り、優しい言葉で働きかけましょう。

たとえば、「○○さん、声の調子がいつもより小さいですね。体調は大丈夫ですか?」と声をかけて様子を聞けば、「自分を理解してもらっている」と感じてもらえ、安心感が増します。

また、声のトーンや表情を利用者に合わせることも効果的です。

相手が緊張していればやわらかい声で、落ち着いているときは明るい調子で話すと、自然と心を開きやすくなります。

何気ない日常会話の中でも「おはようございます」「〜しましょうか」など笑顔で声をかけ、お互いの距離を近づけておきましょう。

こうした日頃の積み重ねが「緊急時にもこの人なら大丈夫」と利用者が思える土台になります。

声かけの意識を高め、丁寧なコミュニケーションを続けていけば、利用者に安心感と信頼感を提供できるでしょう。

おわりに

いかがだったでしょうか。

緊急時には物理的なケアだけでなく、言葉のケアが利用者さんを落ち着かせる大きな力になります。

ここで学んだ基本やフレーズ、連携のコツを日頃から意識し、いざというときに実践しましょう。

優しい言葉は利用者さんの不安をやわらげ、職場の連携は動揺を抑えてくれます。

普段から声かけを大切にし、一人ひとりの安心を支えるケアを心がけましょう。

それではこれで終わります。

「他にも、緊急時対応の研修/マニュアルとなる資料が見たい!」という方は、コチラの記事を参考にしてみてください。

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