とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。新人が辞めないためのOJTの基本と、現場ですぐ使える教え方のコツをわかりやすく解説しました
この記事はこんな方におすすめ
  • 新人がすぐ辞めてしまい悩んでいる方
  • OJTの教え方に自信がない方
  • 忙しくて指導が後回しになりがちな方
  • 教え方が人によってバラついていると感じる方
  • 新人に長く安心して働いてほしい方

筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

介護現場で働くリーダーや教育担当の皆さん、日々の業務と新人指導、本当にお疲れ様です。

「一生懸命教えているのに辞めてしまう」

「教え方がバラバラで混乱している」

「忙しくて教える時間がない」そんな悩みを抱えていませんか?

私の周りでも同じ声は多く、新人教育に苦労する現場は少なくありません。

ですが、OJTは経験や根性ではなく「正しい型」で大きく変わります。

この記事では、よくある失敗と新人が定着する4つのステップ、さらに指導者の負担を減らすコツをわかりやすく解説します。

この記事を読むメリット

  • 新人が辞めにくくなる教え方のコツがわかる
  • OJTの基本ステップが身につき、指導に自信が持てる
  • 忙しい現場でもできる、効率のいい教育方法が学べる

 

それでは早速みていきましょう。

介護現場でOJTが失敗する「3つの共通点」

泣いている女性介護士

正しいやり方を知る前に、まずは「なぜせっかくの指導が失敗に終わってしまうのか」を確認しておきましょう。

多くの現場では、無意識にやってしまっている「3つのNG行動」があります。

「いきなり本番」の無茶振り

人手不足の現場で一番多いのがこれです。

十分な説明や見学の時間を取らずに、「とりあえず、あそこのおむつ交換やってみて!」「見守りお願いね!」と現場に放り出してしまうパターンです。

実際の現場でも、人手が足りない時間帯ほど「とりあえずやってみて」と任せてしまい、新人さんが強い不安を感じてしまう場面をよく見かけます。

右も左もわからない新人さんにとって、これは恐怖でしかありません。

「ここでは誰も自分を守ってくれない」という強い不信感に繋がり、早期離職の最大の原因になります。

「見て覚えろ」という思考停止

「私がやるのを見ててね」と言って、ただ無言で介助を見せるだけの指導です。

ベテランの無駄のない動きは、新人から見ると手品のように見えます。

どこに力を入れているのか、なぜその立ち位置なのかが言葉で説明されないため、新人は「ただ見ているだけ」になり、いざ自分がやるときに全く手が動きません。

私の職場でも、新人職員が指導者に「見て覚えて」と言われて戸惑い、自信を持てないまま業務に入ってしまったという声はありました。

現代の指導において「言語化」を怠るのはNGです。

フィードバックの欠如(減点方式の指導)

新人さんが介助を終えた後、「あそこがダメ」「もっとこうして」と、できていなかった点だけを指摘していませんか?

もちろん安全に関わることは厳しく伝える必要がありますが、ダメ出しばかりの「減点方式」では、新人さんの自信はどんどんすり減ってしまいます。

私自身も、指摘されることが多い新人さんの表情が一気に暗くなるのを何度も見てきました。

人は、できたことを認められないと成長のモチベーションを保てません。

4つのステップ(Show-Tell-Do-Check)

では、どうすれば確実に技術が伝わり、新人さんが自信を持てるのでしょうか。

その答えが、世界標準の教育手法である「Show-Tell-Do-Check(やってみせる・説明する・やらせてみる・評価する)」の4つのステップです。

この順番を守るだけで、教え方のバラつきがなくなり、新人さんの吸収力は劇的に変わります。

ステップ①:Show(やってみせる)

まずは、あなたが正しい手順でお手本を見せます。

この時のポイントは「普通のスピードと、解説付きのスローモーションの2回見せること」です。

たとえばベッドから車椅子への移乗介助なら、まずは実際のスピードで一連の流れを見せ、全体像を掴ませます。

次に、「じゃあ次はゆっくりやるから、私の足の踏み込み方を見ていてね」と、特に注目してほしいポイントを絞って見せましょう。

実際の現場では、ゆっくり解説付きで見せるだけで、「さっきより分かりやすいです」と反応が大きく変わることがよくあります。

ステップ②:Tell(説明する)

見せた動作について、「なぜそうするのか」という「根拠」を言葉でしっかりと説明します。

介護技術にはすべて理由があります。

「ここで膝を曲げるのは、自分の腰を守るためだよ」

「利用者さんに前傾姿勢をとっていただくのは、お尻を浮かせやすくするためだよ」

このように「なぜ」が腑に落ちると、新人さんは丸暗記ではなく、理屈で技術を理解できるようになり、他の介助への応用が利くようになります。

ステップ③:Do(やらせてみる)

いよいよ新人さんに実践してもらいます。

ここでの鉄則は「途中で口を出さないこと(危険な場合を除く)」です。

新人さんは緊張しながら頭の中で手順を反復しています。

横から「違う、そこはこうして!」と遮ってしまうと、パニックになってしまいます。

途中で口を出されると焦って手順が分からなくなってしまう新人さんも少なくありません。

少しぎこちなくても、安全が確保されているなら、まずは最後まで自分の力でやり遂げさせることが大切です。

ステップ④:Check(評価・フィードバックする)

実践が終わったら、必ずその場でフィードバックを行います。

絶対に守ってほしいのが「サンドイッチ話法」です。

「良かった点(褒める) → 改善点(指導する) → 前向きな言葉(励ます)」の順番で伝えます。

「〇〇さんへの事前の声かけ、とても優しくて良かったよ!(褒める)。

ただ、足のスタンスが少し狭かったから、次はもう少し足を開いてみようか(指導)。

でも初めてであれだけできれば十分!次も頑張ろう(励ます)」 このステップを踏むことで、新人さんは素直にアドバイスを受け入れることができます。

技術よりも大事?新人の心を離さない「3つのコツ」

4つのステップで技術を教えるのと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが「心(メンタル)のフォロー」です。

新人さんが「ここでずっと働きたい」と思うためのコツをご紹介します。

「わからない」と言える関係性を作る

新人さんが一番恐れているのは「こんなことも分からないの?」と呆れられることです。

指導の初日に、「最初は分からなくて当たり前だから、何度でも同じことを聞いていいからね」「失敗しても私がフォローするから大丈夫だよ」と、はっきり言葉にして伝えてください。

この「心理的安全性」があるだけで、新人さんの定着率は跳ね上がります。

成長の「見える化」をする

毎日の業務に追われていると、新人さん自身が「自分は成長できているのか」と不安になります。

そこで、簡単なチェックリストを活用しましょう。

「シーツ交換が1人でできた」「お茶出しができた」など、小さな項目をクリアするたびにチェックを入れていくことで、本人が自分の成長を視覚的に実感でき、モチベーションの維持に繋がります。

「放置」を絶対にしない

どうしても現場がバタバタして、新人さんから離れなければならない時がありますよね。

そんな時、「ちょっと待ってて」とだけ言って10分、20分と放置するのは絶対にNGです。

「今から急変対応に入るから、10分間このマニュアルの3ページ目を読んでおいてね」「このフロアの利用者さんの顔と名前を一致させておいてね」など、具体的な指示(タスク)を出しましょう。

それだけで「放置された孤独感」は「仕事を与えられた充実感」に変わります。

指導者(メンター)自身のストレスを減らすために

ここまで新人さんのための指導法をお伝えしてきましたが、OJTにおいて最も大切なことは「指導者であるあなたが倒れないこと」です。

100点満点を求めない

真面目な教育担当者ほど、「完璧な介護士に育て上げなければ」というプレッシャーを抱えがちです。

しかし、新人さんに最初から100点を求めてはいけません。

「まずは安全に60点できれば合格」と、あなた自身のハードルを下げてください。

残りの40点は、現場で経験を積みながら数年かけて身につけていけば良いのです。

チーム全体で育てる空気作り

「自分が担当だから」と、全ての責任を一人で背負い込む必要はありません。

他のスタッフにも「今日は〇〇さんにオムツ交換を教えているから、見守りをお願いできる?」と積極的に協力を仰ぎましょう。

「チーム全員で新人を育てる」という空気が作れれば、あなたの負担が減るだけでなく、新人さんにとっても複数の先輩とコミュニケーションをとる良いきっかけになります。

理想のOJTがもたらす最高の未来

OJTは、準備や指導に時間とエネルギーがかかる、根気のいる仕事です。

ため息をつきたくなる日もあるでしょう。

しかし、あなたがこの「4つのステップ」と「思いやりの心」を持って丁寧に育てた新人さんは、決してあなたの期待を裏切りません。

私の働く施設でも、丁寧に育てた新人さんほど長く定着し、今では後輩を教える立場になっているケースが増えています。

大切に育てられたスタッフは、仕事に誇りを持ち、長く定着してくれます。

そして何より、自分が先輩から優しく丁寧に教えてもらった経験を持つ人は、次の後輩にも同じように優しく丁寧に接することができます。

そうして「誰がやっても同じ質の、温かいケア」が提供できるチームが完成します。

それは結果として、利用者さんの笑顔と安心、そして何より「あなた自身の働きやすさ」に直結します。

教育は、未来の自分を楽にするための「最高の投資」です。

焦らず、完璧を目指さず、今日紹介したステップの1つだけでも、明日の指導から取り入れてみてください。

明日から使える!新人の心を掴む「魔法のフレーズ」

最後に、OJT中にそのまま使えるフレーズ集をプレゼントします。

ぜひ現場で使ってみてくださいね。

教える前に:

「私も最初は全然できなくて、よく先輩に怒られてたから安心してね」

見せるとき:

「今から私の動きを見てもらうけど、一番どこに気を付けているか当ててみてね」

やってもらう前に:

「失敗しても私がすぐ隣でフォローするから、思い切ってやってみて」

終わったあとに:

「今日の一日、すごく助かったよ。何か不安なことや、分かりにくかったところはある?」

この言葉たちが、あなたと新人さんを繋ぐ温かい架け橋になりますように。

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介護士の資格取得/スキルUP/転職について記事を書きています。 作業療法士/介護福祉士/ケアマネージャー資格等の保有