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介護予防及び要介護度進行予防

デイサービスでできるフレイル予防を徹底解説【介護予防及び要介護度進行予防研修】

とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。デイサービスを運営するうえで、フレイル予防の研修は必ず必要です。
この記事はこんな方にもおすすめ
  • すぐに使える研修資料・マニュアル・事例などがほしい
  • 資料作成を急いでいる、でもちゃんと伝わる内容にしたい
  • 現場の職員が興味持ってくれるテーマって何?
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筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

高齢になると、体力や気力が少しずつ落ち、「なんとなく疲れやすい」「外に出るのが面倒」と感じることが増えてきます。

これが進むと“フレイル(虚弱)”という状態になり、放っておくと要介護につながることもあります。

しかし、フレイルは早めに気づき、日々の生活を見直せば改善できるのが特徴です。

特にデイサービスは、食事・運動・人との交流など、フレイル予防の要素がそろった理想的な場所です。

本記事では、デイサービスで実践できるフレイル予防の基本や工夫を、わかりやすく解説します。

この記事を読むメリット

  • フレイルの正しい理解ができる
  • デイサービスで実践できる予防方法がわかる
  • チームで支える介護予防のコツを学べる

 

それでは早速、みていきましょう。

フレイル(虚弱)とは

階段で息切れをしているおばあさん

フレイル(虚弱)とは、高齢者が健康な状態と要介護状態の中間にある状態を指します。

年齢とともに体力や気力が衰え、社会とのつながりが減り、わずかな体調不良や活動低下をきっかけに、急速に心身機能が低下しやすい状態です。

フレイルは次の3つに分類されます。

  • 身体的フレイル:筋力や歩行力の低下(サルコペニア、ロコモなど)
  • 精神・心理的フレイル:うつ傾向や軽度の認知機能低下
  • 社会的フレイル:人との交流減少、孤立、経済的不安など

これらは互いに連鎖しやすく、悪化すると要介護状態へ移行するリスクが高まります。

しかし、フレイルは「可逆的」な状態であり、栄養・運動・社会参加などの生活改善に取り組めば、再び元気な状態に戻れる可能性があります。

デイサービスがフレイルに積極的に向き合うべき理由は、この予防と改善のチャンスを日々の支援に活かせることにあります。

デイサービスの利用者さんは、要介護になる前段階や軽度の支援が必要な方が多く、まさにフレイル対策の対象です。

現場の職員が「フレイルの兆し」に気づき、声かけや生活リハビリなどの工夫を行うことで、要介護の進行を防ぎ、利用者さんの健康寿命を延ばすことができます。

また、厚生労働省も「健康寿命延伸プラン」(2019年)でフレイル対策を重点項目に掲げ、地域の通いの場の活用を推進しています。

デイサービスはまさにその拠点であり、介護予防の最前線といえる存在です。

フレイルのサインを見逃さない|早期発見のポイント

フレイルは早期に気づいて対応すれば、進行を遅らせたり改善できる可能性があります。

そのため、デイサービスなどの現場では、職員が日々の観察を通じてフレイルの兆候を見逃さないことがとても大切です。

以下に、チェックしておきたい主なポイントを紹介します。

体重減少や食欲の低下:
半年以内に2〜3kg以上の体重が減っている場合や、以前より食が細くなった、食事を残すことが増えたといった変化は要注意です。栄養不足は筋力の低下や体力の衰えにつながり、フレイル進行のリスクになります。

疲れやすさ・全身のだるさ:
「なんとなくだるい」「以前より疲れやすい」といった訴えがあれば、心身の活力が落ちている可能性があります。普段ならできていた動作を億劫がるようになった場合も見逃さないようにしましょう。

歩行速度や筋力の低下:
歩くスピードが遅くなった、歩行中によろける、立ち上がりに時間がかかるなど、移動動作に変化が出てきた場合は、下肢筋力やバランス能力の低下が考えられます。転倒リスクも上がるため、注意が必要です。

口腔機能の衰え:
むせやすくなった、水を飲んで咳き込むようになったといった場合は、嚥下機能の低下(オーラルフレイル)の可能性があります。十分に食事がとれず栄養状態が悪化したり、誤嚥性肺炎のリスクにもつながります。

意欲の低下・社会的孤立:
最近会話が少なくなった、レクリエーションに消極的になったなどの変化が見られたら、気持ちの落ち込みや孤立感のサインかもしれません。家庭での様子を聞き、「一人で食事している」といった話が出れば、家庭内での孤立の可能性もあります。

こうした小さな変化に早く気づき、ご本人やご家族と情報共有をしながら必要に応じて医療職やケアマネージャーに相談しましょう。

「おかしいな」と感じた違和感が、フレイルを早期に発見し、重度化を防ぐ第一歩となります。

デイサービスでできるフレイル予防の基本

フレイル予防の基本は「栄養」「運動(身体活動)」「社会参加」の3本柱にあります。

デイサービスはこの3要素を日常の中で無理なく取り入れやすい場であり、利用者さんの心身機能を維持するための大切な役割を担っています。

①栄養の確保と食支援:
バランスの良い食事をしっかり摂ることは、フレイル予防の第一歩です。特に高齢者は低栄養に陥りやすいため、食事やおやつの内容に配慮し、たんぱく質や水分を十分に摂取できるように工夫しましょう。食が細い方には好物を取り入れたり、栄養強化食品を活用するのも効果的です。また、口腔機能の維持も忘れてはいけません。食事前の口腔体操や歯磨き、定期的な歯科受診を促し、「しっかり噛んで食べる力」を支援することも重要です。

②運動・身体活動の推進:
筋力や活動量を維持するには、日々の適度な運動が必要です。デイサービスでは、椅子に座ったままでできる体操や、道具を使った簡単な筋力トレーニング、音楽に合わせたリズム体操など、楽しみながら続けられる運動を取り入れましょう。歩行訓練も有効で、可能な範囲で施設内や近隣を歩く時間を設けることで、下肢の筋力維持につながります。無理のない範囲で、毎日少しずつ続けることが大切です。

③社会参加と交流の支援:
デイサービスに通うことで、利用者さんは人との交流や活動に自然と参加できます。会話やグループ活動、趣味の時間(カラオケ、手芸、園芸など)は、心に刺激を与え、孤立感や意欲の低下を防ぐ効果があります。「誰かと一緒に過ごす」だけでも十分な社会参加であり、心の健康に大きな意味を持ちます。

この3本柱はお互いに影響し合います。

運動すれば食欲が増し、食事を共にすれば会話が生まれる—このような良いサイクルを回すことが、フレイル予防のカギです。

生活リハビリの実践例|無理なく続ける工夫

フレイル予防を継続するには、利用者さんにとって「無理なく」「楽しく」取り組めることが大切です。

そこで注目したいのが、日常生活そのものをリハビリの場に変える「生活リハビリ」の視点です。

特別な訓練を設けなくても、普段の動作や趣味活動にリハビリの要素を取り入れることで、自然に心身の機能を維持・改善することができます。

日常動作をリハビリに変える:
テーブル拭きや配膳、洗濯物たたみ、掃除、郵便物の配布など、利用者さんにできる範囲の作業をお願いすれば、自然と筋力やバランス感覚を使います。園芸や料理などの得意分野を活かすことも、活動意欲の向上につながります。日常生活に運動を組み込むことで、フレイル予防の効果は高まります。

楽しみながらできる創作・ゲーム:
風船バレー、ボウリング、しりとり、カラオケ、塗り絵など、ゲーム性や創造性のある活動は「遊んでいる感覚」で続けられます。これらは身体機能や認知機能の維持だけでなく、達成感や交流のきっかけにもなり、心理的なフレイルの予防にも役立ちます。

本人の興味関心に合わせる:
利用者さんが「やりたい」と思える活動を見つけ、その中にリハビリ効果をうまく組み込みましょう。例えば調理レクでは準備運動を加えたり、歩行訓練に景色や会話を取り入れるなど、楽しみながら取り組める工夫がポイントです。

成功体験と励まし:
小さな進歩を見逃さず、スタッフがしっかり褒めて励ますことが継続の原動力になります。「できた」「またやってみたい」という気持ちが積み重なることで、利用者は前向きに活動を続けられます。フレイルは改善可能な状態です。デイサービスでは、寄り添いながら成功体験を重ねる支援が重要です。

チームで取り組むフレイル予防

フレイル予防は、ひとりの職員の努力だけでは成り立ちません。

デイサービスでは、介護職をはじめ看護師、機能訓練指導員、生活相談員、管理栄養士など、さまざまな職種が協力し合い、それぞれの専門性を活かして利用者を支える「チームケア」が重要です。

まずは、スタッフ間で日々の小さな変化を共有することが大切です。

「最近、食欲が落ちている」「歩くスピードが遅くなった」といった気づきを朝礼や申し送りで伝え合いましょう。

その情報をもとに、必要に応じて専門職の視点を取り入れ、ご家族への声かけやケアマネージャーとの連携につなげます。

また、地域や医療とのつながりも欠かせません。

たとえば入院中の利用者さんが退院後も継続的にリハビリや介護を受けられるよう、医療機関や地域包括支援センターと情報を共有しながら支援計画を立てます。

このように多職種で連携し、情報を共有することで、利用者さんにとって最適な予防策が可能になります。

チーム全体で取り組む姿勢が、質の高いフレイル予防ケアを支えます。

フレイル予防を習慣化するためのポイント

フレイル予防は一時的な努力ではなく、日々の積み重ねが何より大切です。

デイサービスでの取り組みが利用者さんの日常に自然と根付き、「当たり前の習慣」となるように支援しましょう。

そのためのポイントを以下に整理します。

【毎日のルーティンに組み込む】

フレイル予防の活動(体操、口腔ケア、趣味活動など)は、毎日の生活リズムの中に組み込むことで定着しやすくなります。

  • 「昼食前に体操」「食後にお口の体操」など決まった時間に実施
  • 自宅では目につく場所に運動メモやカレンダーを貼る
  • トイレ・洗面所・冷蔵庫付近などに目印を設置

【楽しく・無理なく続けられる工夫】

「やらされる感」や苦痛を伴う活動は続きません。楽しさを重視し、無理のない範囲で行うことが大切です。

  • ゲーム形式にして盛り上がる工夫を
  • 一人ひとりの体調や好みに応じて強度や内容を調整
  • 「声が大きくなったね」など小さな変化を喜ぶ声かけを

【仲間や家族とのつながりを活かす】

一人では続けづらいことも、周りの人と一緒なら励みになります。

  • デイサービス内で声を掛け合う習慣づくり
  • 家族にも運動や予防活動を見守ってもらう
  • 家族向けにミニ講座やパンフレットで啓発活動を

また、フレイルは特別な人だけでなく、誰にでも起こり得る状態です。

利用者さんが「年だから仕方ない」とあきらめず、「自分次第で元気になれる」と前向きに取り組めるよう、私たち介護職員が優しく寄り添いながらサポートしていきましょう。

習慣は力です。

小さな努力をコツコツ積み重ねて、「年を取っても楽しい暮らし」を実現しましょう。

おわりに

いかがだったでしょうか。

フレイル予防は、特別なことではなく、毎日の「少しの意識」と「小さな行動」の積み重ねです。

デイサービスはその習慣づくりを支える大切な場であり、職員一人ひとりの声かけや気づきが、利用者さんの元気を守ります。

「できることを続ける」「人と関わる」「楽しみを持つ」—この3つがフレイル予防の原動力です。

チームで支え合いながら、利用者が笑顔で過ごせる時間を増やしていきましょう。

そして、誰もが「年を重ねても自分らしく生きる」ことを応援するケアを、日々の支援に活かしていきたいものです。

それではこれで終わります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この研修資料が、御社の運営にお役立ていただければ幸いです。

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介護士の資格取得/スキルUP/転職について記事を書きています。 作業療法士/介護福祉士/ケアマネージャー資格等の保有