筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
介護施設の研修後に感想文を書くのが苦手だと感じていませんか?
「何を書けばいいのか分からない…」と戸惑う介護職員の方も多いのではないでしょうか。
ですが安心してください。
感想レポートは、いくつかのポイントと基本のパターンさえ押さえれば、どなたでも書きやすくなります。
本記事では、介護職員向けに研修後の感想レポートの書き方について、目的や準備、構成、コツ、注意点をわかりやすく解説します。
事故防止研修・ハラスメント研修・感染症対策研修など、テーマを問わず応用できる内容です。
また、すぐに使える汎用的な例文も紹介しますので、「文章を書くのが苦手…」という方もぜひ参考にしてください。
この記事を読む価値
- ポイントは下線や色文字を使っています。そこだけ読んでもOKです。
- 最後に、どんな研修にも使える感想レポートの例文を記載しています。
- 3分で読み終える内容です。
早速、見ていきましょう。
感想レポートを書く目的(なぜ必要か)
まずは、研修後に感想レポートを書く目的を確認しましょう。
感想レポートを書くのには次のような大切な理由があります。
・学んだ内容の定着
研修で得た知識や技術を文章にまとめることで内容を整理できます。
書き出す過程で自分の理解が深まり、曖昧だった点をはっきりさせる効果があります。
・気づきや成長の振り返り
感想レポートを書くことで「研修を通して何を感じ、何を得たのか」を振り返れます。
自分が成長した点や、今後の課題(もっと学ぶべきこと)にも気づきやすくなります。
・職場で共有するため
感想レポートは自分だけでなく、上司や同僚が読むこともあります。
内容を共有することで共通の理解が生まれ、職場全体で研修の成果を活かしやすくなります。
例えば「こんな学びがありましたよ」と伝えることで、チーム全員の介護ケアの質向上につながります。
書き出す前の準備(メモや気づきの整理)
感想レポートを書き始める前に、まず準備をしましょう。
いきなり白紙に向かうより、事前につぎの3つのポイントを整理すると書きやすくなります。
①研修中にメモを取る
可能であれば研修を受けている最中に、講師が強調していた内容や自分が心に残った言葉、疑問に思ったことなどをメモしましょう。
簡単なキーワードでも構いません。
メモがあれば後で振り返る際に具体的な内容を思い出しやすくなります。
②研修後に感じたことを書き出す
研修が終わったら、記憶が新しいうちに印象に残ったことや学んだことを箇条書きしてみましょう。
「新しく知った知識」「考えさせられたエピソード」「自分の課題だと感じた点」など、思いつくまま書き出して構いません。
後で感想レポートを書く材料になります。
③配布資料やノートを見直す
研修で資料やテキストが配られた場合は目を通し、自分のメモと照らし合わせて内容を整理します。
ただし、資料をそのまま写すのではなく、「自分は何を学んだか」を考えながら要点をまとめましょう。
これらの準備をすることで、書くべき内容が明確になり、いざ書き始めるときスムーズに筆が進みます。
感想レポートの基本構成
感想文を書く際には、文章の構成をあらかじめ決めておくと書きやすくなります。
一般的には次の5つの流れで書くと読みやすいです。
①導入(はじめに)
どの研修を受けたのか、研修の日時やテーマなどを簡単に書きます。
まずは「〇〇の研修に参加しました」といった形で書き始めます。
導入部分は長くならず、サッと研修の概要に触れる程度で大丈夫です。
②研修で学んだこと
研修の中で印象に残った内容や、新しく学んだ知識・技術を書きます。
講師の話で特に心に残った言葉や、「知らなかったので勉強になった」と感じた事項などを具体的に挙げましょう。
③研修を通じての気づき
研修を受けて感じたことや、自分なりの発見・反省点を書きます。
「今までの自分には何が足りなかったか」「考え方がどう変わったか」など、研修がきっかけで得た気づきを素直に綴ります。
ここに正解・不正解はありませんので、自分の感じたことを率直に書きましょう。
④今後どうするか(学びの活用法)
研修で得た学びを、今後の仕事でどう活かしていくかを書く部分です。
研修を受けて終わりではなく、「明日から具体的に○○をしてみよう」「職場で△△に取り組みたい」といった行動目標や改善策を述べます。
前向きな姿勢をアピールする大事なパートです。
⑤まとめ(結び)
最後に全体の締めくくりとして、研修を受けた感想の総括や、研修の機会を得たことへの感謝の言葉などを書き添えます。
例えば「今回の研修で学んだことを忘れずに、これからもより良い介護を心がけたいです。貴重な研修の機会をありがとうございました。」といった形で結ぶと綺麗に終われます。
以上のように構成を5つのパートに分けると、何を書くべきか迷いにくくなります。
特に「学んだこと」「気づき」「今後の行動」の3点は感想文の核となる部分です。
それぞれバランスよく盛り込み、読み手に研修の成果が伝わる内容にしましょう。
感想レポートを書くときのコツ
内容の準備と構成が決まったら、実際に書き進めていきます。
ここでは、感想文を書く際に押さえておきたい4つのコツを紹介します。
①わかりやすい文章を心がける
難しい表現や専門用語はできるだけ噛みくだいて、誰が読んでも理解しやすい言葉遣いにしましょう。
特に上司だけでなく同僚も読む可能性がありますので、自分だけが分かる略語や専門用語の乱用は避けます(必要なら「○○(※△△のこと)」と簡単に説明を添えると親切です)。
また、一つの文章(文節)を長くしすぎないように注意します。
一文一義を意識して、読点「、」や句点「。」で適度に文章を区切り、読みやすいリズムを作りましょう。
ゆっくり話しかけるようなつもりで書くと、優しい語り口の文章になります。
②具体例やエピソードを入れる
感想文の説得力を高めるために、抽象的な表現だけで済まさず具体的な例を盛り込みます。
例えば、「利用者さんとのコミュニケーションの大切さを感じた」だけでなく、「○○さん(利用者様)の例が出て、小さな声かけ一つで安心感が生まれることを学んだ」のように、研修中に印象に残った事例や自分の体験と結びつけて書くと読み手の心に残りやすいです。
実際のエピソードを交えることで、自分の感情や学びが相手にも伝わりやすくなります。
③ポジティブな表現を使う
感想文全体のトーンはできるだけ前向きに保ちます。
たとえ研修で自分の至らなさに気づいた場合でも、「自分は○○ができていなかった」と否定的に書くより、「これからは○○ができるようにしていきたい」と改善に向けた意欲を示す表現に言い換えましょう。
前向きな言葉遣いにすることで、「研修を通じて成長しようとしている姿勢」が伝わり、読み手にも好印象を与えます。
④自分の言葉で書く
感想文は、自分自身の学びや感じたことを伝えるものです。
研修テキストや配布資料に書いてあった文章をそのまま書き写すだけでは、単なる研修のまとめになってしまい、感想文本来の意味が薄れてしまいます。
自分の言葉で置き換えることを意識しましょう。
例えば研修資料に専門的な記述があったとしても、「私はそれを聞いてこう思った」という風に、自分なりの解釈や感じたことを織り交ぜて書くことが大切です。
そうすることでオリジナリティが出て、あなたの人柄や熱意が感じられる文章になります。
これらのコツを意識しながら書けば、内容が伝わりやすく読み手に優しい感想レポートになります。
最初はゆっくりでも構いませんので、一つひとつのポイントを押さえて書いてみてください。
感想レポートを書くときの注意点
次に、感想レポートを書く際の注意点です。
些細なことですが、気を付けるだけで読み手に与える印象が良くなります。
ここでは4つの注意点をお伝えします。
①否定的・批判的になり過ぎない
上でも触れましたが、ネガティブな表現や研修内容への批判ばかりだと、読む側もあまり良い気持ちはしません。
感じた課題を書くのは悪いことではありませんが、そのまま「難しくてつまらなかった」など否定的に書くのは避けましょう。
どうしても改善点を述べたい場合は、「今後の課題にしたい」「もっと勉強が必要だと感じた」というように前向きな言い回しに変えてみてください。
建設的な書き方を心がけると好印象です。
②個人名やプライバシーに配慮する
感想レポートの中で、研修中に出てきた利用者様や職員の実名、あるいは具体的すぎる個人情報は書かないように注意しましょう。
研修の内容によっては事例として人の話が出ることがありますが、そのまま感想レポートに書くとプライバシーの問題があります。
どうしても触れる必要があるときは、「ある利用者Aさん」「同僚の一人」など、ぼかした表現に留めるのが無難です。
また、自分以外の職員について言及する場合も、名前を出さずに立場や役職で表現する方が適切です。
③不適切な表現を避ける
ビジネス文書の一環でもありますので、砕けすぎた言葉遣いや俗語は避けます。
敬語の間違いや差別的な表現にも注意しましょう。
特に介護の現場に関わる内容ですから、利用者様を指す言葉は丁寧に(「利用者さん」より「利用者様」の方が丁寧です)、障害・疾病に関する表現も正しく使います。
また、感想レポートとは直接関係のない研修中の雑談や余談は書かないことも大切です。
文章全体を公正で礼儀正しい内容に保つことで、読み手に安心感を与えます。
④内容を逸れないようにする
感想レポートでは、研修に関係のない話題や細かな状況描写は控えましょう。
例えば「研修会場の室温が寒かった」や「昼休憩のお弁当がおいしかった」など、研修内容の理解や自分の学びと関係のないことは書かない方が良いです。
読み手が知りたいのは研修を受けて何を得たかなので、話の筋がそれないように意識します。
研修のスケジュールを時系列で詳しく追う必要もありません。
あくまで自分にとっての学びと感想に焦点を当て、簡潔にまとめましょう。
研修感想レポートの例文(汎用的なサンプル)
最後に、どんな研修にも応用できる感想レポートの例文を紹介します。
研修テーマを特定しない汎用的な内容の一例です。
文章を書く際の参考にしてみてください。
先日、施設内で行われた研修に参加しました。
研修では、介護の基本知識や日々の業務への取り組み方について多くの学びを得ます。
特に、利用者様に寄り添う姿勢の大切さを改めて実感しました。
研修中に紹介された事例では、ちょっとした工夫や気配りが利用者様の安全と安心につながることを知り、自分の日頃のケアを振り返る良いきっかけになりました。
今回学んだことを現場で活かせるように、明日からは利用者様への声かけや表情にこれまで以上に気を配り、チーム内での情報共有もしっかり行っていきたいと思います。
今後も研修で得た知識や気づきを忘れずに実践し、介護サービスの質の向上につなげていきます。
今回このような貴重な研修に参加できたことに感謝し、学んだことを糧にさらに成長していきたいです。
ありがとうございました。
いかがでしょうか。
この例文では、研修内容の概要、学んだこと、気づき、そして今後の抱負と感謝の気持ちを盛り込んでいます。
語り口もシンプルで、どのような研修にも当てはめやすい内容になっています。
おわりに
今回は、研修後の感想文の書き方について、ポイントと注意点を解説しました。
感想レポートを書く目的は研修の学びを定着させ、現場で活かすためであり、そのためにメモの活用や基本構成の把握が役立ちます。
実際に書く際は、具体的かつポジティブな表現を意識し、読み手に伝わりやすい文章を心がけましょう。
最初は「うまく書けるかな」と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。
構成どおりに自分の感じたことを綴っていけば、きっと立派な感想レポートが書けます。
文章の上手・下手よりも、あなたなりの学びと前向きな姿勢が伝わることが何より大切です。
書く内容が整理できていれば、あとは落ち着いて自分の言葉で書いてみてください。
困ったときは本記事のポイントを思い出し、肩の力を抜いて取り組んでみましょう。
あなたの研修の振り返りが充実したものとなり、日々の介護現場でさらなる活躍につながるよう応援しています!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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