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感染症対策

感染症・食中毒を防ぐ!職員向けチェックリスト10項目【感染症・食中毒の予防及び蔓延防止に関する研修】

とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。感染症対策に役立つ「職員向けチェックリスト10項目」を研修資料としてお伝えします

筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

介護施設や在宅・通所介護などの現場では、抵抗力の低い利用者さんと日常的に接するため、感染症や食中毒のリスクは常に身近にあります。

特にクラスターや食中毒事故は、利用者さんの命や施設運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

そこで今回は、職員が日々の業務で気をつけるべき感染症・食中毒対策を、チェックリスト形式で10項目にまとめました。

それぞれの項目ごとに、なぜ必要なのか、どんなことに注意すべきかを丁寧に解説しています。

新人からベテランまで、すべての職員が日常業務に役立てられる実践的な内容です。

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動画で見たい方は、画像をタップしてください。

感染症予防チェックリスト

職員向けチェックリスト10項目

消毒液と手

私たちが必ず意識すべき、感染対策と食中毒予防のチェックリストを以下に示します。

まずは項目をざっと確認し、その後、各項目の具体的な内容と理由・注意点をお伝えします。

  1. 出勤前に体温・体調をチェックする
  2. マスクを正しく着用する
  3. 手指衛生(手洗い・消毒)を徹底する
  4. 共用部分や器具をこまめに消毒・清掃する
  5. 室内を定期的に換気する
  6. 食事介助前後には手洗いをし、清潔な器具・食器で提供する
  7. 排泄介助時は手袋・エプロンを着用し、介助ごとに交換する
  8. 咳エチケットを徹底する(口と鼻を覆う)
  9. 体調不良や風邪症状があれば速やかに報告し、出勤を控える
  10. 送迎・休憩中もマスク着用・換気・手指消毒を徹底する

以下、項目別に具体的に解説していきます。

1. 出勤前に体温・体調をチェックする

厚生労働省も、職員は出勤前に必ず体温を測定し、発熱や咳、喉の痛み、下痢・嘔吐などの症状があれば出勤しないよう指示しています。参考:厚労省HP

微熱や体調不良が続く場合は医療機関に相談し、施設には速やかに報告します。

38℃以上の発熱があればもちろん休み、37.5℃程度の熱でも数日中に解熱するまで無理をせず自宅待機し、職場でほかの職員や利用者に感染させないように努めます(通知では解熱後24時間以上は他者との接触を控えるよう求められています)。

また、同居家族に体調不良者がいれば感染リスクを考慮し、同様の対応をとります。

2. マスクを正しく着用する

介護職場ではマスクの着用が引き続き推奨されています。

日本医師会の案内でも、医療機関や介護施設では感染再拡大防止のためマスク着用が勧められています。

マスクは鼻までしっかり覆い、隙間ができないよう装着します。

飛沫を防ぐ基本対策なので、ケアの際はもちろん他の職員と接するときや、同室の利用者さんと会話するときも継続して着用します。

体調が悪い利用者さんや感染が疑われる利用者さんと接する際は、不織布マスクだけでなく、必要に応じてゴーグルやフェイスシールドも併用します。

マスクは外した後もマスクの表面に触れないよう注意し、使い捨てマスクは一度で廃棄、布マスクはこまめに洗濯して清潔に保ちます。

3. 手指衛生(手洗い・消毒)を徹底する

手指衛生は感染対策の基本です。

厚労省のガイドラインでも、「1ケア1手洗い」や「ケア前後の手洗い」を徹底するよう強調されています。

つまり、利用者さんに触れる前後や清潔・無菌操作前、血液・体液に触れた後は必ず手を洗いましょう。

石鹸と流水での手洗いとアルコール消毒薬の両方を活用します。

目に見える汚れや排泄介助・嘔吐物処理の後は石鹸でしっかり洗い流し、それ以外の時は手指消毒薬で手を消毒して手指の汚染を防ぎます。

爪は短く整え、装飾品は外して洗い残しを防ぎましょう。

共有のハンドタオルは使わず使い捨てペーパータオルで手を拭き、流水栓を閉める際も拭いたペーパータオルで触るよう徹底します。

4. 共用部分や器具をこまめに消毒・清掃する

施設内の環境清掃と消毒も重要です。

床・壁などは日常的に水拭きしますが、ドアノブ、手すり、スイッチ、エレベーターのボタンなど、多くの人が触れる場所は消毒用エタノールなどでこまめに拭き取りましょう。

共用の車椅子や歩行器、レクリエーション機器なども利用後に消毒し、器具類はできるだけ利用者ごとに分けて使用します。

食堂やトイレ、手すりのように手が触れる箇所が多い場所には特に注意し、頻度高く清掃・消毒を行います。

清掃の際は手指衛生も忘れず、塩素系薬剤で消毒した後は十分に乾燥させます。

5. 室内を定期的に換気する

空気感染や飛沫感染を防ぐため、施設内や車両などはこまめに換気します。

窓や換気扇を開けて外気を取り入れ、できれば1~2時間おきに5~10分程度、窓全開で空気を入れ替えます。

感染症が疑われる利用者さんがいる時や、大人数での集まりがある時は、換気をさらに頻繁に行い、空間にウイルスが滞留しないようにします。

エアコンや空気清浄機を併用する場合も、換気は可能な限り続けるように心掛けます。

6. 食事介助前後には手洗いし、清潔な器具・食器で提供する

食事介助時の衛生管理が食中毒予防に直結します。

介護職員は食事介助の前に必ず石鹸と流水で手洗いを行い、清潔なエプロンや手袋を着用します。

特に排泄介助の後に食事介助を行う場合は、汚れが目に見えなくても改めて十分に手を洗います。

使用する食器・コップ・介護食器具は洗浄・消毒済みのものを使い、食後は速やかに片付けて洗浄します。

また、介護職員自身が下痢・嘔吐などの症状を抱えたまま食事介助をしないことも重要です。

介護現場における感染対策の手引き(第3版)にも「介護職員等が食中毒病原体の媒介者とならないよう注意する」ことが明記されており、体調が悪いときは介助を代わってもらいましょう。

食材・調理面では、十分に加熱し、食品の保存温度管理を徹底するなど厨房スタッフとも連携して食中毒予防に努めます。

7. 排泄介助時は手袋・エプロンを着用し、介助ごとに交換する

排泄物には多くの病原体が含まれる可能性があるため、おむつ交換や排泄介助の際は使い捨て手袋とエプロン(またはガウン)を必ず着用します。

手袋・エプロンは1人の介助が終わったらすぐに交換し、汚れた手袋やエプロンで他の物品に触らないようにします。

着脱後はその場で石鹸でしっかり手洗いを行い、必要に応じて手指消毒も実施します。

排泄介助をした用具やおむつ処理用バケツは他用途と分け、使用後は高濃度の次亜塩素酸ナトリウム液などで消毒してから汚物袋に密封します。

職員の汚染を防ぐためにも、おむつ交換車など共用器具の使用は可能な限り控え、個別ケアを徹底することが推奨されています。

8. 咳エチケットを徹底する

咳やくしゃみが出るときは必ず口と鼻を覆いましょう。

ティッシュを使用する場合はすぐに捨て、使用後は手洗い・手指消毒を行います。

ティッシュがないときはマスクの上からでも、袖やハンカチ、肘の内側で覆うことが指導されています。

この「咳エチケット」により飛沫を周囲に飛ばさず、接触感染も防ぎます。

また、利用者さんにせき込まれた場合は正面を避け、横や斜めから介助するなど、飛沫が直接口鼻に入らないよう配慮します。

マスク着用中でも、隙間からの飛沫に注意し、手洗いも必ず行いましょう。

9. 体調不良や風邪症状があれば速やかに報告し、出勤を控える

少しでも体調に不安がある場合は放置せず、すぐに上司や感染対策担当者に報告します。

発熱・咳だけでなく、倦怠感や味覚異常、腹痛・下痢など感染を疑う症状があれば休暇を取得し、医療機関を受診します。

厚労省通知でも「発熱等の症状が認められる場合には出勤を行わないことを徹底する」よう求められており、回復後24時間は他者と接触しないよう再度健康観察を続けるべきとされています。

また、同僚や利用者さんが感染症にかかった場合は速やかに情報共有し、必要に応じて体制を見直します。

内部で発生した感染症や食中毒疑いのケースは、マニュアルに従って所管保健所へ報告し、他職員や保護者への連絡体制を整えます。

10. 送迎・休憩中もマスク着用・換気・手指衛生を徹底する

感染対策は勤務時間中だけでなく、送迎時や休憩時間にも意識しましょう。

送迎車では利用者さんと送迎者(職員)の両方にマスク着用を徹底し、窓を開けて車内換気を行います。

利用者さん1人ごとに手指消毒を実施し、乗降時の接触感染も防ぎます。

職員同士の休憩時には距離をとり、会話中もマスクを外さないか短時間にとどめます。

休憩室や事務室も定期的に換気し、共有する飲み物や食べ物の回し飲み・共用は避けます。

これらの対策により、職員間のクラスター発生を防ぎ、施設内全体の感染リスクを低減します。

おわりに

いかがだったでしょうか。

感染症や食中毒の予防は、知識よりも「日々の行動の積み重ね」が重要です。

どれだけマニュアルを整えても、現場で一人ひとりが基本を守らなければ、感染拡大や事故のリスクは高まってしまいます。

今回紹介した10項目のチェックリストは、シンプルですが現場に必要なエッセンスが詰まっています。

職員同士で声をかけ合いながら、全員で意識を高めていくことが安全な職場づくりの第一歩です。

日々のケアの中で予防の視点を忘れず、利用者さんと自分自身の健康を守る行動を習慣にしていきましょう。

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