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緊急時対応

夜勤中の一人対応!判断と通報のボーダーライン【緊急時の対応に関する研修】

とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。【緊急時の対応に関する研修】を、タイトルのような内容でお伝えします。

筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

私たちは夜勤の一人勤務の際、利用者さんの体調急変に遭遇することもあります。

日本医療労働組合連合の調査でも、介護施設の約3割が「夜間に急変対応の経験あり」と報告されています。

こうした場面で「救急車(119番)を呼ぶべきか?」「看護師に連絡すべきか?」と判断に迷った経験のある方も多いのではないでしょうか。

実際、ある特養ホームでは「夜間に状態が急変し、救急車を呼ぶか、夜間対応の病院へ行くか、朝まで待つか判断に迷う」といった職員の声が寄せられています。

本研修記事では、夜勤中の「判断と通報のボーダーライン」をわかりやすく解説します。

現場で起こりがちなグレーゾーンの事例(一時的な胸の違和感、黒い便、発熱だけのケースなど)を取り上げ、どのように判断し行動すべきかをやさしく丁寧に説明します。

報道や公的機関の資料で言及された事例も参考にしながら、「この場合は様子を見ても大丈夫?それとも通報すべき?」という境界線を一緒に考えてみましょう。

夜勤を担う介護職の皆さんが安心して対応できるよう、ポイントを整理していきます。

判断を迫られる介護職の現状

救急車を呼んでいる男性

夜勤帯は日中と比べて職員数が少なく、医療職(看護師)が不在という施設も多いです。

まさに「自分ひとり」で利用者さんの急変対応を判断しなければならない場面があり、プレッシャーを感じることもあるでしょう。

前述のとおり夜間の急変は決して珍しいことではなく、多くの介護職員が夜勤の緊急対応に不安を抱えています。

特に「呼ぶべきか呼ばざるべきか」判断が難しいケースでは、現場で戸惑うのは自然なことです。

実際のアンケートでも、「迷ったら救急車を要請することにしているものの、いつも迷ってしまい上司の判断を仰いでしまう」という声や、「夜間は主治医とも連絡が取れず、そのことが判断の遅れにつながらなかったか心配」といった声が報告されています。

このように、勤者の判断の負担は大きく、迷いやすいのが現状です。

だからこそ、本研修では「迷いやすいグレーゾーン」に焦点を当て、判断の目安を示していきます。

判断と通報の基本ポイント(迷ったときはどうする?)

まず大前提として、利用者さんの命と安全を最優先に考えることが大切です。

状態が少しでも深刻な可能性があるなら、ためらわず適切な通報・連絡を行いましょう。

ある介護施設では「安易に救急要請すべきでないとは理解しているが、夜間で主治医に連絡が取れず利用者本人から『胸が痛く呼吸ができない』『動けない』等の訴えがある場合、ご家族と相談の上で救急搬送をお願いする。専門職不在で手遅れのリスクを避けざるを得ない」とコメントしています。

「迷ったら119番を!」というスタンスは、利用者さんを守る上で基本といえるでしょう。

とはいえ、実際には「呼ばなくても大丈夫かもしれない…」と悩むこともあります。

そんな時に備え、いくつか判断の目安を覚えておくと安心です。

例えば、「この症状が出たら即119番」「この程度ならまずは様子を見る」といった基準です。

施設ごとに緊急マニュアルが整備されている場合は必ず確認しておきましょう。

また夜勤時に常駐の看護師がいない場合でも、オンコール体制があれば遠慮なく看護師に電話で指示を仰いでください。

看護師や医師に連絡できる体制がある施設では、多くの場合その判断に従う形になります。

さらに、「#7119」救急安心センター等の相談窓口を活用するのも重要なポイントです。

総務省消防庁も「119番通報すべきか判断に迷った時は、#7119にご相談ください」と案内しています。

#7119は各地域の救急相談窓口で、症状を伝えると医療の専門スタッフが緊急度を判断しアドバイスしてくれます。

夜間に医療職へすぐ連絡が取れない場合の強い味方です。

ひとりで抱え込まず、利用できる手段をフルに活用しましょう。

では実際に、迷いやすい具体的なケースについて、その判断ポイントを解説していきます。

グレーゾーン事例①:一時的な胸の違和感

〈事例〉

夜勤中の深夜2時頃、ある入居者さん(持病なし)が「胸に少し違和感がある…」と訴えました。

苦しそうな表情だったため驚きましたが、数分安静にすると違和感は治まり、ご本人は「もう大丈夫」と落ち着かれました。

バイタルを測ると血圧・脈拍も普段と大きな変化はなく、意識もはっきりしています。

このまま様子を見るべきか、それとも念のため119番通報すべきか、迷う状況です。

〈解説〉

胸の違和感・胸痛は非常に判断が難しいグレーゾーンです。

一瞬でおさまった場合でも油断は禁物です。

なぜなら、胸の痛みや圧迫感は心筋梗塞や大動脈解離、狭心症など命に関わる重篤な疾患の初期症状であることが多いからです。

特に高齢者は痛みの感じ方が鈍く、重大な心臓発作でも「あまり痛くない」と訴える場合があります。

「痛みが鋭くないから平気かな?」と思って放置すると手遅れになるリスクがあります。

〈判断ポイント〉

胸の違和感を訴えた場合、以下のポイントに注目しましょう。

痛みや違和感の強さ・持続時間

激痛でなくても締め付けられるような不快感が続く場合は要注意です。

少し治まったように見えても再度痛みがぶり返すこともあります。

断続的でも10分以上違和感が続く場合や再発する場合、119番通報を検討します。

併発症状の有無

汗をかいている、顔色が悪い、呼吸が苦しそう、意識がぼんやりしている、腕やあご・背中に痛みが放散している等の症状が一つでもあれば即座に救急車を手配してください。

胸の症状+αのサインは緊急性が高いです。

既往歴・年齢

心疾患の既往がある方や、高齢で動脈硬化リスクが高い方は、念のため早めに医療介入した方が安全です。

今回の事例では一旦おさまったとはいえ、「胸の違和感」という重要サインが出た以上、基本的には看護師や医師に必ず報告しましょう。

オンコールの看護師に連絡できる場合は状況を伝え指示を仰ぎます。

指示を仰ぐ間にも再び症状が出現したり悪化する可能性があるので、利用者さんから目を離さず観察を続けます。

少しでも再度痛みを訴えたり、容態が怪しくなればすみやかに119番に切り替えて構いません。

現場の声として、「肺気腫の利用者でSpO2低下と胸苦しさを訴えたため救急搬送したが、病院到着時には症状がおさまっていたケースがあり、どのタイミングで救急車を呼ぶか難しい」という例も報告されています。

結果的に「大丈夫だった」としても、迷うような胸の症状は早めに通報しておくくらいでちょうど良いのです。

利用者さん自身が「救急車を呼んでほしい」と不安を強く訴える場合も、バイタルに大きな異常がなくても慎重に判断すべきです。

不安感も利用者さんの大切なサインですから、放置せず受け止めましょう。

〈対応のまとめ〉

胸の違和感は重大疾患の前触れの可能性があります。

症状が一時的に治まっても油断せず、看護師への連絡や119番通報の準備をしておくことが大切です。

少しでも再発や悪化の兆候があればためらわず救急要請してください。

「呼びすぎかな?」と心配になるかもしれませんが、命に関わるケースでは早すぎる通報は決して間違いではありません。

反対に「もう少し様子を…」と迷って通報が遅れ、取り返しのつかない事態になるほうがずっと深刻です。

胸の症状に関しては「迷ったらまず通報」くらいの姿勢で臨みましょう。

グレーゾーン事例②:黒い便(タール便)を発見したとき

〈事例〉

夜勤帯の見回り中、利用者さんの排泄物に黒色のタール状の便が混じっているのに気付きました。

ご本人は特に腹痛も訴えておらず、普段通り眠れている様子です。

しかし便の色が明らかに真っ黒だったため驚きました。

時間は深夜3時。

このまますぐ119番で救急搬送すべきでしょうか?それとも朝まで様子を見て医師に相談するべきでしょうか?

〈解説〉

黒色便(タール便)は消化管出血の可能性を示す重要なサインです。

便が黒く見えるのは、上部消化管(胃や十二指腸など)で出血が起こり、消化液と混ざってタール状になった血液が排出されるためです。

利用者さん本人が痛みを感じていなくても、体内ではじわじわと出血が進行している恐れがあります。

特に大量の出血があれば、時間の経過とともに血圧低下や意識障害などショック症状が現れる危険があります。

公的な介護研修資料でも、「黒色のタール便が確認される場合は消化管で多量出血があった証拠。ショック状態の場合は救急車を呼ぶ」と明記されています。

ショック状態とまではいかなくても、黒色便が出た時点で医療受診が必要な重篤兆候と考えましょう。

〈判断ポイント〉

黒色便を確認した際のポイントです。

バイタルサインのチェック:

まず血圧・脈拍・SpO2などを測定します。

血圧が普段より著しく低下していたり脈が弱く速い場合、既にショックに陥りかけている可能性があります。

その場合はただちに119番通報してください。

また顔色不良や冷や汗、手足の冷感など末梢循環不全の所見があれば要注意です。

腹痛や他の症状の有無:

黒色便に加えて腹部の痛みや吐き気・嘔吐、めまい、極度の倦怠感などが見られる場合も緊急性が高いです。

痛みがなくても出血量自体が多ければ命に関わるため、症状の有無に関わらず医師の診断が必要です。

便の量と経過:

どのくらいの量の黒色便が出たのか、直近の排泄でも黒い便が続いていたか確認します。

大量のタール便が出た場合はそれだけで危険ですし、少量でも繰り返し出ているなら持続出血の疑いがあります。

〈対応のポイント〉

黒色便を見つけたら、すぐに看護師や当直医(オンコール)に連絡して指示を仰ぎましょう。

深夜でもためらう必要はありません。

医療職に状況を報告したうえで、「救急搬送すべきか」「朝一番で受診させるか」など判断をあおぐのが適切です。

利用者さんの容態が安定していても油断は禁物です。

たとえ意識清明でも、体内での出血は静かに進行する場合があります。

もし看護師等と連絡が取れない場合、迷わず119番通報して構いません。

命に関わる消化管出血を疑う以上、念のため救急隊を呼んで医療機関で診てもらう方が安全です。

「まだ何も症状が出ていないのに呼んでいいのだろうか…」と悩むかもしれません。

しかし前述のとおり黒色タール便それ自体が重要な危険サインです。

状況を説明すれば救急隊も適切に対応してくれるでしょう。

搬送までの間にできることとしては、利用者さんの安静を保ちつつバイタルの繰り返し測定、意識状態の観察があります。

血圧が下がってきていないか、顔色に変化はないか、声掛けに反応するか等を継続して見守ります。

また、吐血(嘔吐による出血)がないかも確認しましょう。

嘔吐物に血液が混じるようならさらに緊急度が高まります。

〈対応のまとめ〉

黒色便は「出た時点で緊急対応検討」が鉄則です。

ショック症状がなくても医療者へ報告&指示仰ぎを行い、場合によっては救急搬送を開始しましょう。

反対に「朝まで待って様子を見よう」は避けるべき判断です。

夜間のうちに発見できたからこそ、速やかに対処して大事に至らせないことが介護職の役割です。

重大サインを見逃さず、迅速に「報・連・相」を実践しましょう。

グレーゾーン事例③:発熱だけの利用者がいるとき

〈事例〉

夜勤中、ある入居者さんが「なんだか寒気がする」と訴えたため検温すると38.5℃の発熱がありました。

他に咳や息苦しさ、痛み等の症状はなく、意識もはっきりしています。

水分も自力で摂取できています。

時間は夜中の1時過ぎ。

発熱以外に目立った異常はありませんが、高齢の方です。

このまま夜勤者の自分だけで様子を見て朝を迎えてよいのでしょうか?

それとも救急車を呼ぶか、看護師に連絡すべきでしょうか?

〈解説〉

高齢者の発熱は頻度も高く、一見緊急度が判断しにくいケースです。

発熱だけで救急車を呼ぶべきか否かは、熱の原因や重症度によります。

一般的に、発熱そのものは体が感染症などと戦っているサインであり、熱の高さだけで緊急度を判断するのは難しいです。

38~39℃台の発熱は高齢者にはこたえますが、すぐに命の危険というわけではない場合も多く、適切に対処すれば落ち着くこともあります。

〈判断ポイント〉

発熱時に注目すべき点を挙げます。

バイタル測定と基本的ケア:

まず体温以外のバイタル(脈拍、血圧、酸素飽和度)を測定します。

発熱のみで他の値が安定していれば、ひとまず急変の兆候は少ないと考えられます。

基本の対応は身体を冷やす(クーリング)ことです。

布団を薄手のものに替える、腋の下や鼠径部を冷やすなどして体温を下げる工夫をします。

施設で解熱剤の投与が許可されている場合(医師の指示がある場合)は、タイミングを見て薬を使用します。

他の症状の有無:

発熱に伴い発汗、震え(悪寒戦慄)、下痢、嘔吐、せき、痰、呼吸の乱れ、意識の混濁などがないか確認します。

高熱+他の症状(特に意識がもうろうとしている、呼吸困難、ひどい頭痛や腹痛、発疹、痙攣など)がある場合は緊急性が高い可能性がありますので119番も視野に入れます。

逆に熱以外の症状が全くない場合は、少し様子を見てもよいケースが多いです。

経過観察と原因の推測:

熱の上がり方や下がり方を観察します。

急激に40℃近くまで上昇する、呼吸や脈がどんどん速くなるといった場合は危険です。

また発熱の原因を考えます。

たとえば周囲で感染症(インフルエンザやノロ等)が流行しているか、持病の尿路感染症が悪化した可能性はないか、当日の食事や行動で何か思い当たることはないか等です。

原因によっては放置できないケース(例えば敗血症の初期など)もありますので、背景情報も踏まえて判断します。

〈対応のポイント〉

発熱のみで他に異常がない場合、基本的には落ち着いて経過を見守る対応となります。

具体的には、上述したクーリングや水分補給の介助をしながら、定期的にバイタルを測り変化がないか確認します。

介護記録にも経過を記録しておきましょう。

高齢者は脱水になりやすいので、嫌がらなければ少しずつでも水分を摂ってもらいます。

その上で、必ずオンコールの看護師や上長に連絡を入れましょう。

「熱発があり、このように対応しています」という報告をすることで、必要なら追加の指示をもらえますし、万一朝までに状態が悪化した場合もスムーズに引き継げます。

看護師から「○○を測っておいて」「○○の薬を使ってください」等の指示が出ることもあります。

自分だけで判断せず、報連相の徹底が大切です。

ではどんな場合に119番や医師の診察が必要になるかですが、目安としては以下のような状況です。

  • 40℃に迫る高熱が出た、またはどんどん上昇している
  • 呼吸が荒くなったり、意識がもうろうとしてきた(反応が鈍い、呼びかけに答えづらくなっている)
  • 震えが止まらない、酷い頭痛や嘔吐を伴っている
  • 持病がある方で、主治医から「発熱時はすぐ受診を」と言われているケース

上記のような場合は深夜でもためらわず救急車を呼ぶか、#7119で医師の判断を仰いでください。

例えば脳梗塞や敗血症など、発熱とともに現れる緊急疾患も存在します。

高齢者は体力が低く重症化しやすいので、「おかしいな」と直感したら早めに医療につなげることが肝心です。

もちろん夜間帯に無理に搬送するより、日中に受診したほうがご本人の負担が少ない場合もあります。

ただし夜間のうちに容態が悪化する可能性もゼロではないため、こまめな観察は続けてください。

介護職としては「夜間中に急変がないよう乗り切る」ことと、「朝になったらしかるべき医療対応につなぐ」ことの二段構えで動くイメージです。

〈対応のまとめ〉

発熱単独の場合、慌てず状況観察と基礎対応を行うことが基本です。

その上で、他症状の有無と全身状態の変化に目を配り、少しでも異変があれば速やかに医療支援を求めるようにします。

判断に迷うようなら#7119で専門家に相談し、「救急車を呼ぶべきか」「朝まで待ってよいか」アドバイスをもらうのも賢明です。

夜勤者がひとりで悩まず済むよう、使える制度は遠慮なく使いましょう。

迷ったときの相談先と事前準備

ここまでグレーゾーンの具体例を見てきましたが、共通する大切なポイントは「迷ったら誰かに相談・報告する」ということです。

夜勤中に緊急対応を迫られた際、決して一人で抱え込まないようにしましょう。

「自分一人しかいないから全部自分で判断しなくては…」と責任を感じすぎる必要はありません。

状況に応じて、以下の相談先や支援サービスを活用してください。

オンコールの看護師・医師

施設にオンコール体制がある場合は、夜間でも遠慮なく電話連絡しましょう。

プロの判断を仰ぐことで、適切な対応につながります。

「こんなことで起こしていいのかな…」と気兼ねする必要は全くありません。

利用者さんの命に関わる可能性がある以上、看護師も医師も相談を受けるのが仕事です。

上司や同僚への連絡

施設長やサービス提供責任者など、緊急連絡の指示がマニュアルに定められている場合はそのルールに従います。

「判断に迷ったらまず管理者に報告する」と決めている施設も多いでしょう。

深夜に電話するのは勇気がいるかもしれませんが、報告を怠ることで後から問題になるケースもあります。

決められた報告連絡は必ず行いましょう。

救急安心センター(#7119)への相談

すでに述べたように、各都道府県などで整備されている#7119は心強い味方です。

症状を専門家に伝えて、救急車を呼ぶべきか否かアドバイスをもらえる公的サービスです。

特に医療従事者に直接連絡が取れない場合や、上司に相談しても判断がつかない場合などに活用できます。

電話口で症状やバイタルを伝えると指示をもらえますので、「119番するかどうかギリギリ…」と迷うケースでは積極的に電話しましょう。

加えて、日頃から緊急時対応のシミュレーションや情報共有を行っておくことで、いざという時の迷いを減らすことができます。

例えば夜勤前に利用者さんの情報(持病や普段のバイタル、服薬内容など)をしっかり収集しておくと、急変時に落ち着いて対処しやすくなります。

また施設内で定期的に急変対応研修を行い、今回取り上げたようなグレーゾーン事例を皆で検討しておくのも有効です。

事前に「こうなったら119番」「ここまではまず観察」など方針を共有しておけば、夜勤者も判断に自信を持てます。

おわりに

いかがだったでしょうか。

夜勤中の一人対応における「判断と通報のボーダーライン」について、代表的な迷いやすい事例を通して解説しました。

振り返りになりますが、判断に迷ったら最優先すべきは利用者さんの安全確保と、速やかな報告・相談です。

自分ひとりで抱え込まず、適切に周囲(看護師や上司、医療機関)へ助けを求めることが大切だという点はどのケースにも共通しています。

特に胸の痛みや黒色便のような重大サインが現れた場合は「迷ったら通報」の心構えで臨みましょう。

幸い大事に至らなくても、「あの時呼んでおいてよかった」という安心感が得られますし、周囲から責められることは決してありません。

それよりも「様子を見すぎて手遅れになった」方が深刻な結果を招きます。

現場の介護職員の中には「常に迷ってしまい判断が遅れていないか不安」という声もあります。

しかし本記事で挙げたポイントを参考に、自信を持って対応していただければと思います。

最後に、夜勤を乗り切るためには日中を含めたチームワークと日頃の準備が何よりの支えです。

急変時のマニュアル確認や研修への参加など、平常時からできる備えを怠らずにいれば、いざというとき落ち着いて対処できるでしょう。

利用者さんの小さなサインに気付けるのは、日々寄り添ってケアしている皆さんだからこそです。

不安な夜勤も、「備えあれば憂いなし」。

適切な判断と通報で利用者さんの安全を守り、自信を持って夜勤業務にあたってください。

それではこれで終わります。

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介護士の資格取得/スキルUP/転職について記事を書きています。 作業療法士/介護福祉士/ケアマネージャー資格等の保有