介護施設BCPにおけるライフライン停止への対応│停電・断水・ガス遮断・通信障害
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介護施設のBCPを考えるうえで、「ライフライン停止」はとても重要なポイントです。
電気・水・ガス・通信が止まると、普段当たり前にできているケアが一気に難しくなります。
実際に私の働くデイサービスでも、短時間の停電で現場が混乱した経験があります。
この記事では、停電・断水・ガス遮断・通信障害が起きたときに、どのように対応すればよいのかを、現場の視点でわかりやすく整理します。
この記事を読むメリット
- ライフライン停止時に「何を優先すべきか」が分かり、現場で迷わなくなる
- 停電・断水・ガス・通信それぞれの具体的な対応がイメージできる
- 自施設のBCPの見直しポイントが分かり、実際に使える計画にできる
では早速、みていきましょう。
【ライフライン停止】がBCP作成に重要な理由

停電が起きると、介護施設の生活は一気に不安定になります。
照明やエアコンが止まり、夜間は転倒の危険が高まります。
冷蔵庫も使えなくなり、食材の管理が難しくなります。
エレベーターが動かなければ、車いすの方の移動も困難です。
電話やネットが使えないと、外へ助けを求めることも簡単ではありません。
私の働くデイサービスでも、台風時に短時間の停電を経験しましたが、わずか数分でも利用者さんの不安が一気に高まり、職員の声かけが追いつかない状況になりました。
さらに注意が必要なのは、「電気が止まると水も止まることがある」という点です。
給水ポンプや浄化槽は電気で動いているため、断水や排水不能につながることがあります。
実際に私の知っている介護施設でも、停電と同時にトイレが使えなくなり、急きょオムツ対応に切り替えたという事例があります。
そうなると、トイレが流せない、手が洗えない、食事の準備ができないなど、生活の基本が崩れてしまいます。
災害時は、すべてを普段通りに行うことはできません。
大切なのは優先順位を決めることです。
- まずは命と安全の確認
- 次に必要最低限のケア
- 食事と排せつを優先
状況に合わせて業務を切り替える考え方が、利用者さんを守る力になります。
判断に迷わない共通ルール
ライフラインが止まったとき、その場の判断だけに任せると、人によって対応が変わってしまいます。
これでは現場が混乱します。
だからこそ、「何を止めて、何を続けるか」を前もって決めておくことが大切です。
私の施設のBCPでは、停電時は「入浴は中止」「レクリエーションは中断」など、最初に止める業務をあらかじめ決めています。
これがあるだけで現場の迷いはかなり減りました。
災害対策の考え方では、まず自分たちの地域でどんな被害が起きそうかを想定します。
そのうえで、施設の設備や人数を踏まえ、「時間がたつと何が困るか」を順番に考えていきます。
ポイントは、重要な仕事と、それを支えるものをセットで見ることです。
たとえば、
- 食事・排せつ・薬の管理
- それを支える電気・水・通信
- 記録の方法(紙かデータか)
こうして整理しておくと、どこが止まると困るのかが見えてきます。
さらに、電源の予備や連絡手段の確保、記録のバックアップ方法などを平時から準備しておくことも重要です。
ライフライン対策と情報対策を一体で考えることが、迷わない行動につながります。
停電への対応
停電への備えは、まず「発電機があるかどうか」で考えると分かりやすくなります。
発電機がない場合でも、できることはあります。
私が勤務している法人本部に発電機はありますが、以前の点検で「どこまで電気を回せるか分かっていない」という問題がありました。
そこで優先順位を見直し、医療機器と最低限の照明に絞るように変更しました。
発電機がある場合は、「動くかどうか」だけでは不十分です。
大事なのは、「どの設備に電気を回すのか」を決めておくことです。
たとえば、次のように、優先順位をはっきりさせます。
- 医療機器
- 情報を集める機器(パソコンなど)
- 冷蔵庫や冷凍庫
- 照明や冷暖房
燃料がどのくらい持つのかも確認しておきます。
乾電池式のライトや手動で使える機器を準備する、車の電源を活用する、太陽光発電の利用を検討するなど、代わりの方法を考えておくことも大切です。
また、停電は電気だけの問題ではありません。
エレベーターが止まり、空調が使えず、情報発信も難しくなります。
よくある例としては、エレベーターが止まることを見越して、歩行が難しい利用者さんは1階で過ごしてもらう対応を想定しています。
施設の状況に合わせた「自分たちの優先リスト」を作ることが、実際に役立つ備えになります。
断水への対応
断水が起きたときは、まず水を「飲み水」と「生活に使う水」に分けて考えます。
この2つは使い方が違うため、準備も別に考える必要があります。
飲み水は、1人1日あたりおよそ1.5~3リットルが目安です。
私の働く施設では、備蓄だけでなく「誰がどの利用者さんに配るか」まで決めています。
過去に訓練をした際、配る役割が決まっていないだけで動きが止まった経験がありました。
ペットボトルなどで備蓄しますが、「どうやって運ぶか」「誰が配るか」まで考えておきます。
体調に不安がある方には、あらかじめ居室に配っておく方法もあります。
備蓄品は期限があるため、定期的に入れ替えます。
生活用水は主に、トイレ・食事・入浴で使います。
断水時は、水を使わない方法へ早めに切り替えることが大切です。
- トイレは簡易トイレやおむつを使う
- 食事は紙皿や紙コップを使う
- 入浴は優先順位を下げる
給水車から水を受けるためのタンク準備や、浴槽に水をためておく方法もあります(飲み水には使いません)。
特にトイレ対策は急ぎます。
切り替えが遅れると衛生状態が悪化します。
排せつ物は袋に入れてしっかり密閉し、人の出入りがない場所に保管します。
安全・密閉・隔離が基本です。
早めの判断と準備が、施設全体の混乱を防ぎます。
ガス遮断への対応
通信障害への対応
机上訓練とチェックポイント
BCPは、作っただけでは意味がありません。
停電や断水が起きたときに本当に動けるようにするには、事前に練習することが大切です。
関係者で内容を共有し、訓練を行い、気づいた課題をBCPに書き直していく流れが必要です。
やりやすい方法が「机上訓練」です。時間の流れに沿って考えます。
私の施設でも年に数回、机上訓練を行っていますが、「停電+断水+通信障害」を同時に想定した訓練は特に効果がありました。
職員からも「一番現実的でイメージしやすい」と声が出ています。
実際にやってみると、「飲み水は足りているが配り方が決まっていない」「連絡手段はあるが使い方を知らない」など、細かい課題が多く見つかりました。
机上訓練ではまず、以下のような段階で整理します。
- 安全確認
- 次に最低限のケア
- 食事・排せつ中心に切り替え
- 復旧を待つ
研修で使いやすいテーマは、「停電+断水+通信障害が同時に起きたら、最初の6時間で何をするか」です。
判断の軸は3つにすると分かりやすくなります。
- 安全確認
- 重要な業務を続けるための準備
- 情報共有
医療機器、飲み水(1人1日1.5〜3リットル)、簡易トイレ、連絡手段などをチェック表で確認します。
備蓄は、少なくとも3日間は自力で対応できる量を目安にします。
地域の状況に合わせて上乗せを考えることが、現実的な備えにつながります。
おわりに
ライフラインが止まると、想像以上に多くの業務が止まります。
私自身、現場で経験して感じたのは「準備しているつもりでも、実際は動けないことが多い」ということです。
だからこそ大切なのは、事前の備えと訓練です。
優先順位を決め、自分たちの施設に合った対応を考えておくことが、利用者さんの安心につながります。
今回の内容をもとに、ぜひ一度、自施設のBCPを見直してみてください。
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