研修をサボるスタッフを責めるのは逆効果?自発的に参加したくなる『声かけ』と『雰囲気作り』のコツ
- 研修に来ないスタッフへの対応に悩んでいる方
- 強く言っても効果がなく、どう関わればいいか迷っている方
- スタッフが自発的に動くチームを作りたい方
- 研修の参加率や意欲を高めたい教育担当・リーダーの方
- 現場の雰囲気や人間関係を良くしたいと考えている方
なぜスタッフは研修をサボるのか?3つの本音

まず、スタッフを「やる気がない」と決めつける前に、彼らの心の声を想像してみましょう。
実際の現場でも、「サボっている」というより、それぞれに理由があると感じることが多いです。
サボるのには、彼らなりの「正当な(と思っている)理由」があることが多いのです。
「現場が回らない」という恐怖心と責任感
真面目なスタッフほど、「自分が研修で1時間抜けることで、残されたメンバーに負担がかかる」ことを気に病みます。
「あのおむつ交換、誰がやるんだろう?」
「入浴介助が詰まっているのに、自分だけ座っていていいの?」
このような申し訳なさや不安が、研修への足を遠のかせています。
彼らにとってサボることは、怠慢ではなく「現場を守るための選択」である場合があるのです。
「自分には関係ない」という無関心
これは、研修の内容と現場の悩みがリンクしていないときに起こります。
「介護の基本」や「法令遵守」など、抽象的なテーマばかりだと、「それ、今さら聞く必要ある?」「現場の役に立つの?」と感じてしまいます。
「今の私の苦労を解決してくれないもの」に、貴重な時間は使いたくないという本音です。
私も「法令順守」などのテーマでは、内容がピンとこず、皆の参加意欲が下がるのを感じていました。
「ただ疲れている」という身体的理由
介護は重労働です。
夜勤明けや連勤のスタッフにとって、静かな部屋で座学を受けることは、学びの時間ではなく「睡魔との戦い」の時間になります。
「眠ってしまって怒られるくらいなら、動いている方がマシ(あるいは隠れて休みたい)」という、切実なエネルギー不足が原因です。
夜勤明けのスタッフがつらそうにしている姿を見ると、無理もないと感じる場面もあります。
責めるのが「逆効果」である決定的な理由
不参加のスタッフを「なぜ来ないんだ!」と問い詰めたり、ペナルティを与えたりしたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、これは多くの場合、逆効果になります。
「心理的リアクタンス」が発動する
人間は、他人から何かを強制されると、たとえそれが自分にとって良いことでも反発したくなる心理を持っています。
これを「心理的リアクタンス」と呼びます。
「行け」と言われれば言われるほど、「行きたくない理由」を探し始めてしまうのです。
研修が「罰ゲーム」になってしまう
厳しく接することで、スタッフにとって研修は「楽しい学びの場」から「怒られないために参加する義務」へと格下げされます。
形だけ出席していても、心はここにあらず。
それでは、あなたのせっかくの教えも、ザルで水を汲むようにスタッフの頭を通り過ぎていってしまいます。
信頼関係の崩壊
現場の忙しさを無視して「研修ルール」だけを押し付けると、「このリーダーは現場の大変さをわかっていない」という不信感を生みます。
一度信頼を失うと、研修以外の日常業務でのコミュニケーションもギクシャクし始めます。
自発性を引き出す「魔法の声かけ」と「根回し」のコツ
北風と太陽の童話を思い出してください。
旅人の上着を脱がせたのは、冷たい風ではなく、温かな太陽の光でした。
スタッフを動かすのも、厳しさではなく「納得感」と「特別感」です。
現場の仕事でも「手伝ってほしい」と伝えたときの方が、スタッフの反応が良かったと感じています。
「教える」ではなく「助けてほしい」と頼む
人は誰かに頼りにされると、存在意義を感じて動きたくなるものです。
✕ 悪い例: 「〇〇さん、次回の移乗研修、必ず出席してくださいね」
〇 良い例: 「〇〇さんは移乗がすごく上手だから、次回の研修で『コツ』をみんなに共有するのを手伝ってほしいんです。あなたの視点が必要なんです」
このように、「あなたの存在が研修の質を上げる」というメッセージを伝えてみてください。
事前の「予告トーク」でワクワクを作る
研修当日にいきなり集めるのではなく、1週間以上前から少しずつ「ネタ出し」をします。
「今度の研修でやる『30秒で終わる記録術』、実は私が試してみたら本当に残業が減ったんだよね。当日詳しく教えるから楽しみにしてて」 というように、「それを知ることで得られるメリット」をチラ見せしておくのです。
私の働く施設でも、事前に少し話しておくだけで「それ気になる」と言ってくれるスタッフが増えました。
「サンクスカード」的なフィードバック
参加してくれたスタッフ、あるいは参加しようと努力してくれたスタッフに「ありがとう」を可視化しましょう。
「今日は忙しい中、時間を調整してくれて助かったよ。〇〇さんのあの質問、みんなの勉強になったね」 この一言があるだけで、次回の参加意欲は格段に変わります。
サボらせないための「雰囲気・環境作り」
個人の意識を変えるのと同時に、仕組みとして「参加しやすい、参加したくなる」環境を整えることが重要です。
シフト調整の「見える化」と「セット提供」
「研修に行っていいよ」と言うだけでなく、「研修中はフリーの〇〇さんがあなたのホールをカバーするから、安心して抜けてね」と、具体的な安心感をセットで提供します。
現場の不安を物理的に取り除くことが、一番の不参加対策です。
「お土産」と「ホスピタリティ」
研修会場を、少し特別な場所にしましょう。
- 普段の会議室に、ちょっと良いお茶や一口チョコレートを置く。
- 明日の業務からすぐ使える「カンペ用カード」を配布する。 「ここに来ると、ちょっとだけ良いことがある」という刷り込みを作るのです。
「参加」の定義を広げる
どうしても全員が一堂に会するのは不可能です。
- 録画したものを休憩室で流す。
- 研修の要点をまとめた「1分まとめ動画」をグループLINEで共有する。
これらを活用し、「物理的にその場にいなくても学べる」選択肢を用意します。
「サボった」という罪悪感を持たせないことで、学びの輪から脱落するのを防ぎます。
「サボり」が減った先に待っているチームの変化
研修へのハードルが下がり、スタッフが自発的に集まるようになると、施設全体に素晴らしい変化が起こります。
まず、「学びが共通言語」になります。
「この間の研修のあのやり方、試してみたら良かったよ!」といった会話が日常的に生まれるようになれば、現場のケアの質は自然と統一され、向上していきます。
そして何より、スタッフの離職防止に繋がります。
「自分のスキルが上がっている」「ここは自分を成長させてくれる場所だ」と実感できる職場は、スタッフにとって手放したくない場所になるからです。
おわりに
研修担当の皆さん。
スタッフがサボることに腹を立てるのではなく、「どうすれば彼らの心に火がつくか」を考えるクリエイティブな挑戦だと捉え直してみませんか?
あなたが責めるのをやめ、彼らの不安に寄り添い、「行きたい!」と思える仕掛けを一つひとつ作っていくこと。
そのプロセス自体が、実は最高のリーダーシップ研修になっているはずです。
完璧を目指さなくて大丈夫。
まずは、隣のスタッフに「今度の研修、あなたにいてほしいんだ」と声をかけることから始めてみましょう。
あなたのその一歩が、現場を、そして利用者さんの毎日をもっと明るいものに変えていきます。
研修作成のプレッシャーを少し肩からおろして、まずはあなた自身が「学ぶ楽しさ」を体現していきましょう。
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介護サービスごとにわかりやすく、情報公表調査で確認される研修と、義務づけられた研修を分けて記載しています。
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