非常時に備える介護施設BCP│サプライチェーン断絶(食材やオムツが届かない)への備え
- すぐ使える研修資料がほしい
- 急ぎでも伝わる資料を作りたい
- 職員が興味を持つ研修テーマは?
- 去年と同じ内容ではまずい…
- 研修担当じゃないけど伝えたい
在庫が減るスピードが早まり、頼んでも到着まで時間がかかることがあります。
特に影響が出やすいのは、
- 食材
- おむつや衛生用品
- 水や燃料
など、毎日使う物です。
実際の災害では、物流が止まり、食料が尽きかけた施設が、近隣の園や地域から支援を受けて助かった例もあります。
つまり、「いつもの取引先」だけに頼るのは危険です。
大切なのは、業者の被害状況も確認しながら、早めに動くことです。
物が届かない事態は特別なことではありません。
最初から想定しておくことが、施設を守る力になります。
続けるケアから逆算する優先物資の決め方
「食材が届かない」「オムツが届かない」と聞いても、困り方は施設ごとに違います。
やわらかい食事が必要な人が多いか、排せつ介助がどれくらい必要か、感染の心配があるかなど、条件が違うからです。
そこで大切なのが、「何のケアを続けたいのか」から考える方法です。
まず重要な業務を決め、そのために必要な物を洗い出します。
たとえば、次のように整理すると、「何を優先して確保すべきか」がはっきりします。
【排せつケア】
- 止まるとどうなるか:皮膚トラブルや不快感
- 必要な物:おむつ、水、簡易トイレ
【食事や水分の提供】
- 止まるとどうなるか:脱水や体力低下
- 必要な物:食材、飲料水、調理手段
感覚ではなく、理由をもって決められるのがポイントです。
さらに、業務を続けるには、次の項目も確認します。
- 人手は足りているか
- 設備や電気・水は使えるか
- 交通や業者は動いているか
優先物資を決める作業は、施設の弱い部分を見つけることでもあります。
続けたいケアから逆算して考えることが、実際に役立つ備えにつながります。
備蓄を「回る仕組み」にする
備蓄は「たくさんあるか」だけでは不十分です。
実際の現場では、以下のような問題が起きやすいのが実情です。
- 期限が切れていた
- どこに保管しているか分からない
- 管理する人が決まっていない
そのため、必要な物をリストにし、担当者を決めて、定期的に点検と入れ替えを行うことが大切です。
特に食料やおむつ、衛生用品は最初から備えておく前提の物資です。
厚労省の資料では、行政自体が被災し支援が遅れた事例を踏まえ、備蓄量を見直す動きが紹介されています。
- 被災地施設を中心に、3日分から7日分へ増やす
- 南海トラフ想定地域では、2週間分を備蓄する
水は特に重要です。
飲み水は1人1日3リットルを目安に、職員分も含めて確保します。
給水場の確認やタンク、浄水器の準備に加え、次のような考え方も例示されています。
- 大規模小売店と協定を結び、優先的に供給を受ける
- 備蓄と調達、協定をセットで考える
備蓄は置くだけでなく、「点検・更新・管理」を続けることで、初めて役立つ仕組みになります。
調達を切らさないための連携と代替策
備蓄は大切ですが、災害が長引いたり、感染症と重なったりすると、備えていた分だけでは足りなくなることがあります。
そこで必要なのが、「物が入らなくなったときの次の手」を決めておくことです。
まず考えるのは、前述のように、仕入れ先を1つにしないことです。
いつもの業者が動けなくなる場合を想定し、
- 複数の業者とつながっておく
- 法人内で情報を共有する
- 不足が見込まれたら早めに自治体へ相談する
といった流れを決めておきます。
これを食材やおむつ、衛生用品、燃料などに広げて整理します。
また、施設どうしや地域との助け合いも重要です。
事前に、
- 被災時の連絡方法
- 物資の貸し借りのルール
- 職員の応援体制
を決めておくと、いざという時に動きやすくなります。
支援する場合だけでなく、支援を受ける場合の動きも考えておくことが大切です。
さらに、代わりの品を使うルールも共有しておきます。
非常時は、銘柄や形にこだわらず、サイズ違いや別の食材で対応するなど、柔軟に考える姿勢が必要です。
調達を切らさないためには、「備蓄」「連携」「代替」の3つをセットで準備しておくことがポイントです。
動くBCPにするための実践訓練
BCPは、文章を作っただけでは非常時に動きません。
担当者や連絡先の整理、必要物資の準備、組織内での共有、定期的な見直し、そして研修や訓練の実施が重要です。
訓練として例えば「72時間、食材とオムツの納品が止まる」という状況を考えます。
これは、自然災害BCPひな形で示されている「行政支援開始の目安=被災後3日」と整合するため、判断を現実的にしやすくなります。
進め方は、できるだけシンプルにします。
重要業務から確認し、必要な資源、現在の在庫、代替手段、外部への要請という順で整理します。
訓練では、次のポイントを必ず確認します。
食事:
調理ができない前提で、調理不要の備蓄へ切り替えられるか。経管栄養食や高カロリー食の在庫、最低限の配布量や回数を確認します。
排泄:
簡易トイレの設置方法、オムツ在庫の把握、汚物を密閉・隔離して保管する場所を決めておきます。
外部要請:
物資が不足しそうな場合に、いつ、誰が、どこへ相談するのかを明確にします。
連絡手段:
通信が使えない場合の代替手段や、遠方の交流施設を中継点にする連絡方法を確認します。
このように訓練で一度流れを回しておくことで、非常時でも現場が迷いにくくなります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
サプライチェーンの断絶は、特別な出来事ではありません。災害や感染症が重なれば、食材やオムツが届かない状況は十分に起こり得ます。
だからこそ、「何を続けるか」から逆算し、備蓄・連携・代替策をセットで整えておくことが重要です。
そして計画は、作るだけでなく訓練で確かめることが欠かせません。
日頃の準備と見直しの積み重ねが、いざという時に利用者さんの命と生活を守る力になります。
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