筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
私たちは利用者さんの名前や住所、病歴など、多くの個人情報を扱っています。
これらの情報は、利用者さんとご家族の信頼のもとに預かっている「大切な財産」です。
もし情報が漏えいしてしまうと、施設の信用だけでなく、利用者さんの信頼までも失われてしまいます。
本記事では、情報漏洩がもたらす影響と、信頼を守るために職員一人ひとりができる実践的な対策について解説します。
この記事を読むメリット
- 情報漏洩のリスクを正しく理解できる
- 信頼を守るための対策がわかる
- 安心して働ける環境づくりにつながる
早速みていきましょう。
身近なミスから起こる「情報漏洩」に注意!

利用者さんの名前や住所、病歴などの個人情報が外部に出てしまうことを「情報漏洩(じょうほうろうえい)」といいます。
たとえば利用者さんの連絡先が書かれた紙をうっかり車に残してしまい盗まれたり、間違えて利用者さんの情報を含むファックスを他人に送ってしまったりといったヒューマンエラーがよく起こります。
また、メールを送るときに宛先を間違えたり、スマホで撮った写真に個人情報が写っていたのに公開してしまったりするのも漏洩の例です。
こうした身近なミスでも、利用者さんの大切な情報が外に出てしまうリスクがあります。
情報を守ることは「人の信頼」を守ること
介護の仕事でいちばん大切なのは、利用者さんとの信頼関係です。
個人情報もその信頼の一部であり、名前や住所だけでなく、思い出やご家族のこと、健康状態といった「人生の大切な一部」を含んでいます。
これらの情報をしっかり守ることは、利用者さん一人ひとりを尊重することにつながります。
個人情報の保護への取り組みは、利用者さんの安心に直結する重要なものです。
つまり、職員が情報を丁寧に扱う姿勢は、そのまま「人を大切にする姿勢」です。
利用者さんやご家族から「この施設なら安心して任せられる」と思ってもらえるように、日々の業務の中で情報管理を徹底し、信頼を守り続けていきましょう。
情報漏洩が起きたらどうなる?施設への主な影響
万一情報漏洩が起きると、利用者さんやそのご家族の不安を招くだけでなく、施設への信頼も大きく傷つきます。
特に介護施設は多くのセンシティブな情報を扱うため、漏洩が発覚すると施設の信用失墜や経営への影響につながるおそれがあります。
また、個人情報保護法などの法律に違反した場合、行政指導や罰則、職員への懲戒、施設の報告義務が発生します。
さらに場合によっては、利用者さんやご家族から損害賠償を求められる訴訟に発展することもあります。
このように、情報漏洩は単なるミスでは済まされず、施設の信頼・運営に深刻な影響を与える重大な問題なのです。
信頼を守るための具体的な対策
情報漏洩を防ぐためには、職員一人ひとりの意識づけと、施設全体でのルールづくりが大切です。
まずは研修や朝礼などで「個人情報はとても大切なもの」という意識を共有しましょう。
一人ひとりが「この情報は守らなければならない」と理解し、責任をもって扱うことが基本です。
次に、技術的・物理的な対策をしっかり行いましょう。
パソコンやスマホには必ずパスワードを設定し、ウイルス対策ソフトを導入します。
使用していないときは画面ロックを徹底し、紙の書類は鍵付きキャビネットで保管、不要になったらシュレッダーで処分します。
外出先でスマホやタブレットを使用する際は、紛失に注意し、必要のない場所には持ち込まないなどのルールを守りましょう。
【基本のチェックポイント】
職員教育:
定期的に個人情報保護の研修を実施し、正しい扱い方を周知する。
送信ミス防止:
メールやFAXは送信前に宛先・添付を必ず二重チェック。慌てて送信しない。
機器管理:
パソコンやスマホにはパスワードを設定し、離席時には必ずログアウト。
書類管理:
利用者情報の書類は施錠できる場所で保管し、不要になったらすぐに廃棄。
公共での会話注意:
職場以外では利用者名や病状を話さず、具体的な内容は避ける。
これらの対策を日々の習慣にすることで、ヒューマンエラーによる漏洩リスクを減らせます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
情報を守ることは、利用者さんの尊厳を守ることでもあります。
どんなに小さなミスでも、信頼を損なえば取り戻すには時間がかかります。
だからこそ、日々の意識と丁寧な対応が大切です。
施設全体で情報管理のルールを共有し、確実に実践することで、「安心して任せられる施設」をつくっていきましょう。
信頼は、ひとり一人の行動の積み重ねから生まれます。
それではこれで終わります。
この研修記事が御社の運営に少しでもいかしていただければ幸いです。
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