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介護士のスキルUP

突然の意識消失、吐き気や嘔吐、冷や汗【迷走神経反応(VVR)の病態やその予防:体験談あり】

血を見るとフッとなってしまう。採血は横になって行っている。ケガをするとめまいがする。
とも
とも
それって、もしかしたら迷走神経反応かもしれません。

こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。先日、こんなツイートをしました。

会社内で採血をしたとき、顔面蒼白で倒れこむスタッフがいた。
ナースに聞くと迷走神経反応(vaso vagal reaction:VVR)と呼ばれるものとのこと。
気になったので調べてみると、意外とこの症状が出る人って多い。
利用者さんで急変する人は、もしかしたらこれが原因の人も多いかも。

このスタッフにインタビューをしました。そして迷走神経反応について調べたので執筆していきます。

本日のテーマ

突然の意識消失、吐き気や嘔吐、冷や汗【迷走神経反応(VVR)の病態やその予防:体験談あり】

筆者

記事を書いている僕は、回復期病院で6年、その後介護現場で10年ほど働いています。介護福祉士と作業療法士を取得し、現在は4事業所の統括をしています。

読者さんへの前置きメッセージ

実際に症状が出て悩んでいるスタッフにインタビューし、リアルな症状を知ることができます。極力、専門的な言葉は省きます。あなたの親や身近な人、もちろんケアの現場にも役立つ内容です。

記事を読む価値

  • この記事を読むことで、迷走神経反応の症状や起きる原因がわかります。
  • 症状が出る方は、皆さんどんな悩みを持っているか知ることができます。
  • 緩和方法を分かりやすく書いていきます。

 

それでは早速、見ていきましょう。

迷走神経反応とは?

疑問
とも
とも
迷走神経反応とは何らかの刺激によって迷走神経が働き、脳への血の流れが不足することで失神やめまいが起きる反応です。

一時的な意識障害のことを言います。

つい最近では新型コロナワクチンの集団接種会場で意識消失や痙攣を起こしたとのニュースがありました。

副反応ではと言われていますが、症状だけ聞くと「迷走神経反応ではないか」と僕は思っています。

集団接種ワクチン会場でのニュースはコチラ

どんな症状が出るの?

疑問が多い女性

迷走神経反応が生じ意識が消失するまでに様々な症状が現れます。

迷走神経藩のによる症状
  • 気分不良
  • めまい
  • 吐き気、嘔吐
  • 顔面蒼白
  • 発汗
  • 血圧低下

これらが生じ、その後に意識を失う場合があります。

意識が保たれたままの人もいます。

危ないのは意識消失やめまいからの転倒による外傷などが危険ともいわれています。

起きる原因

時計を見て、しかめ面をしている男の人

迷走神経反応(VVR) が起きる原因としていわれているのは、以下のようなものが挙げられます。

迷走神経反応(VVR) が起きる原因
  • 過度のストレス
  • 痛み
  • 疲労
  • 睡眠不足
  • 空腹

よく起きる場面でいわれているのは注射や朝礼などが挙げられます。

注射はストレスに加え痛みも生じるので起きる人が多いのでしょうね。

どんな時に迷走神経反応がでるのか(インタビュー)

インタビューを受けている男性
とも
とも
迷走神経反応がでたスタッフへインタビューしました。

度々、症状がでることがあるようで、どんな時にその症状がでるのか執筆しています。

最近では、どんな時に症状がでましたか?

先日マラソンに行った時です。

マラソン後に友人と食事に行くまでに時間があったので、友人に勧められ、行ったことのない献血に行ってみました。

初めてなので血液型を調べるため血を抜きました。

抜いた血を薬液を塗ったプレートの上に乗せ、固まってきたなと思った時に、気分不良が生じ、そのまま気を失いました。

気が付いたときには混ぜていたおばちゃんでは無く、私の正面には男性が立っていました。

私はやってしまったと思いましたが、向こうはバタバタと私の身体を気遣ってくれ、車いすでベッドまで運び、ストローを挿したアクエリアスを飲ませてくれました。

何度か起きていることなので、そこまで大げさにしては欲しくなかったのですが、症状が出てしまったのなら看護師の指示に従うしかありませんでした。

20分程横になり、その後医師の面談を受ける運びとなりました。

私も医療職の端くれですので、医師の前にあるカルテをまじまじと眺め、そこに❝VVR❞と書いてありました。

その時はVVRって何だ?と思いました。

その医師に聞けば良かったのですが、すごく面倒くさそうな対応をされ、こちらも迷惑をかけただけに聞けずでした。。。

このような症状は何度か起きており治療はないのかとは聞きましたが、答えは返ってきませんでした。

結局血を抜いただけで献血は出来ず、迷惑をかけてトボトボ出ていきました。

何度かそのような症状が出ることはあるんですか?

学生時代ラーメン屋でアルバイトをしていたときです。

ギョーザを焼き終え鉄板を掃除し終わり、刃物が付いたスクレーパーを仕舞おうとしたときに指を擦ってしまい出血しました。

そこまで大したことのないケガだったので、水で洗い流し絆創膏を巻いていたときにVVRは現れました。

初めてだったので何が起こったのか意味が分からない。最初は気分が悪くなり、身体が重たくなったのを覚えています。

皿を洗っていたのですが、めまいが始まり私の目の前がゆっくりと回り始めました。

お会計を頼まれ対応しましたが、お釣りも目を凝らさないと分かりにくい状態で、お客さんからすれば「コイツやばい…」と思われていたかもしれません。

限界と思い店長に頼んで休憩をもらいました。休憩室では椅子しかなかったので、腰かけて深呼吸を繰り返し、症状が治まるのを待ちました。

初めて起こったので、何が原因かは分かりません。勤めて間もなかったため、ストレスや空腹が原因だったのかも分かりません。

出血や痛みがなくても症状が出るときはありますか?

フルマラソンを走って数か月後のことです。

マラソンにより親指の爪が剥がれかかっていました。周りの人からはこれは剥がれるでとは釘打たれていました。

友人と温泉へ行き風呂から上がった時に爪が剥がれていることに気が付きました。まったく痛みもないし、出血もありません。

しかしヤツ(VVR)は急に現れました。

気分不良が生じたのです。その頃には何度か起きていたので、友人に少し休ませてと頼み畳で横になりました。

しばらく横になった状態で呼吸を整えることで症状は治まりました。

原因としては私は爪が剥がれる・割れる・血が出るという、爪系のケガに非常に恐怖を感じています。その過度の恐怖が引き金だったのかなと思います。

他にはどんな時にその症状は出ますか?

私には大好きな姪がいるのですが、その姪がケガしたときに生じたケースです。

姪が3歳くらいの時に遊んでいたのですが、バランスを崩しテーブルに口をぶつけてしまいました。

姪は号泣し、口からは出血。私は慌てて血を拭いていたときにヤツ(VVR)は現れました。

他人でVVRが生じるのは初めてで、「嘘だろ…」と思いましたが、出てしまうと体を起こしておくのが辛い状態です。

姉を呼び交代してもらいました。その時私は傍で横たわっていました。

私の家族もこの症状を理解していますが、「情けなーっ」と笑われてしまいました。

他人で生じたのは初めてだったので信じられない気持ちでしたが、原因としては姪が号泣しているのを目の当たりにして、口から血も出ているので過度の緊張が生じたのかなと考えています。

悩み

辛い

インタビューをしていると、色々な悩みを聞かせていただきました。

まとめると迷走神経反応(VVR)の症状の悩みは4つあります。

迷走神経反応(VVR)による症状の悩み
  • いつ起きるかという不安
  • 症状が起きてから改善までに時間がかかる
  • 周りの理解の低さ
  • 将来の不安

具体的にお伝えします。

いつ起きるかという不安

このような人は、何かケガでもしたらVVRが出るのではないかと思ってしまいます。

わずかな擦り傷、打撲、出血、他人のケガ等。こういったことを目の当たりにしたときに鼓動が早くなるようです。

「来るな来るな来るな。」と思ってしまい、変にストレスが掛かり、このストレスも引き起こすきっかけになる可能性もあります。

症状が起きてから改善までに時間がかかる

個人差があるとは思いますが、このスタッフの場合ば完全に戻るまでには横になってから10分程度とのことです。

そして一人であれば良いのですが、基本的に他人が傍にいる時に症状が起きます。

そのため周りの人を待たせてしまったり、迷惑をかけてしまう事があり、申訳なさに苛まれてしまいます。

周りの理解の低さ

周りからは大したことが無いようなケガでも症状が出ることがあるので、大げさ、情けないと思われるのは仕方ないのかもしれません。

理解が低いからこそ周りの人の目を気にしてしまい、ストレスになっているのではとも思っています。

将来の不安

「事故や大きなケガをしたら、自分はどうなってしまうのだろうか」という不安は常に付きまとっています。

小さなケガでこのようなめまいや吐き気を起こしてしまうのであれば、それなりのケガをしたらどうなってしまうのか。

また、自分の子供がケガをしたときに自分自身が倒れていたようでは、あまりにも情けないではないか!と思ってしまうようです。

緩和方法

手を出して断わっている女性
とも
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迷走神経反応(VVR)を完全に治す方法はありません。しかし原因が分かれば症状を抑えるような工夫も考えられます。

例えば採血であれば座って採るよりも、寝て採った方がVVRの発生率は低いと言われています。

採血に行くことが決まっていたり、病院で何かしらの治療が予定されているのであれば空腹や睡眠不足に対しての対策は可能であると思います。

不安、痛み、ストレスに対しての対処はかなり難しいとは思いますが、周囲の人に自分がVVRであるという理解を得れていれば気は楽になるかもしれません。

実際にこのスタッフは、VVRという名前を知り、周りの人に話すことで理解を得られるようになりました。

そして、症状が現れたときの対処は横になり、足を挙げて安静にすることです。

脳への血が足りなくなっているので、血を送るために重力に逆らわないよう対処するのみです。

まとめ

迷走神経反応を知らないまま過ごしている人は数多くいると思います。

迷走神経反応という症状を知り、そして理解してくれる人が増えれば、安心して横になれるというものです( ´∀` )

ケアの現場でもこの知識は使えます。

迷走神経反がでる利用者さんは多いです。

利用初日で緊張気味、前日の睡眠不足、食後で脳への血流が減少している、などが原因で意識が消失してしまうこともあります。

この知識を是非現場でも活かしていただけると嬉しいです。

それではこれで終わります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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介護士の資格取得/スキルUP/転職について記事を書きています。 作業療法士/介護福祉士/ケアマネージャー資格等の保有