筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
毎年11月は「製品安全総点検月間」です。
この期間は、私たちの身の回りにある電気製品や暖房機器などを点検し、火災や事故を未然に防ぐ大切な機会です。
実際、全国では毎年約1,000件もの火災や死亡事故が、コンセントやストーブ、家電製品などのトラブルによって発生しています。
中でも高齢者の自宅火災は多く、反応の遅れや老朽化した家電の使用、暖房器具の誤操作が原因となることが多いようです。
視覚や聴覚の衰えも火災の発見を遅らせる要因です。
そのため、できればご家族の方が使用前に製品が安全であるか、しっかり確認することが重要です。
例えば、電源コードが傷んでいないか、ストーブが正常に作動するか、異常な発熱や異音がないかを点検しましょう。
11月の「製品安全総点検月間」を活用して、利用者さんやご家族へ、在宅防火対策についてお伝えしてみてはいかがでしょうか。
この記事を読む価値
- 「事故発生または再発防止に関する研修」の資料とすることができます。
- できる限り難しい表現は省いています。
- 利用者さんやご家族へ、このまま資料をコピーして配布することもできます。
早速、見ていきましょう。
コンセントの安全チェックポイント
コンセントの使い方ひとつで、火災のリスクを大きく減らすことができます。特に次の2点に注意し、チェックしましょう。
1. たこ足配線になっていないか?
たこ足配線は、一つのコンセントに複数の電気機器をつなぐ状態を指します。
これにより、消費電力が一気に増大し、電源コードやプラグが異常に発熱する可能性があります。
最悪の場合、火災の原因にもなりかねません。
特に高消費電力の家電製品は、個別のコンセントに接続するようにしましょう。
2. プラグにほこりがたまっていないか?
意外に見逃しがちなのが、プラグ周りのほこりです。
ほこりがたまると、空気中の湿気を吸い取り、漏電を引き起こすことがあります。
この漏電が発火し、火災へとつながるリスクがあるため、プラグやコンセント周りのほこりは除去しましょう。
これらの簡単なチェックで、家庭内の火災リスクを大幅に減らすことができます。
安全な暮らしのために、ぜひコンセントの状態を確認してみてください。
電気ストーブ使用時の注意点
電気ストーブを使う際、周囲に可燃物を置かないことが非常に重要です。
特にタオルや服など燃えやすいものをストーブの近くや上に置くと、ストーブの熱によって発火する可能性があります。
安全な使用のために、ストーブの周りには十分なスペースを確保し、物を置かないようにしましょう。
また、使用中は常に目を離さず、消し忘れにも気をつけてください。
正しい使い方で、冬の暖かさを安全に楽しみましょう。
電子レンジの安全使用
電子レンジを使用する際、食品のカスや汚れを放置するのは危険です。
残った食品カスが再加熱されると、火がつきやすくなり、火災につながる恐れがあります。
特に油汚れは、火災リスクを高める要因です。
安全に使うためにも、使用後はこまめに掃除を心がけましょう。
重曹を使って油汚れをしっかり落とすと効果的です。
清潔な電子レンジを維持することで、安全で快適な調理環境を保ちましょう。
エアコン使用時の注意点
エアコンは消費電力が非常に大きいため、延長コードの使用は避けましょう。
延長コードを使うことで、接続不良や電圧の負荷がかかり、プラグにたまったほこりが発火する可能性があります。
特に長時間の使用時には、これが火災の原因となるリスクが高まります。
エアコンは専用のコンセントに直接接続することで、安全に使用できます。
安心して快適な空間を維持するために、適切な使い方を心がけましょう。
電気カーペットの安全使用
電気カーペットを使用する際、たたみジワに気をつけましょう。
カーペットを折りたたんで保管すると、たたみジワができ、そのまま使用すると中のヒーター線が重なり、過熱して発火する危険性があります。
使用前には、しっかりと広げてシワがないことを確認し、安全に使うようにしましょう。
また、定期的にカーペットの状態を点検し、異常がないか確認することも大切です。
正しい使い方で、安心して暖かさを楽しんでください。
電気製品のコード使用時の注意点
電気製品のコードは、束ねたままやねじれた状態で使用すると危険です。
コード内部で断線が発生しやすくなり、そこから発熱・発火する可能性があります。
特に長時間の使用や高消費電力の製品では、リスクがさらに高まります。
安全に使用するためには、コードはまっすぐに伸ばし、余分な部分も整えて使うことが大切です。
普段からコードの状態を確認し、正しい使い方を心がけましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
冬場の暖房器具や電気製品の安全な使い方は、生活を守るためにとても重要です。
火災や健康被害のリスクを防ぐためには、事前点検と正しい使用方法をしっかりと守ることが必要です。
特に、コンセント周りのチェックやストーブ周辺の整理、エアコンや電子レンジの清掃など、簡単にできることが多くあります。
ただ高齢者は動くのが億劫なこともあり、「別に良いか…」と何もしない場合が多いです。
これらの情報をしっかりとお伝えすることで、安心して暖かい冬を過ごしていただきましょう。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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