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倫理及び法令遵守

【完全版】介護施設の法令遵守マニュアル

とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。法令遵守マニュアルを作成しました。ぜひお役立てください!

筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

介護の現場では、日々多くの利用者さんと接しながらケアを提供しています。

その中でとても大切なのが「法令遵守(コンプライアンス)」です。

これは、介護保険法や個人情報保護法、高齢者虐待防止法などの法律を守りながら、正しく安全なサービスを行うことを意味します。

万が一、法令違反があれば、事業所の運営停止や指定取消しといった大きな処分につながることもあります。

利用者さんの安心と信頼を守り、職員自身が安心して働くためにも、全員がルールを理解し、日々の業務の中で実践することがとても大切です。

法令遵守がなぜ重要か

六法全書

介護の現場で「コンプライアンス(法令遵守)」とは、介護保険法や個人情報保護法などの法律、および施設内ルールをしっかり守って業務を行うことを指します。

近年、介護業界では重大なコンプライアンス違反により行政処分(事業停止や指定取消しなど)を受ける事業所も少なくありません。

介護サービスは公的な介護保険料(税金)により賄われているため、利用者さんに安全で質の高いサービスを提供する責任があります。

法令遵守はその責任を果たす上で欠かせず、施設の信頼性や利用者の安心にも直結します。

【法令遵守が重要な理由】

利用者さんの安全と尊厳を守るため:

法律に沿った適切なケアにより、利用者さんの権利侵害や事故・虐待を防ぎます。これは利用者本人とそのご家族の安心につながります。

事業所の信頼と継続運営のため:

法令違反が発覚すると行政処分を受け、介護事業者の指定取消しや営業停止になる可能性があります。法令を守ることは社会的信頼の基盤となり、結果的に事業の安定と継続を支えます。

職員自身と職場を守るため:

法令遵守は利用者さんだけでなく職員の安全・労働環境も守ります。例えば労働法規を守ることは職員の健康を守り、ひいては良質なサービス提供につながります。ルールを守る職場では職員同士も安心して働け、ミスやトラブルの減少につながります。

以上の理由から、介護に携わる全ての職員が法令の基本を理解し、日々の業務で遵守する意識を持つことが大切です。

では具体的に、介護現場で関係する主な法律と、その現場で気をつけるべきポイントを順に見ていきましょう。

介護保険法に関するルール

介護保険法は、要介護高齢者や障がい者に対して適切な介護サービスを提供し、自立した生活を支援することを目的とした法律です。

介護サービス事業者が都道府県や市町村から指定を受けるには、人員・設備・運営の3つの基準を満たす必要があります。

またサービス提供時には以下のような重要事項を遵守する義務があります。

利用者さんの人格尊重とプライバシーの保護:

職員は利用者さんの意思や人格を尊重し、人権とプライバシーを守る必要があります。

例えば、利用者さんを子ども扱いしたり尊厳を傷つける言動は厳禁です。

身体拘束(ベルトで縛る等)は原則禁止されており、緊急やむを得ない場合でも施設の定める手順に沿った許可と記録が必要です。

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適切なケアと自立支援:

利用者さんにとって適切な介護・必要に応じた医療行為を行います。

過剰な介助で利用者さんの残存能力を奪わず、自分でできることは促して自立を支援しましょう(自立支援の理念)。

医師の指示に反した対応(例:必要な薬を与えない等)は違法行為に繋がるので厳禁です。

サービスの質の向上:

提供する介護サービスの質を常に向上させる努力が求められます。

具体的には、定期的な研修への参加や介護技術・知識の習得、新人への指導などを通じてチーム全体のスキルアップを図ることが大切です。

現場で起こったヒヤリハット(ヒヤッとした事例)も共有し、再発防止策を皆で検討することでサービスの質を高めましょう。

適正な運営・経営管理:

介護保険法では事業運営の公正さ・透明性も重視されています。

現場職員は経営には直接携わらなくても、業務日誌や介護記録を正確につける、報告・連絡・相談を徹底する、といった基本を守ることで適正な運営に協力できます。

不正請求や隠蔽体質を防ぐためにも、一人ひとりが「おかしい」と思ったことは上司に報告する風通しの良い環境づくりが重要です。

以上のルールを守らない場合、行政から介護報酬の減額や事業指定の取消しといった処分を受ける可能性があります。

現場の職員としては、自分の行為が利用者さんの尊厳や安全に影響しうることを常に意識し、「利用者さんのためになるか」「法律や施設ルールに反していないか」を判断基準に行動することが求められます。

個人情報保護法に関するルール

個人情報保護法は、氏名や住所、病歴など個人を特定できるあらゆる情報の取り扱いについて定め、個人の権利利益を守ることを目的とした法律です。

介護現場では利用者さんに関する膨大な個人情報(例:病歴、家族構成、要介護度、サービス利用状況等)を扱うため、この法律の理解と遵守は特に重要です。

情報漏えいや不正利用を防ぐため、以下の対策を徹底しましょう。

利用目的と同意の徹底:

個人情報は利用者本人・家族の同意を得て収集し、説明した目的以外には利用しません。第三者(他の利用者や無関係の外部者)に本人の許可なく提供することも避けます。例えば、利用者さんの状況を他の家族や知人に勝手に話すことは厳禁です。

適切な保管・管理:

紙の記録は施錠できるキャビネットに保管し、不要になった書類は細断処理します。電子データはパスワードを強化し、ウイルス対策ソフトを導入するなどして外部への情報漏洩やデータ消失を防ぎます。施設外へ個人情報を持ち出す際(ノートPCやUSBメモリで利用者情報を持ち出す等)は許可を取り、暗号化するなど厳重に管理してください。

写真・映像の取り扱い:

利用者さんの写真や動画を施設のパンフレットやブログ等で使用する場合、必ず事前に本人やご家族の了承(書面での同意)を得ます。また業務中に利用者さんの写真や動画を私的に撮影しSNSに投稿するといった行為は厳禁です。利用者さんが特定される恐れのある情報はプライベートでも口外しないよう徹底しましょう。

万一の対応:

個人情報が漏洩したり紛失した疑いがある場合、すみやかに上司に報告し、関係者への通知・再発防止策の検討など所定の手続きを行います。初動対応が遅れると被害が拡大したり法令上の報告義務に違反する可能性があります。日頃から「情報を扱っている」という自覚を持ち、緊張感をもって業務にあたりましょう。

個人情報保護法は社会情勢の変化に合わせて改正も繰り返されています。

最新のガイドラインや施設のプライバシーポリシーについて、研修などで定期的に確認しアップデートしておくことも大切です。

高齢者虐待防止法に関するルール

高齢者虐待防止法は、高齢者(65歳以上)に対する虐待の防止と早期発見、適切な保護を目的とした法律です。

介護施設や事業所で働く職員(養介護施設従事者等)が業務上で知り得た虐待の事実を放置しないよう、通報義務なども定められています。

この法律では、高齢者への虐待を以下の5種類に分類しています。

身体的虐待:

殴る、蹴る、つねる、不要な身体拘束をする、といった身体に傷や苦痛を与える行為。

介護・世話の放棄・放任(ネグレクト):

食事や排泄、清潔のケアを怠る、必要な介助をせず放置するといった行為。例:おむつが汚れたまま長時間放置、褥瘡(床ずれ)を放置するなど。

心理的虐待:

大声で怒鳴る、暴言を吐く、無視する、威圧的な態度をとる等、精神的苦痛を与える行為。

性的虐待:

本人が拒否しているのに性的な行為や言動を強要・虐待する行為。

経済的虐待:

本人の資産を不当に使い込む、お金を盗む、年金を勝手に使う、必要な生活費を渡さない等の経済的な搾取。

上記のような虐待行為は決して行わないことはもちろん、周囲でその兆候を感じたら見過ごさず適切に対応することが必要です。

虐待の未然防止

日々のケアで利用者さんに寄り添い、尊厳を持って接しましょう。

「忙しい」「認知症でわからないだろう」などと乱暴に扱ったり声を荒らげることがないよう、自分自身の心身の余裕にも気を配ります。

認知症の方への対応は専門知識を研修で学び、困難行動があっても決して感情的に叱責しないようにします。

虐待防止研修の資料をお探しの方は、コチラの記事をご参照ください。

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身体拘束の原則禁止

転倒防止等の目的でも、身体拘束は法律と厚労省の指針で三原則(切迫性・非代替性・一時性を満たす場合のみ例外的に可)を満たさない限り禁止されています。

ベッドに縛る、車椅子に括り付けるといった行為は虐待に当たる可能性が高いため行ってはいけません。

やむを得ず拘束した場合も正当に手続き・記録・早期解除に努めます。

通報と報告の義務

万が一、職員が利用者さんへの虐待を「発見・知った」場合は速やかに市町村の窓口や地域包括支援センターへ通報する義務があります。

これは法律で定められた義務であり、通報しなかったり施設内で隠蔽することは許されません。

報告を受けた市町村は事実確認等の調査を行い、必要な保護措置を取ります。

まずは直属の上司や施設長に速やかに報告し、指示を仰ぎましょう。

調査への協力

虐待通報を受けた行政による調査に対し、虚偽の説明をしたり協力を拒否した場合は罰則(懲役刑や罰金)の対象となります。

隠し立てなく事実を伝え、改善に努める姿勢が求められます。

虐待を防ぐ職場作り

虐待は個人の資質だけでなく、人手不足や職員教育の不備、職場のストレス環境も原因になり得ます。

現場で「ちょっとした暴言」や「行き過ぎた対応」を見かけたら、お互いに声を掛け合い是正する風土を作りましょう。

定期的な虐待防止研修で知識をアップデートし、職員全員で虐待ゼロを目指すことが大切です。

高齢者虐待防止法に基づくコンプライアンスを守ることは、介護施設として果たすべき重要な社会的責任です。

利用者さんにとって安心・安全な生活の場を提供するため、全職員が「虐待しない・させない・許さない」意識を共有してください。

その他の重要な法律(労働法など)

介護施設職員に関係するその他の法律や規則も確認しておきましょう。

以下は特に現場に影響が大きいものです。

労働基準法

労働者の権利や労働条件の最低基準を定めた法律です。

介護業界では利用者対応のコンプライアンスに目が行きがちですが、職員の勤務環境についても適切に管理する必要があります。

具体的には、適正な労働時間とシフトを設定する、有給休暇や休日をきちんと取得させる、時間外労働には残業代を支払う等の遵守が求められます。

サービス残業(残業代未払い)や長時間労働の強要は違法であり、労働基準監督署による是正勧告や罰則の対象となります。

職員の疲労やストレスは介護ミスや事故にも直結するため、労働基準法を守ることは結果的に利用者さんの安全にもつながります。

労働安全衛生法

働く人の安全と健康を確保し、快適な職場環境づくりを目的とする法律です。

介護現場では腰痛防止のためのリフト使用や、感染症予防策の徹底、ヒヤリハット報告による事故防止策の共有などが該当します。

職場で定期的な安全衛生委員会を開き、リスクアセスメントを行うことも安全管理上重要です。

例えば、「体重の重い利用者さんを一人で移乗させない」「床の水漏れはすぐ拭く」「消毒や手洗いのルールを守る」など、日常の基本を徹底しましょう。

万一労災(業務中の怪我)が起きた場合の報告手順も確認しておいてください。

障害者総合支援法

正式には「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」といい、障がい者や障害児に必要な福祉サービス提供などを定めた法律です。

介護保険が原則65歳以上対象なのに対し、この法律は年齢に関わらず障がいのある方を支援します。

介護施設で要介護高齢者とともに障がいを持つ利用者さん(例:特定疾病で40代から介護サービス利用の方等)を受け入れる場合、障害者総合支援法に基づくサービスや地域支援との連携が求められることがあります。

職員は障がい者の自立と尊厳を保障するという基本理念を理解し、年齢や障害の別なく公平で適切なケアを提供することが大切です。

刑法等の法令

職員による重大な不正や犯罪行為は、上記の特別法だけでなく刑法によっても処罰されます。

例えば、利用者さんに暴行・傷害を負わせれば刑法の傷害罪となり得ますし、金品を盗めば窃盗罪、詐取すれば詐欺罪に該当します。

実際に虐待が悪質であれば逮捕・起訴されるケースもあります。

また、高齢者虐待防止法自体にも罰則規定があり、行政の調査拒否や虚偽報告には懲役刑・罰金刑が科される可能性があります。

法に反する行為は「犯罪」であるという認識を持ち、絶対に行わないことが鉄則です。

その他遵守すべき規則

上記以外にも、介護食品の衛生管理に関わる「食品衛生法」、感染症発生時の対応を定める「感染症法」、さらには施設ごとに定められた運営基準(介護保険法施行規則等)など、現場で守るべきルールは多岐にわたります。

事業所ごとのマニュアルや就業規則も広い意味での「コンプライアンス規範」です。

新人研修や定期研修で配布されるルール集をよく読み、疑問があれば管理者に確認する習慣をつけましょう。

よくある違反例と対策

介護現場ではどのような法令違反が起こり得るか、いくつか代表的な例とその対策を確認します。

違反を「しない・させない」ために、日頃から注意すべき点を再確認しましょう。

介護報酬の不正請求

実際には提供していないサービスを請求する、水増し請求をする、といった不正請求行為です。

例えば、訪問介護の提供回数を実際より多く記録したり、架空の利用者さんをでっち上げて介護報酬を受け取るケースが報告されています。

これは明確な介護保険法違反であり、発覚すれば返還命令や事業停止、指定取消しなど厳しい処分が下ります。

【対策】

請求業務は複数人でチェックし、記録と実績の突合を定期的に行います。

経営陣主導で起こるケースが多いため、内部監査制度の導入や外部監査の活用も有効です。

現場職員も、自分が提供していないサービス記録に署名させられそうになった場合は毅然と拒否し、上司や第三者機関に相談してください。

利用者への虐待

前述のような身体的・心理的虐待やネグレクト(放置)、経済的搾取など、職員が利用者さんに対して権利侵害となる行為を行うケースです。

例えば、ある施設では複数の介護職員が利用者さんをシーツや車椅子で拘束し続けたり、利用者さんの失態を無断で撮影して共有するといった虐待行為が発覚し、行政処分を受けています。

虐待は利用者さんの尊厳を踏みにじる重大な違反であり、介護保険法の人格尊重義務違反として行政処分の対象となるだけでなく、刑事事件に発展する場合もあります。

【対策】

虐待防止の徹底はもちろん、兆候の早期発見と風通しの良い職場づくりが肝心です。

利用者さんの身体に不自然な傷が増えていないか、態度が萎縮していないか等、日々のケアの中で観察し記録します。

気になることがあれば一人で抱え込まず同僚や上司に相談しましょう。

施設全体で虐待防止マニュアルを整備し、定期研修でケーススタディを学ぶことも有効です。

個人情報の漏洩・紛失

利用者さんの個人情報が漏れたり無断で第三者に渡ってしまうケースです。

例えば、職員が利用者さんのデータを保存したUSBメモリを紛失して情報が流出する、施設内で聞き知った利用者のプライベートな話を外部に漏らしてしまう、SNS上に利用者さんが写った写真を許可なく掲載してしまう等が挙げられます。

情報漏洩は利用者の信頼を損ねる重大な事故であり、個人情報保護法違反にも該当します。

【対策】

物理的管理として書類やデータを持ち出す際は許可制にし、紛失時の連絡フローも決めます。

技術的対策としてPCやスマホには必ずロックをかけ、業務システムのID・パスワードを他人と共有しないよう徹底します。

メール誤送信防止のために宛先確認を徹底する、機微な情報は暗号化して送るなどの工夫も必要です。

万一漏洩が発生した場合は速やかに上司に報告し、被害拡大防止に努めます。

日頃から「これは外部に出ても問題ない情報か?」と意識し、安易に個人情報を扱わない心構えが重要です。

労働法規違反

職員の働かせ方に関する違反も介護業界で起こりがちな問題です。

典型的なのはサービス残業(時間外労働手当の未払い)や過重労働です。

人手不足などを理由に人員配置基準を下回る状態で業務を回し、結果として一人の職員に過大な負担がかかっている場合も労働基準法違反の可能性があります。

これらは職員の健康を害するだけでなく、疲弊した状態での介護は事故のリスクを高め、利用者にも悪影響を及ぼします。

【対策】

管理者は適切な人員配置と勤務シフトの管理を行い、36協定で定められた範囲を超える残業をさせないようにします。

タイムカードや勤務表を職員と共有し、勤務時間を透明化しましょう。

職員側も自分の労働時間を自己管理し、サービス残業の強要などがあれば記録をとって相談することが大事です。

職員のメンタルヘルスケアにも配慮し、必要に応じ産業医や外部相談窓口を活用して、安心して働ける環境作りを進めます。

それにより結果的に利用者へのサービス品質も維持できます。

職員としての心得・現場で守るべき基本

最後に、介護施設で働く職員一人ひとりが日々心がけるべき基本姿勢をまとめます。

法令遵守は難しいことではなく、日常業務の中の「当たり前のこと」を積み重ねることです。

利用者本位の姿勢

いつでも利用者さんの尊厳と安全を最優先に考えましょう。

迷ったときは「自分の家族が利用者だったら」と置き換えてみると判断しやすくなります。

利用者のプライバシーにも十分配慮し、他の利用者さんや職員の前で個人的な話題を持ち出さないなど、思いやりのある言動を心掛けてください。

ルール・マニュアルの熟知

自分の施設の運営方針やマニュアル、関係法令について基礎知識を身につけておきます。

新人の方は特に、配属後早めに先輩から現場ルールの説明を受け、分からないことはそのままにせず質問しましょう。

定期的にマニュアルを読み返し、法改正や施設ルールの変更点があれば必ず確認します。

知識があいまいなままだと、悪気なくルール違反をしてしまう恐れがあります。

報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の徹底

利用者さんの些細な変化やミス・トラブルが起きたとき、一人で抱え込まず必ずチーム内で共有しましょう。

早めに相談すれば大事に至る前に対応できますし、結果として問題の拡大防止や隠蔽防止にもつながります。

特に法令に関わる重大な問題(虐待や不正の疑いなど)は直ちに上司に報告し、指示を仰ぐ習慣を徹底してください。

逆に、同僚から相談を受けたときは真摯に耳を傾けましょう。

相談しやすい職場作りも管理職だけでなく職員全員の心掛けで実現します。

記録と手続きの正確さ

ケアの実施記録や事故報告書、申し送りノートなど、業務上の記録は法令遵守の根拠になる重要資料です。

面倒がらずタイムリーに正確に記入しましょう。

記録の改ざんや隠蔽は厳禁です。

利用者さんや家族への説明・同意が必要な手続き(契約、身体拘束同意、サービス担当者会議の説明等)も、省略せず丁寧に実施します。

書類へのサインをもらう際は内容を理解いただけるよう説明し、不明点はその場で解消するよう努めてください。

継続的な学習と振り返り

法律や制度、介護技術は常に変化しています。

定期的な研修や勉強会に参加し、新しい知識をアップデートしましょう。

研修直後は理解していても、時間が経つと忘れてしまうものです。

習ったことは現場で実践し、定期的に自己チェックや周囲からの評価を受けて振り返ることで知識の定着を図ります。

新人だけでなくベテランも「一生勉強」の姿勢で研鑽を重ねることが、結果的に法令違反の抑止につながります。

心身の健康管理

介護は心と体の余裕があってこそ質を維持できる仕事です。

自分自身の体調管理も職務のうちと考え、無理な残業や連勤で疲労を溜めないようにしましょう。体調が悪いと感じたら早めに申し出て休む勇気も必要です。

疲労やストレスが溜まると、うっかりミスや感情的な対応で利用者に迷惑をかけてしまうリスクが高まります。

心に余裕を持って利用者に接するためにも、職員各自が健康管理と休養を心掛けてください。

管理者も職員の様子に気を配り、フォローする体制を整えることが望まれます。

おわりに

いかがだったでしょうか。

介護施設・事業所において法令遵守は、利用者に安心安全なサービスを提供し、事業を継続するための土台です。

介護保険法、個人情報保護法、高齢者虐待防止法といった基本となる法律から、労働法規やその他関連規則まで、現場職員も経営者もその内容を正しく理解し意識を高めることが重要です。

法令に違反する行為が発覚すれば、事業停止や指定取消しといった厳しい処分は免れませんし、施設の信用も一瞬で失墜します。

反対に、日々小さなことからコンプライアンスを積み重ねていけば、利用者・入居者やそのご家族、地域社会から信頼される施設を築くことができます。

介護施設の職員として、「利用者の安心と施設の信頼を守るために法令遵守を徹底する」という強い責任感と誇りを持ち、チーム一丸となって取り組んでいきましょう。

施設全体でコンプライアンスを遵守することが、結果的に質の高い介護サービス提供につながり、ひいては介護業界全体の健全な発展にも寄与します。

皆さんの専門性と良識ある行動で、安心・安全で信頼される介護現場を実現していきましょう。

記事提案した内容一般ガイドラインです。

施設規模種別、法人方針によってカスタマイズ必要場合あります。

最新法令情報確認ながら、施設最適法令遵守マニュアル作成ください。

それではこれで終わります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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