デイサービスへの転職を考えている人。
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。デイサービスが日本からなくなることはないと思います。でも今後、「転職したらすぐに倒産してしまった」なんてことは大いにありえます。
転職先はそのデイサービスで大丈夫??【今後、生き残れるデイサービスについて解説します】
筆者
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
デイサービスに関しては日々情報を集めているので、転職にも役立つ情報を執筆していきます。
読者さんへの前おきメッセージ
デイサービスは新型コロナウイルスや物価高騰の影響を強く受けて、サービスの質の悪い事業所は経営が苦しくなり、どんどん倒産しています。
また介護保険は3年に1度改正があり、毎年その改正に柔軟に対応していく必要がありますが、対応しきれないデイサービスは衰弱していきます。
あなたが転職先に選ぼうとしているデイサービスはいかがでしょうか。今回は、あなたが今後生き残っていけるデイサービスを転職先として選べるための情報をお伝えしていきたいと思います。
この記事を読む価値
- どのようなデイサービスを転職先に選ぶべきかがわかります。
- 国の動向がわかります。
- 転職先を探すときに、あなたがすべき行動がわかります。
早速、見ていきましょう。
今後、生き残れるデイサービスとは
具体的に解説していきます。
ある程度大きい規模の事業所や法人に転職した方が良い


なぜなら高齢者に比べ介護職の成り手が少ないからです。
少ない人数で現場をまわすには効率化を進めるしかありません。
こちらの図をご覧下さい。


圧倒的に介護職が足りていないのがわかりますよね。
国も頑張って賃金を上げたり、ICT化を勧めたりと努力していますが、まだまだ足りていません。
また"業務の効率化"はもう一つあり、介護報酬の引き下げの狙いもあります。
こんな記事がありました。
サービス切り下げを正面から説明すべきでは?
介護保険が始まった2000年度、介護保険の総費用(介護給付費+利用者負担額)は3.6兆円だった。それが2018年度には10兆円を超え、2021年度には12.8兆円と過去最高を更新した。
65歳以上が支払う介護保険料も、第1期(2000-2012年)には全国平均で2911円だったが、第7期(2018-2020年度)には5869円、第8期(2021-2023年度)には6014円と倍増している。
総費用が約4倍に増大しているのに制度はそのまま、というのはやはり無理がある。
2022年度の国家予算では、社会保障費は約36兆円で一般歳出の約54%を占める。増え続ける総費用をそのままに、ない袖を振り続けることはできない。
もちろん、このサービス切り下げに反対する介護事業者は多い。
しかし一方で、「目の前の利用者のことを思えば、反対したい気持ちはある。しかし、これからも介護保険制度を維持し、長く高齢者を支えていくためにはやむを得ない改革だ」と語る事業者もいる。
財務省はいつまで、「地域の実情に合わせたサービス提供のために」軽度者のサービスを自治体に移行するという中途半端な説明を続けるのだろうか。
介護保険制度をこれからも維持していくために重度者を支える制度に変更し、軽度者へのサービスを切り下げる――それが本当に必要なら、国民に正面から説明し、理解を求めていくべきではないか
ソース記事:Yahoo!ニュース
介護業界では「人手が足りない」+「お金もない」という状況なわけで、この"業務の効率化"が推し進められているわけです。
そして"業務の効率化"を進めるにあたり"デイサービスの大規模化"を実行しようとしています。
大規模な法人・事業所ほど、以下のような業務の効率化が図れます。
- 備品の一括媾入による経費削減
- 請求業務や労務管理など管理部門の共通化
- 効率的な人員配置による人件費の削減
デイサービスは、小規模(地域密着型)・通常規模・大規模と3つの形があります。
小規模(地域密着型)は1日の定員が18人以下、通常規模は1日の定員が19人以上で利用者が月平均で750人以下、1日の定員が19人以上で利用者が月平均人数750名以上です。
そして現在は小規模(地域密着型)が多く、業務の効率化において不十分な点があることや、規模別の収支状況では、利用者数が多い事業所ほど収入が高いという結果が出ています。
以上のご説明から、もし今後デイサービスへの転職を考えているなら大規模な法人や事業所への転職がおすすめです。
「入社して1年目に倒産」なんてことがないため、慎重に転職先は選びましょう。
未来に備えている法人に転職しよう


2022年4月13日の財務省財政制度等審議会財政制度分科会では以下のような介護保険制度改革案が示されました。
- 介護保険サービスの利用者負担を見直し、原則2割にする。
- 現在、利用者負担なしのケアマネジメント(ケアプラン作成)を有料化する。
- 軽度者(要介護1,2)の訪問介護(ホームヘルプ)と通所介護(デイサービス)を介護保険から外して自治体サービス(地域支援事業)に移行する。
介護保険サービスの利用者負担を原則2割とすることや、現役世代並み所得の利用者負担は3割とするなどが検討されています。
現在は約9割の利用者が1割以下の負担で利用しており、2割負担となれば単純に負担額が倍になるのでデイサービスの利用者数の減少は避けられません。
そして要介護1、2 の人は、デイサービス・訪問介護についても地域支援事業への移行を検討すべきとされています。
これについては2024年改定時にスタートすることはないと思わいますが、市町村および事業者に地域支援事業に移行するメッセージが出され、2027年の改正もしくは2030年の改正の際に移行していく可能性が高いです。
そうなるとどうなるのかというと、利用料金の在り方が変わってきます。
地域支援事業の対象者は「ひと月、南海利用しても〇〇円」と決まっています。いわゆる「まるめ」というものです。
その為、一般的なデイサービスでは「要支援1の利用者は週1回の利用まで、要支援2の利用者は週2回まで」と回数制限を決めている事業所がほとんどです。
その点、要介護の介護保険対象者は「1回の利用で〇〇円」となっています。
でも要介護1、2 人が地域支援事業に移行することで「ひと月〇〇円」と「まるめ」となるため、利用回数に制限を付けざるを得なくなります。
そうなると単純に利用者者数が減少してしまうわけです。
もしこのような指針が本当に実現してしまうと、今よりも利用者数は大幅に減少します。
それでも運営ができるデイサービスが生き残っていけるわけです。
生き残っていくためにどうすれば良いか。
デイサービスは今後、以下のような対策が必要になります。
- 制度が求めるサービス内容の実施
- 少ない人件費でやっていけるような業務の効率化
- 利用者ニーズへの対応力アップ
- LIFE※を用いたアウトカ厶などの効果を見える化・説明できる仕組み作り
※LIFE:LIFEとは"科学的介護情報システム"のことで、介護事業所が厚労省に提出するアウトカムシステムの事です。全国から介護データを集めて、ケアサービスに根拠を持たせる狙いがあります。
参考:厚労省HP
制度が求める運営をすることで国からの介護保険収入を極力受け取れるようにし、人員基準ギリギリでも運営できるシステムを作り、利用者ニーズも対応でき、LIFEを使って効果が見えるかされている事業所が生き残っていけます。
転職先に選ぶデイサービスは、このようなことを実施していたり、取り組んでいる事業所を選ぶ必要があります。
では応募先を探すとき、制度が求めている運営をしているデイサービスかを見極める方法は簡単です。
加算というのは、有資格者の配置、専門的なサービスの提供、基準に定められる人員よりも多くの職員を配置していること、緊急時の体制構築、中重度者の受入れなど、それぞれの加算に定められる算定要件を満たすことで、基本報酬にプラスして算定できる介護報酬のことです。
デイサービスには、科学的介護推進体制加算、個別機能訓練加算、運動器機能向上加算、ADL維持等加算などの多くの加算があります。
加算について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。Rehab cloud
算定している加算は上位加算なのか、しっかり収入が出るように多くの加算を算定しているのか、事業所の特色に合った加算を算定しているのか、こんな目線で調べてみると良いかもしれません。
おわりに


いかがだったでしょうか。
ここまで読んでいただいた読者さんなら思ったはずです。
「とはいっても働いてみないとわからないのでは?」と。
確かにそうなんですが、ある程度情報を集めることはできます。
それには転職エージェントを使うのがおすすめです。
僕も転職するときに使わせてもらったのですが、業界の事をよく知っておられますし、実際に足を運んで調べてもくれます。
また求人数も多く、良い事業を所を見つける手助けになるはずです。
もしよろしければこちらの記事もお読みください。
【介護職・医療職の転職者必見】転職で失敗しない為には転職サイト・エージェントを使うべき理由
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【介護事業所の必須研修資料一覧(2025年度版)】
お知らせ①介護サービスごとにわかりやすく、情報公表調査で確認される研修と、義務づけられた研修を分けて記載しています。
また、それに応じた研修資料もあげています。研修資料を探している方は、ぜひ参考にしてください。

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