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デイサービスの入浴研修【入浴時のヒートショック予防について】

トモ
トモ
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。この記事は入浴時のヒートショックについて、介護施設の従業者へ向けてお伝えします。

本日のテーマ

デイサービスの入浴研修【入浴時のヒートショック予防について】

筆者

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

デイサービスを利用される高齢者は、ヒートショックのリスクが非常に高い方ばかりです。

そしてその上、もしデイサービスで利用者さんがヒートショックを起こすと「対策はどうなっているのか!?」と追及され、責任問題まで発展します。

しっかりとした対策が必要で、「我々は日々、このような対策を講じています」といった説明ができるかどうかが重要です。

研修動画

本ブログ記事と同じ内容の動画です。

研修等で役立ててください。

デイサービスの入浴介助研修 ヒートショックについて

この記事を読む価値

  • ヒートショックになりやすい方の特徴がわかります。
  • ヒートショックの予防策が完璧になります。
  • その他、デイサービスが啓発すべき血圧についての重要事項をお伝えします。

 

早速、見ていきましょう。

入浴介助はヒートショックを意識しておく

寒暖差で入浴の時にヒートショックを起こしているおじいさん

まずは、ヒートショックとは何か?をみていきます。

ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧や脈拍が大きく変動することで、めまいや失神のほか、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などの疾患を引き起こす場合があります。

ヒートショックが起きやすいのは冬場(12月から2月にかけて)で、また入浴時に起きやすくなります。

浴室と脱衣所にかなりの温度変化がある場合や、いきなり熱い湯船に入ったりすることで、ヒートショックは起こりやすくなります。

デイサービスの入浴介助は、「できる限り温度差を感じさせない配慮」が重要となります。

ヒートショックのリスクが高い人の特徴

デイサービスを利用される方はほぼ全員、ヒートショックのリスクがありますが、その中でも次のような人は、特に注意が必要です。

  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 脳出血
  • 脳梗塞などの病歴がある
  • 不整脈
  • 高血圧
  • 糖尿病などの持病がある

そして、デイサービスで入浴をされない方でも、次のような習慣があるような方には、注意を促していきましょう。

【注意が必要な人の特徴】

  • 浴室・脱衣所・トイレに暖房設備がなく、冬場は寒い
  • 浴室がタイル張りで窓があり、冬場は寒い
  • 居間と浴室、トイレが離れている
  • 飲酒の直後に入浴する
  • 食事の直後に入浴する
  • 薬を飲んだ直後に入浴する
  • 一番風呂が好き
  • 深夜に入浴する
  • 熱い湯(42℃以上)に、首まで長くつかる

入浴時のヒートショックを予防するポイント

では、入浴時のヒートショックを予防するポイントをお伝えしていきます。

このまま印刷して脱衣所に貼り付けることもできます。

入浴時のヒートショックを予防するポイント

注意!

【入浴前】

今日の体調と、バイタルを確認する

  • 体調が優れないときは入浴を控える
  • 食事・服薬直後の入浴は避ける
  • バイタルが正常から逸脱している場合は、入浴を控える

水分補給をする(コップ1杯程度の水分)

脱衣所と浴室を温める

  • 脱衣所の暖房を入れておく
  • 浴槽のお湯を張り、浴室の温度を上げておく
  • 浴室の壁に温かいシャワーをかける
  • お湯の温度は41℃以下にする

 

【入浴中】

身体を少しずつ温める

  • 手足など体の末端部分からシャワーをかける
  • 湯につかる場台は足先からゆっくり入る(一気につからない)

ゆっくり浴槽から出る

  • 長湯をしない(38〜40°Cのお湯に5分程度を目安)
  • 浴槽から出るときはゆっくりと

 

【入浴後】

水分補給をする(コップ1杯程度の水分)

利用者さんに啓発すべきこと

ポイント、電球が光っている

デイサービスで血圧等について啓発すべき点を、以下にまとめました。

利用者さん全員に、お伝えしていくことをお勧めします。

冬の朝は『血圧の上昇』に注意

血圧は夜になるにつれて下降し、睡眠中にさらに低くなり、起床とともに上昇します。

健康な人でも朝起きて活動を始めると血圧が上がります。

そして、高齢者や血糖値・コレステロール値が高い人、アルコールを多飲する人は急激に血圧が高くなっている可能性があります(モーニングサージ)。

冬の朝は早朝の血圧上昇によって、脳卒中や心筋梗塞などを起こす可能性が高まります。

高血圧の人だけでなく、普段の血圧が正常な人にも起こる可能性があるため、注意が必要です。

血圧を測る習慣をつけよう

高齢者は自分の血圧の傾向を知るために、自宅で血圧を測る習慣をつけるよう促しましょう。

適切な血圧測定のタイミングは毎日の「朝・晩の2回」です。

具体的には、起床後1時間以内に、排尿を済ませてから1~2分間の安静後に測定します

朝食を摂ったり、内服をしたりする前に測定することが大事です。

食事や内服は血圧変動の原因となります。

晩の血圧測定は就寝前に行います

晩の測定時も1~2分間の安静後に測定すると、より正確な測定値が得られます。

高血圧の基準
  1. 診察室血圧値で140/90mmHg以上
  2. 家庭血圧値で135/85mmHg以上

冬の朝に気を付けること

冬の朝は、温かい場所から急に寒い場所に移動すると血圧が上昇します。

寒暖差に注意し、身体を冷やさないようにすることが重要です。

冬の朝に心がけておくべきことは以下の3つです。

  • 布団の中で手足を動かして(身体を温めて)から起き上がる
  • 起床後は上着などを羽織る(寒暖差に注意)
  • 急いで行動すると血圧が上がることがあるため、朝はなるべくゆっくり過ごす

おわりに

ありがとうと書かれたプレート

いかがだったでしょうか。

利用者さんは血圧が不安定の方がほとんどです。

そして、そのような方の冬の入浴介助は極めて危険です。

何かが起こってからでは遅いです。その方の命にかかわってきます。

しっかりとリスク管理をしてから業務に励みましょう。

それではこれで終わります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

「他にも入浴介助研修の資料となるブログを見たい」という方は、コチラを参考にしてください。

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介護士の資格取得/スキルUP/転職について記事を書きています。 作業療法士/介護福祉士/ケアマネージャー資格等の保有