こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
先日、下記のようなツイートをしました。
一家を養うには介護士でも年収450万円以上をいただきたいところ。キャリアアップを視野に入れ、年収を上げていきたいなら「介護職員特定処遇改善加算」を算定している施設でないと、それは不可能です。
自分の働いている会社、もしくは働こうとしている会社が加算を申請しているか確認すべきです。— とも@介護士ブログを運営 (@tomoaki_0324) November 20, 2022
一家を養うには介護士でも年収450万円以上をいただきたいところ。
キャリアアップを視野に入れ、年収を上げていきたいなら「介護職員特定処遇改善加算」を算定している施設でないと、それは不可能です。
自分の働いている会社、もしくは働こうとしている会社が加算を申請しているか確認すべきです。
今回はここを深掘りしていきます。
高収入を得るには"介護職員特定処遇改善加算"を算定している会社で働くべき理由【算定要件・分配率等を徹底解説】
筆者
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職にとって必要な情報をシェアしていきたいと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
高収入を得るには"介護職員特定処遇改善加算"を算定している会社で働くべき
求人情報を見た時に、「月収〇〇万円!」と一見良い条件に見えたとしても、「実は年収で計算したらそれほど良い額ではなかった」、「年間の休み日数が他の会社よりも少ない」ということは多々あります。
よって毎年全職員を対象に給与アップすると、いつか利益がなくなってしまうわけです。
どれだけあなたが優秀でも、会社が何も申請せずでは年収をドンっとあげることができません。
そこで登場したのがこの介護職員特定処遇改善加算"(以下、特定処遇改善加算と省略)。
まずは、特定処遇改善加算についてわかりやすくお伝えしたいと思います。
特定処遇改善加算とは
特定処遇改善加算とは、『経験・技能のある介護職員』に重点化して、これまでの介護職員処遇改善加算に加え、更なる処遇改善を行うための加算として、令和元年10月の介護報酬改定により創設されました。
介護職員の賃金が全産業の平均と比較して『低い』という調査結果から、介護現場で経験・技能のある職員(リーダーとしての役割を担う介護職)の賃金を全産業の平均年収440万円へ引き上げ、介護職員の確保・職場定着に繋げるために実施されています。
そして、令和3年度の介護報酬改定では、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準の実現を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を行うという趣旨は維持した上で、事業者がより活用しやすい仕組みにする観点から、配分ルールの見直しが行われました。
算定要件・加算算定率・分配方法を順に記載します。
算定要件
算定要件は以下の3つです。
- 現行の介護職員処遇改善加算I~Ⅲのいずれかを算定していること
- 介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取り組みを行っていること
- ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っていること
職場環境等要件とは 、「介護職員の賃金以外に職場環境などを改善する取り組みを整備していること」が要件になります。
例えば 、業務の効率化のために「計画書管理ソフト」や、介護スタッフの身体的な負担軽減のために「介助用ロボット導入」など、介護スタッフのための設備投資を行うことなどです。
多くの事業所は「計画書管理ソフト」などを導入しているため、要件に当てはまるかと思います。
次に見える化する内容は、以下の2つです。
これもそれほど難しいことではありません。
加算算定率
特定処遇改善加算には加算Iと加算Ⅱの2種類あります。
そして算定しているサービス提供体制加算の種類によって変わります。
また行っているサービスによって算定率が違います。
例えば通所介護の場合、1人の利用者さんの1日の総単位が800だとします。
事業所が特定処遇改善加算Ⅰを算定している場合、800×1.2%=9.6単位
1日に9.6単位が事業所に入ってきます。
1単位が約10円で考えると、96円が事業所に入ってくるわけです。
事業所の状況が、1日に25人定員で26日/月営業の場合〈96×25×26=62400円〉になります。ひと月に62400円事業所に入ってきて、それを分配します。
分配方法
まずは「経験・技能のある職員」を定義した上で、すべての介護職員をA(経験・技能のある職員)B(その他の介護職員)C(介護職員以外の職員)の3つの区分に分けます。
「経験・技能のある職」はリーダーもしくは勤続10年以上の介護福祉士を基本としていますが、法人内で設定が可能です。
そして平均賃上げ額のルールは、以下のようになります。
- B(その他の介護職員)はA(経験・技能のある介護職員)より小さくなければいけない
- 「A(経験・技能のある介護職員)」のうち1人以上は、月額8万円の賃上げ、または年収440万円までの賃金増が必要
- 「B(その他の介護職員):C(その他の職員)」に比率は「1:0.5以下」
小規模の介護福祉事業所で加算額が少額である場合、直ちに一人の賃金を引き上げることが困難な場合など、8万円以上等の賃金改善を行うにあたり、事情がある場合は、月額8万円以上の賃上げまたは年収440万円までの賃金増の条件を満たさなくても加算の申請が認められる場合があります。
もっと具体的に確認したい方はこちらのサイトをご覧ください。
参考資料:厚生労働省HP
おわりに
いかがだったでしょうか。
内容を見ると、特定処遇改善加算の申請はそこまで大変ではありません。
経営者が「職員の給料をあげてあげたい」と本当に真剣に考えているなら、キャリアアップの体制を整え健全に特定処遇改善加算を申請するはずです。
そしてこの加算はある程度会社に配分が委ねられているため、「ちゃんと働いている職員は給料をUPする」ということができます。
ただ「面倒だ」、「手間だ」、「賃上げのリスクが…」とかの理由で申請していないのであれば、転職など先のことを考えた方が良いかもしれませんね。
実は、介護職員の賃金アップはこの加算だけではありません。
介護職員の処遇アップは3つの加算でできています。
- 処遇改善加算(Ⅰ~Ⅲ)
- 特定処遇改善加算
- ベースアップ等支援加算
特定処遇改善加算よりも簡単に申請できるのが、ベースアップ等支援加算です。
ベースアップ等支援加算については別の記事にしています。いくらもらえる?介護職員等ベースアップ等支援加算とは【知らないと損をしている可能性も!】
もしあなたの働く会社がこれらの加算を1つでも申請していなら、他の介護職よりも損をしています。
多くて年収50万円~60万円程度、差がついている可能性もあります。
あなたの年収は他の介護職と比べてどうなのか。これも別の記事で紹介しているので、ぜひ読んでみてください。【介護士の給与事情を徹底解明】自分の年収は平均より低いのか?!今後はあがっていく可能性はある?!
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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