こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。「運営方針」といっても漠然としています。
退職していく人たちがどんな状況で「運営方針が合わない」と感じているか、深堀して解説します。
介護職が退職を決める:運営方針の不一致とは何か?
筆者
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
介護職の退職理由ランキングでは、いつも以下の5つがエントリーします。
- 人間関係が悪い、合わない。
- 体力的が持たなくなった。
- 給料が低い
- 人手不足でとにかく、忙しい。
- 勤め先の運営方針が合わない
毎年、ランキングの順番は変わりますが、いつも「運営方針の不一致」はランクインしています。それだけ運営方針に疑問を持つ職員が大勢います。
運営方針に疑問を持つ理由はさまざまです。「私が働く施設はどうだろう?」という視点で読み進めてみてください。
この記事を読む価値
- 「運営方針が合わない」と感じてしまう理由がわかります。
- 良くない介護施設の実態がわかります。
- 「運営方針が合わない」と感じた場合にとるべき行動がわかります。
早速、見ていきましょう。
勤め先の運営方針が合わない
例えば、以下のような理由があげられます。
- 施設の運営が効率や利益重視になり、利用者さんや職員の人間性や尊厳を尊重しない
- 介護倫理に反する行為や不正な運営が行われている
- 利用者中心のケアの欠如
- 新人職員にたいする適切な教育や、スキルアップのための研修が受けらない
- 人件費をかつかつに抑えるため、常に人手不足で業務負荷が高くストレスが溜まる
- 給与が低く、労働条件も納得がいかない
- 職場内でのコミュニケーションが不十分で、意思疎通や情報共有が円滑に行われない
こういった理由から、運営方法に共感できない、と感じている職員は大勢います。
特に上位3つがよくある理由です。
以下に、これら3つを具体的にお伝えしていきます。
利用者さんや職員の人間性や尊厳を尊重しない
以下のような具体的なケースが考えられます。
利用者さんへの尊重不足:
- 利用者さんのプライバシーを侵害し、個人の尊厳や人権を無視する。
- 利用者さんの感情や意思に対して無理解な態度をとり、共感や対話を欠いた接し方をする。
- 利用者さんの自己決定を尊重せず、意思決定や選択の機会を奪う。
職員への尊重不足:
- 職員の声や意見を聞かず、コミュニケーションや協力を促進しない。
- 職員の個人的なニーズや負担を無視し、過度な業務負荷を課す。
- チームワークや協力の促進がなく、職員同士のコミュニケーションを妨げる。
- 職員の意見や提案を尊重せず、上からの指示だけを強調する。
利用者さんの中には認知症の方も大勢おられます。
認知症の方へのケアは、きちっとした教育がなければ雑になりがちです。
また職員に対しては、意見やアイデアを聞かずに決定を下したり、お金がかるような外部研修に行かせないなど、個々の成長やスキル向上の機会を提供しないことも尊重不足と言えます。
介護倫理に反する行為や不正な運営が行われている
以下のような具体的なケースが考えられます。
利用者さんの搾取や虐待:
- 利用者さんから不適切な金銭を要求し、経済的に搾取する。
- 利用者さんに対して暴力や身体的虐待を行う。
- 利用者さんのプライバシーや人権を侵害する行為を行う。
医薬品や資源の不正使用:
- 利用者さんの健康状態を考慮せず、適切でない医薬品の使用を強要する。
- 利用者さんのための資源や予算を不正に流用する。
詐欺や不正請求:
- 利用者さんや保険会社から不正な支払いや請求を行う。
- サービス提供の実績や内容を虚偽の情報で報告する。
個人情報の不適切な取り扱い:
- 利用者さんの個人情報を適切に保護せず、不正な利用や漏洩のリスクを引き起こす。
- 利用者さんのプライバシーを尊重せず、不適切な情報開示や共有を行う。
これらの例は、介護倫理に反する行為や不正な運営が行われている場合の具体的な事例です。
グループホームや特養などは利用者さんの生活の住まいで、利用者さんと職員以外の第3者はなかなか状況を把握できません。
よってこのような状況になっても、誰も気づかず放置されているような場合もあります。
もしあなたが、このような倫理的な問題に直面した場合、すぐに退職することをお勧めします。
不正はいつか暴かれます。
その時、もしあなたが職員として働いていた場合、あなたにも被害が及ぶ可能性があります。
すぐに退職し、もし可能なら国保連や自治体の相談窓口へ通報しましょう。
利用者中心のケアの欠如とは
以下のような具体的なケースが考えられます。
一律のルールや手続きの適用:
- 利用者さんの個別のニーズや要望を無視し、一律のプランやルールを適用する。
- 利用者さんの状況や能力に合わないケアやサービスを提供する。
- 利用者さんの個別の意見や選択に対して柔軟性がなく、固定的なアプローチをとる。
例えば、利用者さんが特定の食材や調理方法に好みを持っている場合でも、一律のメニューや調理方法が提供されるというようなケースや、入浴の順番でも「今はいらなければ今日はムリですよ」などルールをゴリ押ししてくるようなケースが考えられます。
個別のニーズの無視:
- 利用者さんの身体的・心理的な状態を詳細に評価せず、一般的なケアを適用する。
- 利用者さんの意思や選択を尊重せず、自己決定権を制限する。
例えば、利用者さんが外出や特定の活動に興味を持っている場合に、「職員の手間が増える」という理由だけで施設や事業所がそれを制限し、利用者さんの個別のニーズや好みを無視して制約を課すようなケースが考えられます。
情報共有やコミュニケーションの不足:
- 利用者さんの意見や要望を収集しようとしない。
- 利用者さんの家族や関係機関との情報共有が不十分であり、利用者中心のケアをしていない。
例えば、利用者さんの家族やケアチームとの連携が不十分であり、利用者さんの状況やニーズに関する重要な情報が共有されず、適切なケアの提供が妨げられるようなケースが考えられます。
このような考えでは、利用者満足度やケアの質が低下してしまいます。
利用者中心のケアでは、利用者さんのニーズや要望を詳細に評価し、それに基づいて柔軟なケアやアプローチを提供することが必要です。
利用者さんの自己決定権を尊重し、関係者との情報共有やコミュニケーションを通じてケアの連携と継続性を確保することも重要な要素です。
「運営方針が合わない」と感じた職員がとる行動
いかがだったでしょうか。
職場がこのような状態だと、職員は以下のような行動をとります。
転職活動:
普通の価値観を持っていれば、このような状況で働き続けることはできません。
このような施設では離職率も高く、頻繁に職員が入れ替わっています。
もしあなたがこのような状況下でストレスを感じているなら、別の施設や事業所を探し、自身の価値観や理念に合致する職場を見つけるために転職活動を行いましょう。
自立した介護:
我関せず!といった態度で、施設に依存せず、自分自身の思うようにケアを提供するような人もおられます。
他の職員の不適切ケアや上層部の不正などには関与せず、自分自身の理念でケアを提供するような人もおられます。
ただし、この様態で何年も働き続けるのは、なかなかつらいかもしれませんね。
介護業界以外の就業:
「こんな仕事はやってられない」と思い、介護職から完全に離れ、他の職種や業界に転身することもあります。
初めて働いた介護の会社がこのような会社では、絶望してしまいます。
こういったケースは、介護業界で働く僕としては、非常に残念です。
「運営方針が合わない」と感じたら、このような状況に長期間留まることなく、自身の幸福やケアの質を追求することをお勧めします。
介護職は利用者さんの命にかかわる仕事なので責任が大きく、それだけでもストレスはかかります。
やりがいを持ち、モチベーション高く働くには、自分自身が納得できる環境を見つけることが重要です。
良い会社の選び方
運営方針の良い会社は、いろいろなことが充実してます。
そして、職員を大事にしていて、生活全般において助けてくれます。
あなたもそんな会社で働きたいと思いませんか?
もし「今後のために、いろいろな情報を取り入れてみよう」と思われるなら、こちらの記事を読んでみてください。きっとお役立てできるはずです。
また、「そもそも介護業界の良い会社ってどんな会社なのかな」と良い会社の基準が知りたい方に向けては別の記事で紹介しています。
こちらの記事も参考にしてみてください。知っていると得する!介護職の給料が高水準な介護施設の特徴
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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