「知らなかった」では済まされない!あなたのキャリアを守るための介護現場NG行為リスト
- 「これって大丈夫?」と日々のケアに不安を感じている方
- 忙しい現場で、「つい…」の行動が気になっている方
- 虐待や違反の線引きをしっかり理解したい方
- 自分のキャリアや資格を守りながら働きたい方
- 新人指導や現場改善に役立つ知識を身につけたい方
なぜ「NG行動」を知ることが自分を守るのか?

「違反行為」と聞くと、何か特別な悪意を持った人がすることだと思いがちです。
しかし、介護現場における違反の多くは、「忙しさ」や「慣れ」、あるいは「安全のため」という善意から生まれています。
私自身も「安全のために」と思ってやったことが後から問題になるケースを何度も見てきました。
虐待の自覚がないケース:
本人は「指導」や「安全対策」だと思っていても、客観的には身体拘束や心理的虐待に該当することがあります。
社会的・法的責任:
違反が発覚すれば、施設の行政処分だけでなく、個人が法的責任を問われたり、資格を失ったりするリスクがあります。
信頼の崩壊:
一度の不適切な対応が、長年築き上げた利用者さんやご家族との信頼関係を瞬時に破壊します。
【絶対NG】身体拘束と「スピーチロック」の罠
最も注意が必要なのが、自由を奪う行為です。
私の働く施設でも、「転倒したら危ないから」と強い声かけになってしまう場面はゼロではありません。
「転倒したら危ないから」という理由は、実は拘束を正当化する理由にはなりません。
よくみられる身体拘束は「物理的な身体拘束」と「言葉の拘束」で、具体的には次のようなものがあります。
物理的な身体拘束
四点柵の設置: ベッドを柵で囲み、自力で降りられないようにする。
車椅子ベルト: 立ち上がりを防ぐためにベルトで固定する。
向精神薬の過剰投与: 落ち着かせるために、医師の指示を超えて薬で動けなくさせる。
言葉の拘束(スピーチロック)
意外と見落とされがちなのが、言葉による拘束です。
「ちょっと待ってて!」、「座ってて!」、「ダメですよ!」
こうした強い言葉で相手の動きを制止することも、行動の自由を奪う不適切な関わりとみなされます。
【緊急やむを得ない3原則】
切迫性、非代替性、一時性の3つすべてを満たし、かつ適切な手続き(記録や説明)を踏まない限り、いかなる拘束も認められません。
【法律NG】医療行為の限界ライン
介護職ができること・できないことの境界線は法律(医師法等)で決まっています。
勝手な判断による投薬:
「いつも飲んでいるから」「余っているから」と、指示にない薬を飲ませる。
摘便やインスリン注射の代行:
法律上、介護職が原則として行えない医療行為を「看護師が忙しそうだから」と代行する。
受診勧奨の放置:
明らかに容態が変化しているのに、自分の経験則で「大丈夫だろう」と様子見をし、医師や看護師への報告を怠る。
私の知り合いの施設でも、「看護師さんが忙しいから、代わりにやってしまった…」ということが問題になったケースがあります。
「少しくらいなら大丈夫」という判断が、大きなリスクにつながります。
【コンプラNG】プライバシー侵害とSNSの取り扱い
現代の介護現場で最もリスクが高いのが「情報の取り扱い」です。
SNSへの無断投稿:
利用者さんの顔写真はもちろん、個人が特定できるようなエピソード(「今日〇〇さんがこんな面白いこと言った」など)を私的なSNSにアップする。
守秘義務違反:
居酒屋や自宅で、利用者さんの個人名や詳細な状況を話してしまう。
プライバシーの欠如:
おむつ交換時にカーテンを閉め忘れる、ノックなしで部屋に入る、脱衣場での露出を配慮しない。
実際の現場では、悪気なく投稿してしまうケースもあり、あとから問題になることも少なくありません。
【接遇NG】不適切な距離感とマナー
プロとしての「境界線」を越える行為は、不適切なケアの入り口になります。
金銭・物品の授受:
「いつもありがとう」と渡されたお菓子や心付けを受け取ること。これは他のスタッフとの不公平を生み、トラブルの火種になります。
馴れ馴れしい言葉遣い(タメ口):
「親しみやすさ」と「馴れ馴れしさ」は別物です。友達言葉は、相手への敬意を失わせ、虐待への心理的ハードルを下げる危険があります。
私的な連絡先の交換:
利用者さんやご家族と個人的に繋がることは、依存関係や深刻なトラブルの原因となります。
私の働く施設でも、感謝の気持ちをいただく場面はありますが、ルールとしてお断りすることを徹底しています。
比較表:良かれと思った「善意」 vs 実際の「違反」
| 現場の状況 | ついやっちゃう行動(NG) | 本来あるべき対応(OK) |
| 立ち上がって危ない | 「座っててください!」と叱る | 立ち上がる理由(トイレ等)を確認し、環境を整える |
| 忙しくて薬を確認する暇がない | 「いつもの」と確認せず配薬 | どんなに忙しくても「3点確認」を仕組み化する |
| ご家族からお礼を渡された | 悪いからとコッソリ受け取る | 感謝を伝えつつ、施設ルールとして丁寧にお断りする |
| 可愛い姿を誰かに見せたい | 個人のSNSに投稿する | 施設の広報として、適切な許可と手続きを経て掲載する |
違反を防ぐためにリーダーができること
スタッフ一人の責任にするのではなく、現場全体の「空気」を変えることが重要です。
「おかしい」と言える空気作り:
新人がベテランの不適切な言動を指摘できる「心理的安全性」を確保しましょう。
ヒヤリハット報告の活用:
違反に至る手前の「グレーゾーン」を共有し、個人の注意ではなく「仕組み」で解決する姿勢を見せてください。
定期的な振り返り:
慣れが一番の敵です。「自分たちの当たり前は、世間の当たり前か?」を問い直す機会を作りましょう。
私自身も管理者として、「おかしい」と言える空気づくりを強く意識しています。
それだけで、現場の雰囲気は少しずつ変わってきました。
おわりに
いかがだったでしょうか。
「違反行為」を避けることは、単にルールを守ることではありません。
それは、利用者さんの人生を尊重し、同時にあなたという専門職の価値を守ることです。
厳しいルールに思えるかもしれませんが、一線を越えない潔さこそが、利用者さんやご家族からの深い信頼に繋がります。
まずは今日、自分や周りのスタッフが「ちょっと待ってて」という言葉を何回使っているか、意識してみることから始めてみませんか?
その気づきが、現場をより良くする大きな一歩になります。
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