こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。良くないことって最初は抵抗があっても次第に薄れていきます。最初が肝心です。
介護職に医療行為を押し付けてくるような会社は、すぐに退職すべき理由
筆者
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
医療行為を介護職がすることは違法です。でも意外と知らずにやっているところも多いのが現状です。
しっかり明記されているにもかかわらず、「これぐらいならよいだろう」、「だって看護師がいないからしょうがないよね」といった感覚が、次第にルーズになってきてしまいます。
一部の医療行為(医療行為的なものも含む)は介護職にも認められていますが、条件もあります。まずはそこから確認していきましょう。
この記事を読む価値
- やってよい医療行為とやってはいけない医療行為の違いが判ります。
- 医療行為を押し付けられた場合の対応方法がわかります。
- 強要されるような会社は転職すべき理由がわかります。
早速、見ていきましょう。
やってはいけない医療行為
医療行為とは、医療機関などで病気や怪我などの治療や診断、予防を行う行為のこと、医学的判断に基づいて行われる行為の総称です。
そして看護師は、診療の補助として一部の医療行為を実施することが認められています。
しかしこれは介護職がしてはいけないものです。
では以下に、介護施設でよくみられる医療行為をあげてみます。
- 摘便
- ストーマの肌に接着したパウチの取り換え
- 褥瘡の処置
- インスリン注射
- 血糖測定
- 点滴管理
これらの医療行為を介護職が無理強いされてやっている施設で働いていませんか?
それは違法行為になりますよ…。
介護職が行える、医療行為のようなもの
原則として医療行為ではないと考えられるものとして、厚生労働省は爪切り、口腔ケア、一部の褥瘡の処置などは介護職員でも認められることが示されました。
2004年7月「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知),厚生労働省)」
介護職が行える、医療行為のようなものを以下にあげていきます。
- 体温、血圧、酸素濃度の測定
- 自己導尿カテーテルの準備や体位の保持
- 点眼薬の点眼
- 耳掃除
- 爪切り
- 服薬介助
- 口腔ケア
- 市販のものによる浣腸
- 座薬の挿入
- ガーゼ交換
- 軽い傷ややけどなど専門的な判断や技術を必要としない処置
- 湿布を貼る
- ストーマ装具パウチ内の排泄物処理
「体温、血圧、酸素濃度の測定」は介護職でも適宜行って差し支えありません。
「体温、血圧、酸素濃度の測定」以外は以下のような「条件」を満たしておく必要があります。
- 利用者さんの様態が安定していること
- 医薬品の使用方法に専門的判断が必要ないこと
- 事前に本人または家族に伝えていること
- 医師・看護師の指導の上で使用していること
上記の項目の中で、注意が必要なものに関して解説していきます。
耳掃除は、耳垢栓塞の除去は行ってはいけません。
爪切りは、異常がない爪に対しては行うことが出来ます。巻き爪などがある場合は、医師や看護師への相談が必要です。
服薬介助は可能ですが、服薬管理は行えません。
服薬介助とは薬の服薬を手助けすることで、服薬管理とは、薬の指導・調整などを行う行為です。
口腔ケアは、歯周病などの異常がない場合は行えます。
浣腸に関しては、使用する浣腸に規定があるので注意が必要です。
ガーゼの交換や、軽微な傷の処置に関してですが、褥瘡部分の処置は禁止されています。
また、ストーマ装具の交換も合併症がなく安定している場合は可能となっております。
研修を受ければ行える医療行為は、以下の2つです。
「研修」とは、【喀痰吸引等研修】を指し、都道府県から「認定特定更衣業務従事者認定証」の交付を受けていて、
且つ、勤務する事業所が「登録特定行為事業者」の登録をしている必要があります。
医療行為をしてしまった場合
適切な処置を行わなかったとして、利用者さんやそのご家族から訴えられるなども考えられます。
「知らなかった」では済まされません。
もし行ってしまった場合、行った当人だけではなく、施設、介護業界全体の信用が落ちてしまいます。
しっかりと確認していくことが大切になります。
医療行為を押し付けられた場合
そんな場合はどうすればよいでしょうか。
以下、対応方法をあげていきます。
まずは調べる
「これって医療行為では?」と思ったならまずは調べましょう。
ネットで簡単に調べることができるし、介護の資格を取得するときに使った教科書にものっています。
また別の施設の看護師からアドバイスをもらうのもありです。
倫理的な判断
利用者さんが認知症の場合でも、自分が医療行為を行うことが適切でないと判断した場合、拒否することを検討しましょう。
ただし、その際には職場のルールや指示を出した上司の立場にも配慮しながら行動する必要があります。
職場内の報告
医療行為をするよう押し付けられた場合、施設長や人事部門に報告することが重要です。
これは違法行為または倫理的な問題を抱えているので、職場内の適切な組織による対応が必要になります。
支援を受ける
必要ならば、信頼できる同僚や家族、友人に状況を相談し、助言や支援を受けることも考慮できます。
医療行為を強要されるような会社は、すぐに退職すべき理由
介護職が医療行為を強要されるような会社は、その他の多くの面で、法的な問題に対してルーズになっている可能性があります。
介護保険施設はいろいろな法律を守ることによって運営される必要があります。
例えば以下のような法律があります。
1、労働基準法
就業規則・雇用契約書類・労働時間・労働安全衛生・賃金など
2,道路交通法
スピード違反・歩行者妨害・携帯電話・車両安全管理義務の放棄など
3,消防法
消防訓練の実施・防火管理者の設置・防火点検の実施など
4,高齢者虐待防止・権利擁護
不必要の身体拘束・暴力・暴言・金銭の着服、介護放棄、性的虐待など
5,その他
薬剤の取扱・提供する食事に関わる食品衛生、個人情報の保護など
医療行為を介護職に強要するような会社では、これらの法律もしっかりと守られていとは思えません。
また、倫理的な問題もはらんでいます。
医療行為は専門的な知識と技術を必要とするため、未訓練の者が行うことで健康被害やリスクが生じる可能性があります。
利用者さんの安全や健康を考慮しないような行動は、倫理的な問題が十分にあります。
医療行為の強要は、利用者さんだけではなく、従業員の安全や健康を軽視しています。
適切な訓練やサポートが提供されない状況では、従業員の健康が危険にさらされる可能性があります。
このような違法行為や倫理的な問題行動を続けていると、いつか世間に明るみになってしまいます。
そうなると、あなたの将来の職業キャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。
その結果、医療・介護分野での再就職が難しくなるかもしれません。
よって医療行為を強要する会社での状況では、自身の安全と倫理的な観点から考えて、退職を検討することは重要です。
ただし、退職する前に専門家や労働組合、人事部門などに相談しみることをおすすめします。
「やるべきことはやった、でも改善が得られなかった」となると、あなたの成長にもなるし転職先の採用担当者への印象も上がります。
もし転職を考えるなら参考になる記事を載せておきますので、こちらもご覧ください。【介護職・医療職の転職者必見】失敗しない為には転職サイト・エージェントをおすすめする理由
【介護職の転職】求人情報の探し方6選!【良い職場に勤めるには、情報収集と行動が大事です】
おわりに
いかがだったでしょうか。
第一に考えるべきなのは、あなたの安全です。
違法行為もしくは倫理的に問題のある行動をとって被害を受けるのはあなたです。
会社の上層部に相談しても改善が見られないなら、すぐにでも行動に移すべきだと思います。
介護業界は昔と比べてだいぶホワイトな企業が増えてきています。
あなたに合った会社はきっとあるはずです。
この記事が、より良いキャリアを気付く切っ掛けになればうれしいです。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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