筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
2024年9月11日に正式に発表された「パート合格制度」が、2026年1月に実施される第38回介護福祉士国家試験から導入されることになりました。
この新制度は、介護職を目指す人やすでに働いている人にどのような影響を与えるのでしょうか。
本記事では、パート合格制度の仕組みやその背景、メリット・課題について詳しく解説していきます。
パート合格制度とは?
パート合格制度は、介護福祉士国家試験の筆記試験を13科目から成る試験内容を3つの「パート」に分割し、それぞれのパートごとに合否を判定する制度です。
この制度の特徴は次の3つです。
① 3つのパートに分割
試験内容が「パートA」「パートB」「パートC」の3つに分類され、各パートに含まれる科目ごとに合否を判定します。詳細な科目の分け方は現在調整中ですが、パートごとに必要な試験範囲を明確化することで、受験者が重点的に学習できるよう工夫されています。
② 合格したパートは2年間有効
一度合格したパートについては、次回以降の試験で受験が免除されます。例えば、初回試験でパートAだけに合格した場合、翌年の試験ではパートBとパートCだけを受験すれば良い仕組みです。
③ 受験料は一律
3パートすべてを受験する場合でも、1つのパートのみを受験する場合でも、受験料は同額の13,180円に設定されています。
背景にある人材不足問題
パート合格制度が導入される背景には、深刻化する介護人材の不足があります。
厚生労働省の推計によれば、2040年度末までに新たに約69万人の介護人材が必要とされています。
しかし、現実はその数を満たすどころか、現状維持も厳しい状態です。
例えば、介護福祉士国家試験の受験者数を見てみると、2013年度には約15万人が受験していましたが、2023年度には約7万4,595人と半分以下にまで減少しています。
これだけ減ってしまうと、当然、資格を持つ人の数も増えません。
このままでは、現場の人手不足はますます深刻化するばかりです。
この人手不足に対応するため、政府は以下の2点を重視しています。
① 国内人材の確保
試験の難易度が高いと感じる人が一部だけでも挑戦できるようにすることで、資格取得を目指す人を増やす狙いがあります。特に、仕事や家庭と両立しながら勉強する人にとって、この制度は負担軽減となります。
② 外国人材の受け入れ強化
介護現場で働く外国人にとって、13科目すべてを一度に学ぶのは大きな負担です。パート合格制度により、外国人が日本語学習と資格試験の勉強を段階的に進められるようになります。
メリットと期待される効果
「パート合格制度」はなかなか便利な仕組みです。
この制度が導入されることで、どんな良いことがあるのか、3つにまとめてみました。
1. 勉強の負担が軽くなる
合格したパートはもう受け直さなくていいんです。その分、不合格だったところに集中して勉強できるから、時間や労力を効率的に使えます。特に、現場で働きながら資格を目指している人にはかなり助かる仕組みです。
2. 外国人受験者が増える
介護の仕事に興味を持っている外国人も多いけど、試験が日本語で行われるのがネックになっているのが現状です。一度に13科目全部をクリアするのはかなりハードルが高いですが、この制度なら、段階的に合格を積み重ねていけるから、外国人にとっても挑戦しやすくなるはずです。
3. 資格を取る人が増える
今まで「惜しいけど不合格」になっていた人たちも、この制度なら部分的にでも合格を積み上げていけます。一歩ずつ前に進める仕組みができることで、最終的に資格を手にする人が増えそうです。「ダメだったらまた全部やり直し」ってなると心が折れちゃう人も、この制度なら頑張れるかもしれません。
課題や懸念点
便利そうなパート合格制度ですが、実は「これ、大丈夫?」って声もいろいろ上がっています。
課題や懸念点を3つ紹介します。
1. 受験料が高いのではないか
パートに分けて受けられるのはいいけど、「1パートだけ受けるのに13,180円って高すぎる」という声もあります。全部受ける時と同じ金額だと、なんだか損した気分になりますよね。
2. 一発合格を狙う意欲が下がるかも
分割受験がOKになると、「とりあえず1パートずつでいいや~」という感じで、一気に全部クリアしようって意欲が下がってしまうかもしれません。「一発合格を目指すガッツが薄れると、試験全体の意義とかレベルの維持にも影響が出るんじゃないか」と心配されています。
3. 外国人ばっかり頼るのはどうなのか
この制度、特に外国人受験者には大きなメリットがあります。でも、「外国人に頼るばっかりで、国内人材の待遇とか働きやすさが置き去りにされるんじゃないか?」という意見もあります。「一時的な対策に見えるだけで、介護業界全体の問題が根本から解決するわけじゃない」という指摘もあります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
パート合格制度は、2026年1月の試験から正式に運用が始まります。
パート合格制度は、資格試験の新しい形として注目されています。
この制度を活用して、資格取得を目指す人が増えることは介護業界にとって大きなプラスです。
介護福祉士を目指す皆さん、ぜひこの制度を活用して、自分のペースで資格取得を目指してください!
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