介護の仕事は利用者さんの生活を支える重要な役割を担っていますが、一方で現場で働く職員のストレスが高齢者虐待という深刻な問題を引き起こすこともあります。
本記事では、介護現場で職員がストレスを感じる原因と、そのストレスがどのように虐待のリスクへとつながるのかをわかりやすく解説し、その防止策を具体的にご紹介します。
日々のケアの中で自信を持って行動できるよう、一緒に理解を深めていきましょう。
この記事を読む価値
- 簡潔にまとめられています。
- 最後にワークをすることで、30分程度の立派な研修にできます。
- 極力、難しい表現は避けてあります。
早速、見ていきましょう。
介護職員のストレスの原因

介護現場で働く職員がストレスを感じる主な原因は、次の3つが代表的です。
①慢性的な人手不足
介護施設では慢性的な人手不足が深刻化しています。
人手が足りないと職員一人ひとりにかかる仕事量が増え、心身ともに疲労がたまります。
とくに夜勤や長時間勤務が続くことで休息が十分に取れず、精神的な余裕がなくなってしまいます。
②認知症ケアの難しさ
重度認知症の利用者さんのケアはとくに難しく、予期しない行動や混乱状態への対応に追われます。
適切な知識や技術が不足している場合は、対応がうまくいかず職員のストレスが増えてしまいます。
③施設運営や職場環境の問題
施設の運営方針や指示が明確でない場合、職員は自分で判断することが増え、各々の勝手な解釈で行動するようになります。
また、職員同士のコミュニケーションが不足すると孤立感が生まれ、職場でのストレスが増加します。
ストレスが引き起こす虐待のリスク
職員のストレスが高まると、利用者さんへの対応が感情的になり、冷静な判断ができません。
その結果、不適切なケアや虐待につながるリスクが高まります。
具体的には以下のようなケースがあります。
- 利用者さんに対して怒鳴ったり、強い口調で接したりする
- 職員の都合で食事やトイレの介助を急かしてしまう
- 身体拘束などの行動制限を安易に行う
こうした不適切なケアが積み重なると、心理的虐待や身体的虐待につながりやすくなります。
利用者さんは精神的な苦痛や身体機能の低下を招き、生活の質(QOL)が大きく損なわれます。
「不適切なケア」について詳しく知りたい方は、コチラの記事をご参照ください。
ストレスを軽減するためのセルフケア
虐待を防ぐには、介護職員自身がストレスを自覚し、適切に対処することがとても大切です。
そのための具体的なセルフケア方法を5つ紹介します。
①小さな喜びを見つける
日々の仕事の中で、利用者さんの笑顔や感謝の言葉を見つけることで心にゆとりを持ちやすくなります。
②趣味やリラックスタイムを確保する
仕事とプライベートを切り分け、好きなことをする時間を作り、気持ちをリセットしましょう。
③自分の頑張りを認める
日記を書いたり、よかったことを振り返ったりして、自分の仕事を認め、自己肯定感を高めることが大切です。
④イライラしたときは一旦離れる
感情が高ぶったら、その場から少し離れたり、深呼吸をして気持ちを落ち着かせましょう。
冷静になることで、適切な対応ができるようになります。
イライラしたときの対処法を具体的に確認したい方は、コチラの記事をご参照ください。
⑤助けを求める
困ったときは同僚や上司に相談することをためらわず、周囲のサポートを活用しましょう。
組織全体で行うストレス対策
職員のストレス軽減や虐待防止には、職場の環境整備や組織的な支援体制が必要です。
具体的には次の5つのような対策があります。
①働きやすい環境作り
職場の方針や役割分担を明確にし、業務の流れを改善することで職員が安心して働ける環境を作ります。
また、職員が気軽に相談や意見を言える職場風土を作ることも重要です。
コチラの記事では、業務改善のヒントが得られます。興味のある方はご参照ください。
②介護スキルを高める研修の実施
定期的に研修を行い、認知症ケアや介護技術を向上させることで、職員が自信を持って仕事に取り組めるようにします。
認知症ケア研修の資料を確認したい方は、コチラの記事をご参照ください。
③ストレスチェックや面談の実施
定期的にストレスチェックを実施し、職員が感じるストレスを早期に把握して、必要なサポートを提供します。
面談などで個別の悩みに対応できる環境も整えましょう。
職員との面談方法については、コチラの記事をご参照ください。
④虐待防止のための明確な方針
虐待を許さないという明確な方針を施設全体で共有し、不適切なケアや虐待の兆候を早期に見つけて対応する仕組みを作ります。
また、虐待防止委員会を設置し、定期的に議論・対策を行います。
⑤報告しやすい環境を整える
虐待や不適切なケアが起きても隠さず報告できるよう、風通しの良い職場作りを進めます。
虐待を見逃さないためにも、安心して相談・報告できる窓口を設置することが重要です。
研修による意識改革
虐待防止のための研修では、職員の意識を変え、行動を改善することを目的としています。
具体的には次の内容を研修でしっかり伝えることが重要です。
- 虐待の種類や原因についての理解
- 不適切なケアが虐待につながる可能性の認識
- 虐待を早期に発見し報告する責任
- 虐待や不適切ケアを起こさないための介護技術
- セルフケアやストレスマネジメントの重要性
また、研修は一方的に伝えるだけではなく、事例を通して議論したり、グループワークやロールプレイングを取り入れたりすることで、職員が積極的に参加できるように工夫しましょう。
「それぞれの虐待防止研修の資料が見たい!」という方は、コチラの記事を参考にしてください。
ワーク
では、ワークをしていきましょう。
個人ワークとしては、
- 今日の研修の感想、意見
- 今までストレスを感じて、辛かった体験
- 自分なりのストレス解消方法
を、書き出してみます。
そしてグループに分かれて、それぞれの個人ワークの内容を発表し合いましょう。
情報を共有することで、知識の幅が広がり、また職員同士の一体感も養われます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
介護職員がストレスを抱えることで起きる虐待の問題は深刻ですが、職員自身のセルフケアと職場の環境整備を進めることで防止することが可能です。
職員が安心して働ける環境を作り、利用者さんの尊厳を守りながら質の高いケアを提供していくことが求められています。
それではこれで終わります。
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