電話は『今から施設を利用者したい人、家族を利用させたい人、紹介したいケアマネージャー』との最初の架け橋です。
「電話の対応が良かったから、この施設に決めた」となる場合もあれば「電話で横柄な印象を受けたので、申し込むのを止めた」と機会損失をしてしまう事もあります。
電話対応は、会社の「顔」です。
ここで好印象を与えることができるよう、マニュアルを整備し、定期的な研修を行うことは非常に有益だと思います。
本ブログ記事が、施設運営に少しでもお役立てできれば幸いです。
この記事を読む価値
- そのままマニュアルとして施設に保管できるような内容です。
- 研修資料としても役立てられます。
- 難しい表現は省いているので、誰でも理解できる内容です。
早速、見ていきましょう。
電話対応マナー
介護現場では、誰しも電話に出て対応しなければいけないような施設も多いです。
電話対応者は施設の窓口としての対応を心掛けましょう。
そのためには、まず基本的な4つのマナーを身につけておかなければなりません。
- すぐに対応する
- 内容を正しく理解し、わかりやすく丁寧に対応する
- 好印象を与える話し方を意識する
- 電話内容を記録し、職員間で共有する
以下の具体的にみていきましょう。
① すぐに対応する
電話が鳴ったら3コール以内に出るのが基本です。
3コール以内に電話に出られた場合、「お電話ありがとうございます。デイサービス○○〇の△△が承ります。」と始めます。
もし3コール以内に出られなかった場合は、「大変お待たせいたしました。デイサービス○○〇の△△が承ります。」と始めます。
待たせることは相手の時間を無駄にするということです。
それだけでイライラしてしまう方もおられます。
「とにかく電話が鳴ったら、できるだけ素早く出る」という心構えを持つようにしましょう。
② 内容を正しく理解し、わかりやすく丁寧に対応する
復唱で意図を簡潔にまとめて確認します。
「(復唱)こちらで間違いございませんでしょうか?」もしくは「(復唱)でよろしいでしょうか?」とまとめます。
それだけで「しっかりと聞いてもらっている」という安心感を与えることが出来ます。
あいまいな返答や言葉遣いを避けましょう。
「~だと思います」はNGです。
判断が難しいことや、判断が出来ないことに対しては、一旦保留にして再度連絡させていただく旨を伝えるか、もしくは代替案を提示するようにします。
相手の周囲が騒がしい場合や、声が小さく聞き取りにくい場合は、以下のような対応をします。
「あなたが悪い」といった印象を与えないように伝えるのがポイントです。
③ 好印象を与える話し方を意識する
声のトーンは、普段よりもワントーン高めの声、を心がけます。
ワントーン高めの声を出すには、口角をあげて話すのがポイントです。
また、こちらが一方的に話すのではなく、要所要所で間を空けたり「よろしいでしょうか?」と言葉をかけ、相手が理解しているのか確認しながら話しましょう。
話のスピードも大切です。
まず電話対応で早口はNGです。
早口は電話では、より伝わりずらくなります。
内容が伝わる適度なスピードを意識し、早口にならないよう注意が必要です。
相手に伝わりやすいほど良いスピードを心がけながらも、重要な部分は速度や声の大きさを工夫しましょう。
時間や場所、金額などはゆっくりと間隔をあけながら伝えると、相手は把握しやすくなります。
④ 電話内容を記録し、職員間で共有する
電話内容は必ずメモに残し、記録するようにしましょう。
絶対に必要な項目は、いつ、誰から、どんな内容か、です。
もし可能なら、下記のテンプレートをコピペして、ビジネスフォンの横に貼っておくことをお勧めします。
電話応対のメモ 【対応スタッフ名: 】
1、日時
2、会社名・ご担当者名
3、ご用件
4、その後の対応
5、折返しの有無
6、折返しが必要な場合、相手の連絡先
電話対応の際は、必ずペンとメモ帳を手元に置き、聞き漏らしがないようにします。
万が一対応に不備があった場合などに、どのような対応だったのか振り返れます。
電話をかける場合
電話をこちらかける場合は、以下の ① ➡ ② の順は絶対です。
① 会社名と自分の名を名乗る
社名、担当部署、担当者名を相手が聞き取りやすいようにはっきり名乗ります。
「お世話になっております。○○〇デイサービスの△△と申します。」から始めます。
次に「〇〇の件でご連絡いたしました。」と続けます。
② 取次依頼
あなたが要件のある方に取次ぎを依頼します。
「〇〇さまはいらっしゃいますでしょうか?」といった感じです。
そして、お相手が電話口に出た場合は、もう一度会社名と自分の名を名乗ります。
次に、「今お時間よろしいでしょうか?」と、お話しする時間があるか確認してから要件を話していきます。
お相手が不在だった場合は、日時を改めて再度電話をする旨を伝えます。
「〇〇さまは何時ごろお戻りでしょうか?」「それでは〇時ごろに改めてご連絡いたします。」といった感じです。
もし伝言を依頼したい場合は、許可を頂いてから用件を伝えましょう。
「恐れ入りますが(お手数ですが)伝言をお願いしてもよろしいでしょうか?」といった感じです。
電話を受けた場合
電話を受けた場合の対応は ① ➡ ② の順になります。
① あいさつと名乗り
まず第一に「ご連絡ありがとうございます。」とあいさつをしましょう。
次に、社名、担当部署、名前を明るくはっきり名乗ります。
「デイサービス●●●の△△△が承ります。」といった感じです。
② 引き継ぐ
「○○さんに変わってください」と名指しで指名された場合、その担当者が在籍してれば「少々お待ちください」と伝え、引き継ぎます。
もし担当者が不在の場合は、伝言を承るか、もしくは再度折り返させていただくか、どちらかを提案をしましょう。
不在であることを伝える際は「申し訳ございません、○○は席を外しております」といった感じです。
次に戻り時間を「△時ごろ戻る予定です。」と伝えると、親切です。
そして「よろしければ私が伝言を承りますがいかがでしょうか?」と伝えます。
もし折り返しの電話を希望された場合は、「〇〇(名指し人)が戻り次第ご連絡をいたします。」と伝えます。
場合によっては「□時頃までならいつでも出られます」と時間を承る場合があるので、しっかりとメモして担当者に伝えるようにしましょう。
電話を切るときのマナー
電話を受けた場合は、相手が電話を切ってからこちらも切ります。
こちらから電話をかけた場合でも、相手が利用者・ご家族・ケアマネージャー等の『お客さん』にあたる場合は後から電話を切ります。
対等な関係の場合や外部の営業の電話などの場合は、電話をかけた方が先に電話を切ります。
覚えるのが面倒な場合は、『電話は相手が切ってからこちらがきるもの』としていたら間違いないです。
また、電話を切る際は直接受話器に置かずに、まずフックを手で押さえ後から受話器を置くようにします。
敬語の基本的ルール
電話対応で敬語や敬称を正しく使えるように、普段から練習しておきましょう。
ここでは敬語、敬称の基本的なルールをお伝えします。
敬語には尊敬語、丁寧語、謙譲語の3つの種類があります。
尊敬語: 目上の人や立場の上の人、お客様などに対して使います。
「お〜する」「〜になさる」といった表現がよく使われます。
丁寧語: 普段の会話や目下の人に対して使われる言葉です。友人や家族への敬意を表す場合には丁寧語が適しています。
「〜します」「〜です」といった表現が一般的です。
謙譲語: 自分自身の行為や存在を謙遜するために使われる言葉です。自分の行動や意見を控えめに表現したい場合に使います。
「〜いただく」「〜させていただく」といった表現が使われます。
次に敬称です。
社内の目上の人物(例えば課長)を社外に紹介する時は、敬称や謙譲表現を間違えない用にしましょう。
例えば「▲▲▲さんに変わっていただけますか」と相手が言った場合、「▲▲▲課長はいらっしゃいません。」という返答は間違いです。
この場合『課長』という敬称を用いてはいけません。
正しくは、「▲▲▲は席を外しております」と答えます。
新人職員は、意外と間違えてしまいますので注意しましょう。
相手が名乗らない場合
たまに、自分の名前を名乗らずに「○○さんいますか?」と電話をかけて来る人もいます。
そんな場合は「失礼ですが、お電話口の方のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」と答えます。
何度も名前を聞こうとすると、相手に気分を害してしまう可能性もあります。
どうしても名乗ってくれない場合は、その旨を名指し人に伝え、電話を取り次ぎましょう。
クレーム電話の場合
クレーム電話の場合、いきなり感情的な口調から始まります。
そのような場合は、まずは「話を聞く」ことに注力しましょう。
話を聞くときは、相づちや謝辞を交えながら熱心に聞き取ります。
ある程度相手の主張が終わった段階で、クレームを対応できる上司に変わります。
基本的にクレーム対応は役職者の仕事です。
自分の判断だけで終わらせないように心がけましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
電話対応は会社の印象に直結します。
「自分の応対は会社の印象になる」ということを常に意識し、丁寧な応対を心がけましょう。
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