老人保健施設(以下老健と省略)について、わかりやすく説明します。
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。老健は入所施設としては最もリハビリが受けられる施設です。
一般的には病院を退院した後に、そのまま集中してリハビリを継続したい人が入所されています。この記事を読むだけで老健について具体的なことまで理解できるよう執筆しました。
老人保健施設とは?わかりやすく解説します【入所条件・料金・入所期間・特徴・サービス内容など】
筆者
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。介護にかかわる情報や介護士に役立つ情報をブログを使って発信しています。
この記事を読む価値
- 老健について具体的なことまで理解できます。
- 施設選びのポイントも知ることができます。
- 3分程度で読むことができます。
早速、見ていきましょう。
老人保健施設の特徴
入院をしていた方が、退院して家庭に戻るまでの間に利用されることが多い施設です。
自宅生活への復帰を目指している人が対象となり、リハビリテーションをメインとします。
医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが在中しており、医学的な管理を受けながらリハビリを受けることができます。
もちろん、食事や入浴、排せつといった日常生活のケアも受けることができます。
さまざまな専門家が利用者一人一人に合わせてサービスを提供するという介護保険施設です。
入所条件
ただし、40~64歳の人でも関節リウマチなどの特定疾病によって要介護認定を受けている場合は、入所の対象になります。
リハビリや医療ケアが必要である人が対象になる施設ですが、重い医療行為を必要としている場合は受け入れが難しいときもあります。
入所前には、支払い能力の確認作業があります。
利用料を払えるかどうかは施設側が判断します。
3か月以上の滞納で退所勧告を受ける場合もあるので注意が必要です。
保証人や身元引受人も入所条件となります。
緊急時の連絡先、利用料の支払い、サービス計画書、治療方針の承諾、入院や死亡時の対応などの点から、保証人や身元引受人は必要となります。
施設によって若干入所条件が異なる場合もありますので、詳細は施設に問い合わせてみてください。
費用
入所時の費用(初期費用)もかかりません。
月額費用は、介護サービス費+居住費+食費+その他の合計額になります。
また、所得が低い場合には減免制度も設けられています。
「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」という制度です。
所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給されます。
特定入所者介護サービス費の利用には、負担限度額認定を受ける必要がありますのでお住まいの市区町村に申請をしてください。
部屋タイプによって費用が異なるため、費用を抑えたい場合は安い部屋を選ぶこともできます。
居室の種類は4種類で「従来型個室」「多床室」「ユニット型個室」「ユニット型個室的多床室」があります。
「従来型個室」:
共同スペースはなく、ベッドが一つの個室で個人が過ごすタイプの部屋となっています。
「多床室」:
共同スペースはなく、ベッドが複数の大部屋で数人が過ごすタイプの部屋です。
「ユニット型個室」:
ユニットといわれる単位で生活するタイプの施設です。キッチンやトイレは共同で使い、ベッドは一つの個室で過ごすタイプの部屋となっています。
「ユニット型個室的多床室」:
ユニット型個室と同じで共同スペースがありますが、個室ではなく大部屋になるという点が異なります。
各部屋とも料金が変わります。
多床室が最も安く、ユニット型個室が最も高くなっています。
そして利用者の収入によっても変動します。
月額費用の目安としては、個室タイプでは、7~10万円程度です。
また、多床室タイプは、18~22万円程度です。
こちらの記事に費用については詳しく記載されていましたので参考にしてください。
入所期間
在宅復帰が目的であるため、3~6か月ほどの短期間で退所審査が行われます。
ほとんどの人が3カ月程度で退所されるので、利用者の入れ替えが激しい施設です。
老健は大きく「基本型」と「強化型」に分かれます。
そして「基本型」の場合、3カ月を越しても入所を継続させてもらえる場合もあります。
リハビリ内容
次にリハビリ内容についてお伝えします。
老健で行われるリハビリは、その利用者さんが早く在宅生活へ戻れことを目的としたサービスになります。
在宅生活に必要な動作を専門職が評価して、個別メニューが組まれます。
リハビリ回数は、入所3ヵ月間は週3回の短期集中リハビリを提供しています(週1回は集団リハビリも可)。
人員に余裕のある施設では、毎日リハビリを提供している施設もあります。
そして3カ月経過後は、ほとんどの老健は週に2回となっています。
1回のリハビリ時間は20~40分です。
先ほども記載しましたが、老健は「基本型」「強化型」といったタイプに分かれていて、ここで説明したのは「強化型」です。
「基本型」の場合は、リハビリの回数が減ります。
事前に施設へ問い合わせて確認する必要があります。
メリット・デメリット
老健のメリット・デメリットについて以下にまとめます。
老健のメリット
- 専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)によるリハビリが受けられる
- リハビリ専門職以外にも、介護支援専門員、栄養士、薬剤師なども配置されており、生活全体をサポートしてもらえる
- 医師や看護師も常駐しているので医療的ケアも手厚い
- 施設内でケアプランや個別のリハビリプランを作成してもらえる
- 民間施設(有料老人ホームなど)と比べて費用が安くすむ
老健のデメリット
- 入所中は医療保険が使えない
- 洗濯や買い物代行などのサービスはあまり充実していない
- レクリエーションやイベントがないところが多い
- 多床室の場合はプライバシーの確保が難しい
- 最長でも6ヶ月までしか入所できない
施設選びのポイント
「どの老健を選べば良いかわからない」という場合の為に、施設選びのポイントを以下にあげていきます。
立地:ご家族は通いやすい場所かも大事なポイントです。
費用:無理なく支払える範囲での、施設や部屋を選びましょう。
内容:「強化型」か「基本型」かによってリハビリの回数が変わります。リハビリの回数を伺っておくのも大事です。
入所期間:基本的には3か月です。でも「基本型」の場合、それを越しても入所を継続させてもらえる場合もあります。入所期間も確認ポイントです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
まとめると、以下のようになります。
- 老健とは、利用者の在宅復帰を目的とする施設です。
- そして生活面、医療面、リハビリ面からサポートをしてもらえます。
- 月額費用は、介護サービス費+居住費+食費+その他の合計額となります。
- 目安は、個室タイプで7~10万円程度です。多床室タイプで18~22万円程度です。
- 所得が低い場合には減免制度も設けられています。
- 老健の入所条件は、要介護認定1以上を受けていて65歳以上であること。そして入所期間は3カ月程度です。
- リハビリは「強化型」と「基本型」があり、リハビリの回数が異なります。
それではこれで終わります。
これらの情報が少しでもお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考資料:厚労省HP
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