こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。先日、こんなツイートをしました。
「研修の発表をお願いします」。多くの介護事業所はリーダにもなると、年に1回は社内研修の発表が回ってきます。でも発表資料の作成方法を教えてもらっていないところがほとんどで、研修がなかなか意味のあるものになりにくかったりします。まずはそこから教えて欲しいものです。
— とも@介護士ブログを運営 (@tomoaki_0324) October 13, 2022
「研修の発表をお願いします」。
多くの介護事業所はリーダにもなると、年に1回は社内研修の発表が回ってきます。
でも発表資料の作成方法を教えてもらっていないところがほとんどで、研修がなかなか意味のあるものになりにくかったりします。
まずはそこから教えて欲しいものです。
介護施設では施設内研修が必須です。僕の働く施設では、リーダー以上は半年1度、研修の講師をします。
【介護施設】説得力のあがる研修資料作成のコツ【4MATを使えば短時間で作成可能です】
筆者
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職にとって必要な情報をシェアしていきたいと思います。
この記事を読む価値
- サクサク資料が作成できるようになります。
- 聴衆にも伝わりやすい内容にすることができます。
- 研修資料だけではなくて、ブログなどにも役立ちます。
早速、見ていきましょう。
4MATとは
米国の教育者であるバーニス・マッカーシーによって1919年に考案されました。
使い方は簡単です。
伝えたいテーマを決め、それを4つに分類します。
1,why [なぜ]
2,what [なに]
3,how [どのように]
4,what (if) [そうすればどうなるか]
では順に詳しく説明していきます。
1,why なぜ
ここには相手が今日の研修を聞いた後のメリットを書きます。
相手の聞く意識を高めます。
書き始めの例としては、
- こんなことってないですか?
- あまり知られていませんが、実は~
- 一般的には~ですが、…なのはご存じですか?
といった感じで始めます。
2,what なに
ここでは、相手に知って欲しい情報や、根拠のある情報をまとめます。
説得力を増すことで、より興味を惹きます。
「あなたはこんなことが出来るようになりますよ」といった感じです。
3,how どのように
ここで全体を見せたり、やり方をみせたりします。
実際にどう使うのかを説明や例えなどで見せることで、興味を最大限に高めます。
他にどんな場面で使えるか、具体的にどういう場面で使えるか、を実例や数値、比較などを駆使して伝えます。
4,If そうするとどうなるか
ここでは、伝えたことを実際にするとどうなるのか、これをすることでどんな変化が得られるのかを伝えます。
他にも、「こんな良い影響が他にも起こるかもしれない」と可能性を伝えます。
問題が解決した結果と、未来を想像してもらいましょう。
例を使って解説【題:虐待かもしれない!と感じた時の対応】
それでは例を使ってお伝えしていきます。
『利用者さんの打撲痕に気づき「虐待かもしれない」と感じたとき、どうすればよいか』という内容で、研修資料を作ってみます。
もちろん"高齢者虐待防止研修"でも使える資料となっていますので是非参考にしてみてください。
1,why なぜ
普段、懸命に利用者さんと向き合ってケアをしている皆さんは、利用者さんのわずかな変化にも気づきますよね。
そして、こんなことはないですか?!
利用者さんの打撲痕を発見したとき、または利用者さんの発言などからも「これは虐待かもしれない」、と感じる場面。
ありますよね…。
そんな時皆さんはどうされていますか?
「すぐにケアマネージャーや第三者に伝えるべきなのか、でも虐待という確信がないし…、
利用者さんの発言も、若干認知症がある為確信が持てない。むやみに広げるのは、介護従事者に課せられた守秘義務に反するのではないかな…」
と思うかもしれません。
こんな場合はどうすればよいか、今からお伝えしますので参考にしてくださいね。
2,what なに
歴史的には、守秘義務は絶対的( 例外を認めない) 義務と考えられていました。
しかし最近は、正当な理由があれば通報や通告することはよしとされ、また本人を保護する必要が高い場合には、逆に通報・通告義務が課せられることもあります。
もっとも、"正当な理由"についての解釈は本人や事業所の判断に委ねられているので、このケースのように決断に躊躇する場合もあります。
虐待の通報・通告義務については、2006年4月に施行された「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援に関する法律※」があり、これらの理解が不可欠です。
今回のようなケースでは、まずご家族とのコミュニケーションをさらに密にし、その背景や心理面についてアセスメントする必要があります。
そして、ご家族を責めるだけではなくご家族の介護を支援をしていく姿勢が大切です。
それは利用者さんにとって、ご家族は今後もずっと必要な存在になるからです。
ご家族と利用者さんの関係を断ち切るのではなく、利用者さんと養護者として機能していくという意識をできるだけ高めるような支援をしていく必要があります。
しかし残念ながら、利用者さんの命に危険が生じる可能性がある虐待が起こった場合には、利用者さんの保護を第一に考えなければなりません。
次に、「介護従事者は虐待の事実を積極的に通報・通告(屈出)をすべき義務まであるのか」、という点について考えてみます。
通報は、緊急性や重要性に応じて、(法的)義務と(倫理的)努力業務を使い分けています。
"義務"とは「従うべきこと」であり、違反すると罰を受けることがあります。
しかし"努力義務"とは、「~するよう努めなければならない」「~努めるものとする」と規定された義務のことです。
つまり、「努力をすること」が義務付けられているというわけです。
この場合は、違反した場合の罰則は定められておらず、違反しても罰を受けることはありません。
基本的に"努力義務"は、当事者の自発的な行為をうながす、期待するといった効果があるわけです。
これらを頭に入れておいてください。
法的にはこのように記載されています。
義務:「養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は、速やかにこれを市町村に通報」
努力義務:「それ以外の場合は速やかに、これを市町村に通報する」この通報は、守秘義務違反とならない(法7条3項)
今回のケースのように「虐待かもしれないけど、確信が持てない」という場合の通報は努力義務になります。
3,how どのように
では、実際にこのような場面に遭遇した際どうすればよいか考えましょう。
まずは上長と相談し、施設内、事業所内で共有すべきかどうか話し合いましょう。
そして「いつにどんな打撲痕があった」「いつにどんな発言があった」「他にもこんな気になる症状がみられた」などこまめに記録していきましょう。
次に、ご家族とよりコミュニケーションをとるように心がけ、あなたとご家族との関係性を意識したケアを心掛けます。
打撲痕などが継続していて「これは明らかにおかしい」と思っても、決して「この打撲痕はあなたはやったんですか!」などは言わないようにしてください。
そんな時は、施設長もしくは管理者からケアマネージャー等の第三者に事実のみを伝えるようにしましょう。
4,If そうするとどうなるか
このような対応をとることで、あなたは法的に罰せられることもありません。
またご家族との関係性を築くことで、打撲痕が減り、利用者さんの表情も良い方向に変わってくるかもしれません。
それだけではなく、このように【気付き・報告(相談)・記録・連絡】といった流れを行うことは、関係者からの信頼も高まるのではないでしょうか。
もしこのような場面に遭遇した場合は、是非今日の研修を思い出してください。
※引用文献「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援に関する法律」
おわりに
いかがだったでしょうか。
実はこの記事事態も4MATを意識して作っています(^^;
4MATを使うことで、文章に流れが生じ、相手への伝わりさを感じられたのではないでしょか。
途中で法律的な文章も入ってきましたが、抵抗なく頭に入ってきませんでしたか?
4MATを使うことで、相手への伝わり方が変わり、聴衆の表情が変わります。
そうすれば職員の普段のケア(行動)も良い方向に変わってきます。
"やるだけの研修"ではなく"意義のある研修"に変わるわけです。
是非、一度試してみてはいかがでしょうか。
それではこれで終わります。
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