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入浴介助

デイサービス入浴介助研修|プロが教える洗体のコツとポイント!

とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。デイサービスで必要な【入浴介助研修】の資料を記事にしました。

筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

高齢者や介護が必要な方にとって、身体機能の低下は洗浄を難しくする大きな要因です。

特に、下半身や上半身の衰えにより、足や背中、頭部などの洗浄が困難になることがあります。

本記事では、こうした洗浄の課題を取り上げ、それぞれの原因を詳しく解説します。

また、片麻痺の方が抱える洗浄の困難さについても触れ、自立支援を考慮した効果的な洗体ケアのポイントをご紹介します。

この記事を読む価値

  • 利用者さんの洗体ケアのポイントを具体的に知ることができます。
  • デイサービスの入浴介助研修にすることのできる資料です。
  • 下線部だけ見ても、内容を理解できます。

それでは早速、見ていきましょう。

身体機能の低下が引き起こす洗浄の課題

高齢者や介護が必要な方々に対してケアスタッフは「できることはやっていただく」という姿勢は大切です。

でも、身体の衰えによってきちんと洗浄することが難しくなってしまいます。

そこで、まずは下半身と上半身の衰えがもたらす洗浄の難しさについて考えてみましょう。

下半身の洗浄が難しくなる理由

加齢に伴う身体の変化は、特に下半身の洗浄において顕著です。

特に次の2つの理由によって、足先・足裏やお尻の洗浄が難しくなります。

① 足先・足裏が洗いにくくなる理由:

加齢によって体を前に曲げることが難しくなると、足の先まで手が届かなくなります。

この姿勢の変化は、特に座っている時や立っている時に顕著に現れます。

たとえば、片方の膝の上にもう片方の足を乗せることが難しくなり、足裏や足指に手が届きにくくなります。

② お尻が洗いにくくなる理由:

骨盤の動きが低下することで、座った状態で片側のお尻を持ち上げることが難しくなります。

お尻を浮かせたまま洗うことも困難で、これにより洗浄が不十分になってしまうことが多いです。

上半身の洗浄が難しくなる理由

身体機能の衰えは上半身にも影響を及ぼします。

特に、背中や頭部の洗浄が難しくなる要因について見ていきます。

① 頭部の洗浄が難しくなる要因:

年齢を重ねると、肩関節の可動域が減少します。

このため、手が頭に届きにくくなることがあります。

また、腕や手の筋力が不足すると、洗髪の際に腕を上げることが困難になり、結果的に頭部の洗浄が十分に行えないことがあります。

② 背中の洗浄が難しくなる要因:

背中の洗浄も同様に難しくなります。

肩関節の可動域が低下すると、背中に手を届かせることが難しくなります。

さらに、腕や手の筋力が低下することで、洗身タオルを動かすこともできなくなり、背中が洗えない状況になりがちです。

片麻痺の方における洗浄の難しさ

片麻痺の方にとって、洗浄が難しくなる部位は次の3つです。

① 手のひらの洗浄

筋緊張の影響で手指が握り込まれると、手のひらを開くことが難しくなります。

この状態は汗がこもりやすく、通気性が悪くなり、湿疹や皮膚炎が起こることがあるため、適切な洗浄が必要です。

② 腕の洗浄

麻痺している腕では洗身タオルを持って動かせない場合がほとんどです。

その結果、健側の腕や手が十分に洗えないことがあります。

③ 背中の洗浄

両手で洗身タオルの端を持って動かせないため、背中の洗浄も難しくなります。

自立支援を考慮した洗体ケアのポイント

ご自身で適切な洗浄を行っていただくためには、次の4つのポイントを押さえておくことが重要です。

① 自分で洗える部位は自身で洗ってもらう

利用者さんが洗いにくい部分を自分でしっかりと洗えるように、必要に応じて声を掛けながら実施します。

入浴中に気分を害することがないよう、日ごろから良好な関係を築き、利用者さんの自尊心に配慮することが重要です。

② 洗い残し部分を伝えるようにする

利用者さんが自分で洗える部分は自分で洗ってもらい、洗い残しがある場合は声かけや指導を行います。

洗う順番や方法については、利用者さんの希望に沿って進めるように心掛けましょう。

声かけを続けることにより、適切な自己洗浄の習慣を促すことができます。

③ 洗いにくい部位のトレーニングを行う

洗いにくい部位については理学療法士等と相談し、継続的にトレーニングを行い、改善を目指します。

具体的には、柔軟性を高めるストレッチや、洗浄動作の練習を通じて、身体機能の向上を図ることができます。

④ 自助具の選択と提案

利用者さんが自分で洗体を行えるように、その方に合った自助具を選びます。

介護施設でケアスタッフがいる時に実際に試し、自宅でも使用できるように練習してもいましょう。

体を洗う際に確認すること

体を洗う際には、利用者さんの体に傷やあざがないか、皮膚の状態(乾燥や水虫など)をしっかり確認します。

必要に応じて、家族やケアマネ、ヘルパーに報告し、医療機関の受診を勧めることが大切です。

特に皮膚の乾燥が見られる場合は、保湿クリームを塗って状態を観察し、改善が見られない場合は医療機関を受診するように促します。

また、説明のつかない不自然な傷やあざが長期間続く場合には、管理者やケアマネと相談し、必要に応じて市町村の相談窓口や警察などの機関に相談することが必要です。

忘れがちな部位は特に汗や皮脂がたまりやすいため、足裏や足指、膝裏、お尻、陰部、たるんだ皮膚の間などの洗い残しに注意が必要です。

背中や肘、脇の下、たるんだ皮膚の間もしっかりと洗うようにしましょう。

また、ナイロンタオルなどで強くこすると、皮膚を傷め、必要な皮脂や角質を剥がしてしまうことがあるため、注意が必要です。

特に、男性は加齢臭の発生源となる耳の後ろ、女性は汗や皮脂がたまりやすい乳房の下も忘れずにケアしましょう。

白癬菌について

白癬菌は皮膚に感染を引き起こす真菌で、特に皮膚の表面に付着することで感染症を引き起こします。

足に感染するものは「足白癬」、一般的に水虫と呼ばれています。

予防は、皮膚を清潔に保つことです。

白癬菌は皮膚の表面に付着しただけでは感染しないため、定期的に入浴やシャワー、足浴を行い、汗や皮脂を丁寧に洗い流すことが重要です。

白癬菌に関する正しい知識を身につけ、利用者さんに対して適切なケアの指導を行っていきましょう。

白癬菌の感染対策

① せっけんでしっかり洗う

日常的に洗浄を行い、せっけんを使ってしっかりと洗うことが、白癬菌の繁殖を防ぎます。

② 入浴後はよく乾燥させる

湿った状態が続くと、白癬菌が繁殖しやすくなるため、入浴後は十分に乾燥させましょう。

③ 蒸れない靴下を履く

白癬菌は湿度の高い環境を好むため、通気性の良い靴下を選び、蒸れを防ぐことが重要です。

④ タオルや足ふきマットを共有しない

他人とのタオルや足ふきマットの共有は、感染のリスクを高めるため、個別の使用を心がけましょう。

⑤ 早期の皮膚科受診

症状がひどくなる前に皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

早期に対処することで、治りにくくなるリスクを軽減できます。

白癬菌は足だけに感染するものではありません。

その種類をお伝えします。

【白癬菌の種類】

 

足白癬(足水虫)
足に感染するもので、趾間型、小水瘤型、角質増殖型などがあります。

爪白癬(爪水虫)
爪に感染し、爪の変色や変形を引き起こします。

手白癬
手に感染し、皮膚のかゆみや発疹を引き起こします。

股部白癬(インキンタムシ)
股間に感染し、かゆみや発疹が見られます。

顔面白癬
顔に感染し、赤みやかゆみを伴います。

頭部白癬(シラクモ)
頭皮や頭髪に感染し、脱毛やかゆみを引き起こします。

体部白癬(ゼニタムシ)
股部以外の身体に感染し、皮膚に発疹を生じます。

深在性白癬
真菌が皮膚組織に深く侵入した場合に起こる感染です。

おわりに

いかがだったでしょうか。

高齢者や介護が必要な方の身体の衰えは、洗浄の難しさを引き起こします。

特に下半身や上半身において、自己洗浄が困難になることが多いため、介助者はその点を理解し、適切な支援を行う必要があります。

洗体ケアにおいては、利用者さんの尊厳を守ることを第一に考え、自分でできる部分は自分で洗うことを促すようにしましょう。

また、洗浄の際には、注意深く身体の状態を観察し、必要に応じて適切な医療機関への受診を勧めることも重要です。

そして、白癬菌の感染を防ぐためには、正しい洗浄方法や生活習慣を取り入れることが重要です。

高齢者や介護が必要な方々が、自分の身体を大切にし、快適な生活を送れるようサポートしていくことが、介助者の大切な役割です。

日々のケアを通じて、利用者との信頼関係を築き、より良い生活を提供できるよう努めていきましょう。

それではこれで終わります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この研修資料が、御社の運営にお役立ていただければ幸いです。

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介護士の資格取得/スキルUP/転職について記事を書きています。 作業療法士/介護福祉士/ケアマネージャー資格等の保有