筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
入浴介助は介護職にとって最も負担となる重労働です。
さらに、滑りやすく転倒などの危険な場面となり、体の保護も少ない分、怪我のリスクも高くなります。
福祉用具を適切に使うことで、介護職員の負担を軽減させ、さらに利用者さんも安全で安心して入浴していただくことができます。
ということで今回は、入浴介助で使う福祉用具を紹介します。
もちろん、入浴介助研修にも使える内容です。
この記事を読む価値
- 入浴介助で使う福祉用具を知ることができます。
- デイサービスの入浴介助研修にすることのできる資料です。
- 下線部だけを読んでも、内容を理解できます。
動画視聴のご案内
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動画で見たい方は、画像をタップしてください。
それでは早速、見ていきましょう。
シャワーチェア
シャワーチェアは、入浴時に使用する椅子で、高齢者が安全で快適にシャワーを浴びられるように設計されています。
座面の高さが調整できるものや折り畳みができるもの、座面が回転するもの、肘掛けが跳ね上がるもの、肘掛けの高さ調節機能が付いているものなど、たくさんの種類がる為、利用者さんの身体の状況や環境に合わせて選ぶことができます。
また滑りにくい素材で作られており、座面と背もたれは安定いているので、立ち座りが困難な方の転倒リスクは軽減します。
シャワーキャリー
シャワーキャリーは、シャワーチェアに車輪が付いたものです。
普段車いす生活で、座位は保てるけど歩行が困難な方に適しています。
座った状態でシャワーや入浴が可能なため、介護職が安全に支援できるだけでなく、利用者さんの安全性や快適さも守られます。
シャワーキャリーには、背もたれやフットレスト、手すりがついており、洗体中に転倒しないようにロック機能や滑り止めが装備されています。
また、簡単に水を排出できる素材で作られており、湿気やカビの発生を防ぐ工夫も施されています。
陰部が洗いやすいように、座面がU字にくりぬいてあるもの、リクライニング機能がついているもの、座面の高さを調節できるものなどがあり、利用者さんの状態に合わせて選ぶことが可能です。
入浴用介助ベルト
バスボード
バスボードは、浴槽の縁にまたがるように設置されています。
立ったまま、またいで浴槽に出入りすることが困難な方にとって、バスボードは重要な補助具となります。
利用者さんはバスボードに座ってから足を浴槽内に移し、ゆっくりと体をスライドさせて入浴します。
バスボードには、持ち手や滑り止めが装備されており、座っている際の安定性は確保されています。
設置したままでは浴槽が狭くなるため、浴槽に入った後に介助者が取り外しを行います。
素材は耐水性が高く、浴室の湿気や水に強いプラスチックやアルミニウムが使用されています。
取り付けや取り外しが簡単で、メンテナンスも容易です。
最近では、座面が回転するものもあります。
利用者さんの状態をしっかりと確認し、その方に合ったものを選びましょう。
バスグリップ(浴槽用手すり)
浴槽台(浴室ステップ)
浴槽台(浴室ステップ)は、浴槽への出入りをサポートするために設置される踏み台です。
足が浴槽の縁を超えられない場合や、浴槽への出入りが不安定な場合に役立ちます。
また、利用者さんの身長によって浴槽が深いと感じられる場合には、浴槽内に台を置き座って湯につかります。
浴槽の床に座ってしまうとなかなか立ち上がれない方も、一度、浴槽内台に座ってから立ち上がることにより、楽な立ち上がりが可能となります。
浴槽台は、安定性を高めるために、滑り止めのゴムや吸盤がついていて、浴室内で滑らないように工夫されています。
そして、耐水性の高い素材で作られており、浴室の湿気や水に強い設計です。
高さ調節が可能なタイプもあり、使用者の体格や浴槽の形状に合わせて調整することができます。
浴槽内昇降機(バスリフト)
浴槽内昇降機(バスリフト)は、座位は安定しているけど立ち上がりや着座が難しい方が使います。
これを使うことで、利用者さんは座ったままリフトの座面に乗り、装置の昇降機能を使って、無理なく浴槽内に降りたり、上がったりすることができます。
バスリフトは電動式が主流で、リモコンやボタン操作により昇降が行われます。
使用前は、リフトの座面が浴槽の縁と同じ高さまで上昇し、利用者さんはそのままリフトに座りながら入浴します。
また、リフト自体は防水設計で、簡単に清掃が可能なため、衛生面でも安心です。
バスリフトには、安全ベルトや滑り止め機能が搭載されており、入浴中の転倒や事故を防ぐ工夫がされています。
折りたたみ式や取り外し可能なモデルもあるので、使わない時には外しておくことができ、家庭での利用にも適しています。
すべり止めマット
浴室内は濡れており、シャンプーやせっけんの泡でとてもすべりやすい環境です。
滑り止めマットは、滑りや転倒を防ぐために設置される安全対策用品です。
また、浴槽内に敷くすべり止めマットは湯船につかっているときの姿勢を安定させ、お尻のすべりも防止します。
滑り止めマットは、柔らかいゴムやシリコンなどの防水性・耐久性に優れた素材で作られており、裏面には強力な吸盤がついています。
この吸盤が床にしっかりと密着することで、マットがずれたり浮いたりするのを防ぎます。
表面は凹凸加工が施されており、足元が濡れていても滑りにくくなっています。
サイズやデザインも多様で、浴室の広さやレイアウトに合わせて選べるため、さまざまなニーズに対応しています。
浴槽内すのこ
普通の浴槽は底が深いため、立ち上がる際に負担がかかることがありますが、すのこを使うことで底面が浅くなり、出入りや立ち上がりが楽になります。
浴槽内すのこは、プラスチックやアルミニウムなどの軽量で防水性の高い素材で作られており、耐久性が高く、水分に強い仕様です。
滑り止め加工が施されているものも多く、濡れた状態でも安全に使用できます。
また浴槽内すのこに座ることで、お尻がずれにくく長時間浴槽に座っている場合でも体が沈み込まず安定して過ごせます。
入浴サポートクッション
入浴サポートクッションは、体の傾きがある方や座位バランスが悪い方の姿勢を安定させ、入浴時の転落リスクを軽減させます。
このクッションは、柔らかい素材で作られており圧力分散の効果があるため、長時間同じ姿勢でいる際に生じる負担を軽減し、褥瘡(床ずれ)の予防にも役立ちます。
背中、腰、首、頭部などを支える形状のものがあり、利用者さんの体に合わせたサポートが可能です。
さらに防水性が高く、長時間水中で使用しても劣化しにくいという特徴もあります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は入浴介助で使う福祉用具について解説しました。
この記事を読んでいただき「この福祉用具はもう使っている」という方も多いかと思いますが、「こんな福祉用具あったのか」と思われた方も多いのではないでしょうか。
福祉用具は適切に使うことで、介護者は楽になり利用者さんも安全に入浴することができます。
用途をしっかりと把握し、是非導入を検討してみてはいかがでしょうか。
この研修資料が、御社の運営にお役立ていただければ幸いです。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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