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【介護施設】倫理及び法令遵守に関する研修の資料【尊厳と自立支援について】

とも
とも
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。介護施設の法定研修である【倫理及び法令遵守に関する研修資料】を記事にしました。

筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

読者さんへの前おきメッセージ

日本介護福祉士会は、介護分野における職業倫理を次のように定めています。

日本介護福祉士会が掲げる職業倫理

1、利用者本位・自立支援

介護福祉士は、すべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。

以下、省略

この記事は、「尊厳」と「自立支援」に着目した研修となるよう作成しました。

この記事を読む価値

  • 「尊厳」に対する認識を深めることができます。
  • 「過介助」に対する認識を深めることができます。
  • 「自立支援」に対する認識を深めることができます。

動画視聴のご案内

本ブログ記事と同じ内容の動画です。

動画で見たい方は、画像をタップしてください。

【介護施設】倫理及び法令遵守に関する研修 vol.2

それではさっそく見ていきましょう。

「尊厳」について考える

「尊厳」について、

利用者中心となる、3つの考え方
尊厳の保持

という2つの観点から、解説していきます。

利用者中心となる、3つの考え方

介護は、利用者さんのことを中心に考えて提供される必要があります。

スタッフや事業所の効率、会社の利益といった、利用者さん以外のものが中心になってはいけません。

利用者中心の考え方のポイントは、次の3つです。

  1. 「尊厳ある一人の人間」としてかかわること
  2. 「ご本人の想い」を大切にすること
  3. ご本人の利益を守ること

具体的に解説していきます。

①「尊厳ある一人の人間」としてかかわること

利用者さんは人生の大先輩であり、これまで社会を支えてこられた方々です。

「一人の人間」としてかかわることは当然のことであり、私たちが勝手に、利用者さんのできること・できないことを決めつけたりしてはいけません。

例えば「Aさんは認知症だから文字が理解できない」と決めつけて、「本が読みたい」という要望を無視する。などです。

②「ご本人の想い」を大切にすること

利用者さんの生活習慣、好み、価値観はさまざまです。

もちろん施設によってルールがあり、利用者さんの想いに添えない場合もあります。

ですが「わがままな人だ」と接するのではなく、できる限り寄り添う姿勢が必要です。

まずは、利用者さんの希望・要望はどのような内容なのかを把握することが基本となります。

専門家としての客観的で科学的な判断は重要ですが、最終的に本人の人生を決めるのは本人であることを忘れないでおきましょう。

③ご本人の利益を守ること

介護は、相手のQOL(生命の質、生活の質、人生の質)を高めるために存在しています。

したがって、私たちがかかわることで、利用者さんのQOLを下げるようなことがあってはいけません。

「これはできない」、「これはやってはいけない」などを安易に決めたりせず、どのような支援が利用者さんのQOLを高め、利用者さんの利益を守るかを考えることが大切です。

尊厳の保持

介護保険法の目的には、要介護状態となった高齢者などの「尊厳の保持」が盛り込まれています。

尊厳の保持は、「身体面」「精神面」「社会面」の3つの視点から考えるようにしましょう。

身体面

「けがや病気の予防」という視点で尊厳の保持に取り組みます。

例えば、以下のようなことを意識しましょう。

  • 転倒、骨折、誤嚥、誤飲、誤薬、褥瘡、やけどなどの発生を予防する
  • 雑な介助、たたく、つねる、身体拘束などはしない
  • 感染症(ウイルス・食中毒など)を予防する

また「機能低下の予防」という視点で、以下のようなことを意識しましょう。

  • できることはやっていただく
  • 脳を使う機会を提供する
  • 活動量をあげるような取り組みをする
  • 外出の機会を設ける

精神面

「不信感や怒りなどを感じさせない」という視点で尊厳の保持に取り組みます。

例えば、以下のようなことを意識しましょう。

  • 排せつした状態で放置したり、我慢させたりしない
  • 怖がらせたり驚かせたりしない
  • 嘘やでまかせを言わない
  • 約束を忘れない
  • 強要しない
  • だましたり、ばかにしたり子ども扱いしない
  • 無視・差別・のけ者・あざ笑う・いじめ・孤立・決め付けなどを防ぐ

社会面

「権利を奪わない」という視点で、以下のようなことを意識しましょう。

  • 言論の自由、選挙権、男女平等、基本的人権などの権利を守る

「経済的損失を防ぐ」という視点で、以下のようなことを意識しましょう。

  • 無駄な消費や買い物、高価な買い物をさせない
  • 非効率的な介護サービスを導入しない

週剰介護をやめる

過剰介護を組織的に意識してやめるには、次の3つのポイントが重要です。

①スタッフの意識を改める

介護をしていると、ついスタッフ中心の視点になりやすいので注意が必要です。

たとえば、「〇〇の方法だと私たちの仕事が早く済む」「〇〇すれば私たちが楽にできる」などの視点です。

これらは、意識しないうちに介護での優先事項が「早く済むこと」「効率的に進められる こと」になり、やがて「スタッフがした方が早く済む」という過剰介護へとつながっていきます。

「その人の残存能力を最大限に生かす」という介護の基本を忘れずに、本人ができること を本人が実行する機会を奪わないようにしましょう。

②利用者さんの意識を改める

「お金を払っているのだから、これくらいスタッフがするのが当たり前」

「同じお金を払っているのだから、たくさんスタッフにしてもらった方が得」

などのお客さん意識が、利用者さんに発生し、それが過剰介護につながることも多いです。

基本的には「自分のためにも、自分ができることは自分ですることが良いことだ」という意識を持ってもらうことが重要です。

③「何を大切にするか」を考える

自立支援や過剰介護の予防は大切ですが、本人の豊かな生活、充実した人生の実現に寄与することがあれば、そちらが優先されることもあります。

例えば「私は2時間かけて自分で洋服を着ることよりも、介助を受けて5分で着替え、残りの時間で社会参加をしたい」と言っておられる方がいます。

それでも自分で洋服を着る方を優先すべきでしょうか。

生活・人生を支援する介護は、そのときの状況に臨機応変に対応する必要があります。

「自立支援」について

自立支援とは、「自己選択」「自己決定」「自己遂行」の支援です。

介護保険法では、「要介護状態となった者に対して、その能力に応じ自立した生活を支援す る」と述べられています。

介護保険法 第一章総則

(目的)
第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念 に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、 もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

(介護保険)
第二条 介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。

(〜略〜)
4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

ここから読み取れるのは、自立支援とは「要介護状態の者を介護が必要でない状態にすること」ではないことが分かります。

では、「自己選択」「自己決定」「自己遂行」の支援について簡単に解説します。

①自己選択の支援

生活やケアの場面で、自然な形で『ご本人が選択できる』場面が提示できるように、選択肢を準備することが必要です。

例えば、和食か洋食か選べるようにする、飲みたい時に飲みたいものが選べるように複数種類の飲み物を置いておく、等も良いかもしれません。

「利用者さん本人に選択してもらう」 ためには、選ぶための「選択肢」が 必要です。

従って、最低2つ以上の選択肢を用意することが必要です。

②自己決定の支援

利用者さん自らが『決める』機会を作ります。

そして選択し決定するためには以下①→④の手順が必要です。

自己決定の手順:

  1. 何があるのか認識し覚えること
  2. それらの違いを理解・認識・覚えること
  3. 自分の好みと各品の特徴を比較すること
  4. 自分の好みに一番近いものを選出すること

よって記憶力・認知力を評価する必要があります。

利用者さんによっては、選択数を少なくすることなども支援方法の一つになります。

③自己遂行の支援

ある活動(例えば食事など)を自分でするためには、筋力や関節可動域などの運動機能、記憶力や注意力などの精神機能といったさまざまな機能が必要となります。

ご本人の機能に合わせた環境設定、また過介助にならない介助方法が必要です。

それには次のような工夫ができます。

自己遂行を促す工夫:

  • 行動の手順を書いておく
  • 「宜しければ、お手伝いしましょうか」という声かけ
  • 時計をアナログにかえる
  • スケジュールを書いて渡しておく
  • わかりやすいトイレの標識をつける

自立支援について、もっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。介護における『自立支援』とは?!【研修資料としても使える、基本的な理解と具体的な方法を解説】

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回学んだ内容は、介護の基本部分になります。

この基本がおろそかになっては、いくら良いプログラムやサービスを用意しても、利用者満足度は上がりません。

まずはこの基本の部分を全職員と共有し、土台を作っていきましょう。

それではこれで終わります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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介護士の資格取得/スキルUP/転職について記事を書きています。 作業療法士/介護福祉士/ケアマネージャー資格等の保有