こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。僕の働く会社では処遇改善加算は毎月全額が分配されています。でも分配方法を知っている職員は少ないです。
先日、下記のようなツイートをしました。
給料明細に載っているはずの【介護職員処遇改善給付金】。この"処遇改善加算"は国から事業所に一定額が入り、それを全て介護職員に還元する必要がある。でも分配方法等に規定がない為事業所の采配に任せられている面もある。この分配方法がさまざまで、他と比べてもらってる額が低いのはこのせいかも
— とも@介護士ブログを運営 (@tomoaki_0324) November 24, 2022
給料明細に載っているはずの【介護職員処遇改善給付金】。
この"処遇改善加算"は国から事業所に一定額が入り、それを全て介護職員に還元する必要がある。
でも分配方法等に規定がない為事業所の采配に任せられている面もある。
この分配方法がさまざまで、他と比べてもらってる額が低いのはこのせいかも。
この記事では、処遇改善加算の分配方法について、わかりやすく、そして詳しく説明していきます。
他の会社と比べて給与が少ないのは分配方法が問題?【介護職員処遇改善加算の分配方法について】
筆者
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職やリーダー・管理職にとって必要な情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
分配方法しだいで、他の会社の介護職と年収20万~30万円近く変わる可能性があります。そのからくりをこの記事では解説していきます。
そしてあなたがもし管理職やリーダーなら、「介護職処遇改善加算はどのように分配されているか?」を必ず確認しておくべきです。なぜなら他の職員から聞かれた際、答える義務があるからです。
この記事を読む価値
- 処遇改善加算とはどういうものかがわかります。
- 処遇改善加算の分配方法がわかります。
- これらを知った上で、あなたが今後、どのように行動すればよいかがわかります。
早速、見ていきましょう。
介護職員処遇改善加算とは
※国保連についてはこちらを参考にしてください。引用:国保ガイド
処遇改善加算という仕組みが設けられた背景には、介護職の収入が他の業種と比較して低いことや離職率が高いこと、これらが原因となって人材不足な状況が続いている状況があります。
高齢化が進んでいく日本において介護人材の不足は大きな問題となります。
賃金を改善することで雇用を安定させる、という意味を込めて処遇改善手当が導入されました。
国は、処遇改善加算の「支給方法」や、「いつ、いくら、誰に」支給するのか、ということを、事業所の判断に任せています。
そう、配分方法は経営者に一任されています。
介護職員に均等に払う必要はありません。
極端な例で言うと、介護職員20人がいて処遇改善加算が50万円事業所に入ってきた場合、その50万円を一人の職員に払うことも可能です。
確かに処遇改善計画書に職員一人あたり、いくらになるか記載する必要はあります。
でも全員に払わないといけないわけではないんです。
ルールは「事業所に入ってきた処遇改善加算の額全てを介護職員に還元すること」だけです。
その為、「自分は支給されているのか」、「対象になっているのかわからない」という人もいると思います。
支給方法
基本的に、介護職員への支給方法は給与・賞与・一時金の3つです。
以下、具体的に解説していきます。
給与
厚生労働省は、基本給に上乗せすることが最も好ましいと考えています。
給料として分配する方法はいろいろあります。ですが介護職員の能力査定を行って、貢献度の高い職員に多く払うという制度を導入するのがベターです。
あなたが知っておく必要があることは、以下の2点。
この2点を調べておきましょう。何を意識して業務に取り組むべきかがわかります。
賞与
年に1〜3回支給されるボーナスに処遇改善加算の全てを上乗せして支給します。
処遇改善加算は事業所に毎月入ってきますが、それを一旦プールし賞与として支給するという方法です。
ただし分配方法は事業者に委ねられているため、介護スタッフ一律で同額支給の場合もあれば、勤務年数や資格等により介護職員ごとに増減されることもあります。
もしあなたの働く会社が、毎月処遇改善加算は支給されず、賞与で全額支給されるような会社であれば、そうでない会社に比べて年収40万円~50万円ほど変わる可能性があります。
ここは必ず調べておいた方が良いかと思います。
ちなみに僕の働く会社では、処遇改善加算を賞与に充てることはしていません。
賞与は、会社の人件費として支給されています。
「自分の給料は他の介護職と比較してどうなのか」と思われた人は、こちらの記事を読んでみてください。【介護士の給与事情を徹底解明】自分の年収は平均より低いのか?!今後はあがっていく可能性はある?!
一時金
介護保険の加算は、増減や新設及び廃止といったことが度々起こります。
事業者はその都度対応しなければならず、場合によっては運営の危機に瀕する場合もあります。
それらを考え、毎月の基本給に上乗せするよりも、処遇改善加算の収入に応じて介護職員へ支給した方が調整しやすくなります。
よって数カ月ごとに1回、「処遇改善手当」や「その他手当」、「一時金」という賃金名目にして支給するという方法もあります。
手当だと賞与に反映されないことが多いです。
その点も調べておく必要がありますね。
法定福利費(社会保険料)
このうち、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は事業者と被雇用者の折半、労働災害保険料と児童手当拠出金は事業者の全額負担、雇用保険料は介護分野(一般)では、給与の0.9%が事業者負担で被雇用者負担は0.6%になります。
処遇改善加算の支給金額をそのまま全額、社会保険料にあてることはできませんが、処遇改善加算による増加分のうち、事業者が負担した部分は、支給額としてにあてることができます。
僕の働く会社では、処遇改善加算を法定福利費にあてていません。
会社によって様々です。あなたの働いている会社はいかがでしょうか。
処遇改善加算の対象
これは「ほぼ全ての介護職員」ということになります。
管理者、ケアマネジャー、セラピスト、看護師、事務員などは対象外ですが、業務で介護を兼務している場合は対象となります。
処遇改善加算の対象に、雇用形態や資格の有り無しは関係ありません。
よって、パート職員や契約社員、派遣社員でも加算の対象になります。
しかし経営者の考えで、支給額や被支給者が決定されますので、対象に当てはまっていても支給されない場合があります。
必ず確認しておきましょう。
加算取得条件
3つのキャリアパス要件と職場環境等要件は以下の通りです。
キャリアパス要件①:職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
キャリアパス要件②:資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
キャリアパス要件③:経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を 判定する仕組みを設けること
職場環境等要件:賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施すること。例としてキャリアアップ支援や働きがいの醸成などがある
これらは会社側が準備しておくものになります。
詳しく知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。
令和3年3月16日 厚生労働省老健局老人保健課
おわりに
今までよく分かっていなかったという人は、これを機に理解を深め、自分は支給対象なのか、対象だとしたら、どのような形で、いくら支給されているのかを確かめてみましょう。
そして他の職員にも説明できるようにしておきましょう。
介護職員への給料アップの取り組みは、処遇改善加算のほかに、「特定処遇改善加算」と「ベースアップ等支援加算」があります。
これらについても他の記事で説明していますので、もしよかったら読んでみてください。
「特定処遇改善加算」についての記事はこちら⇩
「ベースアップ等支援加算」についての記事はこちら⇩
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。