筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
次のグラフをご覧ください。
画像引用:京丹後市HP
高齢者で介護が必要になった方の主な原因の10%が、「骨折・転倒」となっています。
高齢者の転倒は、ただ転ぶだけではなく骨折につながるケースが非常に多く、程度によっては数ヶ月も安静を強いられる場合もあります。
そうなると、どんどん筋力や体力が衰えていき、そこから他の病気を併発する場合もあります。
また一度転倒すると、その恐怖心から家に閉じこもりがちになり、活動量が低下し、どんどん身体が衰えていきます。
よって高齢者は皆、転倒予防の知識は大事で、介護職員は転倒予防の発信をしていく必要があります。
ぜひ、この研修記事を活用してください。
この記事を読む価値
- この記事のまま進めることで、研修にできます。
- そのまま利用者さんに伝えても、転倒予防の啓発になります。
- 運動内容は動画があるのでわかりやすいです。
それでは早速、見ていきましょう。
第1位は自宅での転倒
画像引用:内閣府「平成19年度 高齢者の健康に関する意識調査」
まずは、どのような場所が転倒しやすいのかを知っておきましょう。
高齢者の転倒事故の約50%は、自宅で起きています。
自宅の中でも、特に次のような場所での転倒事故が多いです。
浴室・脱衣所
浴室の床は石けんやシャンプーの泡などで滑りやすく、一度滑ると高齢者の方は足腰の筋力が衰えているため、転倒しやすくなります。
また浴槽をまたぐ動作も年齢とともに難しくなり、ふらつきや転倒の原因となります。
バスボードや滑り止めマット、浴槽台などの使用をお勧めします。
詳しくは、コチラの記事をご覧ください。
庭・駐車場
庭の作業で脚立を使い、転落して死亡するケースも多いです。
庭や駐車場で作業をするときは無理をせず、必要に応じて家族や友人などに頼りましょう。
また高い箇所には安定した踏み台を使用し、もしとどかなくても無理は禁物です。
ベッド・布団
起床時にベッドから立ち上がる際、足に力が入らずふらつき転倒するケースがあります。
またベッドを使っていない場合は、布団でつまずく可能性もあります。
夜間トイレに行く際も、暗い場所での移動は転倒リスクを高めることとなります。
対策としては、まずはできる限りベッドを使用しましょう。立ち上がる動作も楽になります。
そして、起きた直後は足に力が入らないこともあるため、足の運動を軽くしてから立ち上がったり、 「足元灯」を設置して足元を見えやすくするなどの工夫をしましょう。
日ごろからできる転倒予防
転倒予防には2つのポイントがあります。
それは、
です。
それぞれ具体的にみていきます。
① 環境設定
まずは、すぐにできることから始めます。
- 電気コードはまとめる、床に散乱させない
- つまずきやすい箇所に、家具をおく(家具は動かないように固定する)
- 床や階段に物は置かない
そして、もし可能なら次のような商品の導入も検討しましょう。
- 段差、階段、ベッドのそばに手すりを設置する
- 滑りやすい箇所に、滑り止めシートを敷く
- 明るい照明に変える
- 小さな段差を減らす(段差予防のシートを活用)
- 靴、スリッパ、靴下を転倒の危険性がないものに変える
② 適度な運動
転倒予防には、日々の適度な運動が大事です。
若者がしているような、筋肉を太くする筋トレなどは必要ありません。
ちょっとした体操からでも効果はあります。
まずは、座ってできる簡単な体操から始めましょう。
どのような運動をすればよいか知りたい方は、コチラの動画を参考にしてみてください。
そして、転倒予防には足の筋力の向上とバランス能力の向上が大切です。
でも負荷の強いスクワットなどは、高齢者(特に膝の悪い方)には難しいかもしれません。
そこでおすすめなのが【ウォーキング】です。
ウォーキングは足の筋力の改善以外にも、高血圧の改善、心肺機能の強化、腰痛の改善など、様々な効果が期待されます。
まずは10分程度から初めてみてはいかがでしょうか。
詳しくはコチラをご参照ください。
おわりに
いかがだったでしょうか。
転倒予防を心がけていても、100%転倒を防げるわけではありません。
ふとしたことでバランスを崩し、転倒してしまうのが高齢者です。
もし介護施設を利用中に、利用者さんが転倒してしまった場合はどうすればいよいか、事前に対策等の準備をしておくことも重要です。
まだそのような準備ができていない施設の方は、こちらの記事も是非参考にしてみてください。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この研修資料が、御社の運営にお役立ていただければ幸いです。
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