筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
介護福祉士国家試験の受験を控えている方々にとって、合格基準や出題基準を事前に理解しておくことは、効率的な試験対策を行うために非常に役立ちます。
本記事では、第37回介護福祉士国家試験における合格基準や出題基準について、わかりやすく解説します。
これから試験勉強に臨む方が、勉強方針を間違わないよう安心して準備できるような情報となっています。
是非、参考にしてみてください。
介護福祉士国家試験の合格基準とは
まずは、介護福祉士国家試験の合格基準についてお伝えします。
合格基準は、大きく2つに分けられます。
- 総得点の60%程度を目安とした基準点
- 11科目群すべてに得点が必要
それぞれの基準について詳しく解説していきます。
① 総得点の60%程度を目安とした基準点
介護福祉士国家試験では、全体で125問が出題されます。
試験の満点は125点で、合格基準としては通常、60%の得点を超えることが求められます。
この60%に相当する得点は75点ですが、ここで注意が必要なのは、試験の難易度に応じて補正が行われるという点です。
たとえば、ある年の試験が非常に難しく、多くの受験者が良い結果を出せなかった場合、合格点は通常よりも低く調整されることがあります。
逆に、試験が簡単だった場合には合格点が高くなることもあるため、毎年同じ点数で合格基準が決まるわけではないということです。
試験問題の難易度に応じて補正されることにより、受験者全体の難易度に差が生じても不公平が生じないようになっています。
過去5年間の試験結果を見てみると、合格基準となる得点はおおよそ75点前後で推移しており、特に前回の試験では合格点が若干低くなったことがありました。
この理由は試験が難化したことによるものです。
第37回介護福祉士国家試験についても、前回の結果をもとに試験内容が調整されるため、合格点は75点前後に戻る可能性が高いと予想されています。
例年の合格率を確認したい方は、コチラの記事をご確認ください。
② 11科目群すべてに得点が必要
介護福祉士国家試験は13科目から構成されていますが、そのうち11科目群すべてで得点を取ることが求められます。
【介護福祉士国家試験の13科目】
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 総合問題
【全てで得点をとるべき11科目群】
- 人間の尊厳と自立(2問)、介護の基本(10問)
- 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術(4問)
- 社会の理解(12問)
- 生活支援技術(26問)
- 介護過程(8問)
- こころとからだのしくみ(12問)
- 発達と老化の理解(8問)
- 認知症の理解(10問)
- 障害の理解(問10)
- 医療的ケア(5問)
- 総合問題(12問)
例えば、ある科目群で0点(全問不正解)だった場合、その科目群の得点がないと不合格となってしまいます。
これを「足切り」と呼びます。
多くの受験者が勘違いしてしまう点ですが、13科目すべてで得点が必要なわけではなく、11科目群という単位で見ていきます。
この11科目群に関して、各科目群の最低1問以上の正解が求められます。
たとえば、ある科目群は2問しか出題されない場合がありますが、その2問のうちどちらか1問でも正解すればOKです。
これを誤解して「すべての科目で得点しなければならない」と思い込み、過度なプレッシャーを感じてしまうことがありますが、実際には11科目群すべてで少なくとも1問以上の得点があれば合格することができます。
この部分をしっかり理解しておけば、試験に対する不安を減らし、焦らずに勉強に取り組むことができるでしょう。
出題基準について
介護福祉士国家試験の出題範囲は、試験を実施する社会福祉振興・試験センターから事前に公開されており、公式ウェブサイトからPDF形式でダウンロードすることができます。
出題基準は非常に具体的で、どのような内容が試験に出るかについて詳細に記載されています。
これを事前に確認することで、何を重点的に学ぶべきか、どの範囲が出題されやすいのかを把握することができます。
出題基準には、介護福祉士に必要な基礎知識や技術がまとめられており、試験勉強をすすめる上で必要な要素を確認することができます。
たとえば、「ノーマリゼーション」や「ラポールの形成」、「自己開示」など、介護福祉士として重要な概念や技法が明記されており、これらの項目についてしっかりと勉強しておきます。
そしてこれに合わせて、過去問や参考書を使った学習を進めることで、無駄なく効率的に知識を身につけることができます。
実務者研修のテキストを活用する方も多いですが、出題基準を踏まえた上で勉強していくことをお勧めします。
試験に向けて効率よく準備を進めたい方は、ぜひ公式ウェブサイトから出題基準をダウンロードして確認しましょう。
逆に、受験生が陥りがちな「やってはいけない勉強法」について知りたい方は、コチラの記事を参考にしてください。
新しい試験制度「パート合格制度」の導入予定
今後、介護福祉士国家試験には新しい制度が導入される予定です。
それが「パート合格制度」です。
この制度では、試験に不合格となった場合でも、合格した科目群については次回試験で免除されるというものです。
このパート合格制度は、2025年1月の試験には適用されず、2026年1月の試験から実施される予定です。
もし、第37回介護福祉士試験で不合格になった場合でも、次回試験において合格した科目群については再度受験する必要がなくなります。
これにより、受験者は不合格となった部分に集中的に勉強を行い、次回試験に備えることができるようになります。
現在のところ、2025年の試験ではこの制度が適用されない可能性が高いですが、今後の試験の進展についても注目していきたいところです。
試験準備の進め方と直前対策のポイント
試験対策を効果的に進めるには、早期に準備を始めることが重要です。
過去の合格者によると、勉強開始時期は約7ヶ月前が最適とされています。
ですが、今からでも遅くはありません。
出題基準をしっかり押さえ、過去問や参考書を活用することで、無駄なく効率的に学習を進められます。
試験直前期には復習と弱点補強に重点を置き、これまで学んだ内容を整理し、重要ポイントを再確認しましょう。
試験前日には、会場や交通手段の確認を済ませ、試験当日に慌てないよう準備を整えることが大切です。
試験日の持ち物や注意点の確認については、コチラの記事を参考にしてください。
当日は冷静にペースを守り、全体を見渡しながら難問を後回しにするなど、戦略的に解答することで合格への可能性が高まります。焦らず落ち着いて挑みましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
介護福祉士国家試験は、出題基準や合格基準を理解し、計画的に学習を進めれば合格可能な試験です。
できれば全体の70~80%程度の得点を目指し、11科目群をバランスよく学ぶことが重要です。
無理な詰め込みは避け、休息を取りながら効率的に知識を定着させましょう。
それではこれで終わります。
皆様の合格を祈っております!
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