筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
雨天時の送迎は、普段以上に細心の注意が必要です。
デイサービスやデイケアの送迎においては、移動に不安を抱える方々が利用するため、事故防止と快適な移動が重要です。
この記事では、雨天時の送迎におけるリスク、具体的な対策、運転のポイント、そして利用者が濡れない工夫を解説します。
この記事を読む価値
- そのままマニュアルとして施設に保管できるような内容です。
- 研修資料としても役立てられます。
- 難しい表現は省いているので、誰でも理解できる内容です。
早速、見ていきましょう。
雨天時の送迎で気を付けるべきリスク
雨の日は視界が悪く、また地面が滑りやすいので、いつもより慎重に運転する必要があります。
また、利用者さんの車への昇降時は転倒のリスクが高まります。
そして、雨で衣類が濡れると、不快感や風邪など体調不良を引き起こす原因にもなります。
雨天時の送迎では、運転に気をつけて、雨に濡らさないように、そして転倒しないように十分に配慮し、安全・安心な送迎を心がけることが大切です。
【雨天時の送迎の3ポイント】
① 難解な運転操作
- 路面が濡れて滑りやす路面(急ブレーキは絶対にしない)
- 視界不良
- 水しぶき等によるフロントガラスの見にくさ
② 利用者さんの衣類が濡れない配慮
③ 乗降車時の転倒に注意
雨天時の送迎における解決策
雨天時のリスクを少しでも軽減するために、次の3つの準備を準備・確認しておきましょう。
1. 安全な停車場所の確保
水たまりのない安定した場所で停車場所を確認しておきましょう。
また、ご自宅付近に停車する際は、マンホールやグレーチング(金属製の溝蓋)は滑りやすいため、停車位置を調整して避けることが望ましいです。
事前にその様な場所を把握しておきくことで、安全な乗降車をすることができます。
2. 予防措置としての雨具の活用
車いすの利用者さんには、防水性のあるレインポンチョやビニール製の膝掛けを提供し、雨で濡れないよう配慮しましょう。
また、大型の傘やバスタオルを用意し、車への乗降時に利用者さんが濡れないように工夫することも有効です。
3. タイヤの状態確認
タイヤの溝が1.6mm未満になると、スリップしやすくなる「スリップサイン」が現れます。
これは道路交通法に違反するため、溝が少なくなっているタイヤは早急に交換が必要です。
スリップサインとは、画像の赤丸の部分です。
画像引用サイト:タイヤ良販本舗
左が新しいタイヤで、右が古いタイヤです。
タイヤが摩耗し、溝の深さが1.6mmになってしまうと、スリップサインはタイヤの表面(トレッド面)と同じ高さになります。
また、タイヤの空気圧が低いと接地面積が広がり、スリップのリスクが高まります。
定期的に空気圧のチェックを行い、適正な状態を維持しましょう。
雨天時の安全運転のポイント
雨天時には、慎重な運転が求められます。
次の3つのポイントに留意することで、安全な運転が可能になります。
1. スピードを抑え、車間距離を確保
雨で路面が滑りやすくなっているため、通常よりスピードを抑え、車間距離を十分とります。急ブレーキは避け、徐々に速度を調整するよう心がけましょう。
2. 他車の水しぶきに注意
他の車両が水しぶきを巻き上げることがあるため、視界が悪くなる場合があります。
車間距離を広めに取ると同時に、水しぶきによって視界が遮られる可能性を想定して、対向車両や歩行者に注意を払いましょう。
3. 車内のガラスの曇り対策
雨天時には車内が曇りやすいため、エアコンやデフロスターを活用して視界を確保しましょう。
窓ガラスが汚れていると曇りやすいため、普段から定期的にガラスの清掃を行うと、雨天時の視界不良が軽減されます。
雨天時の送迎ルートの見直し
雨天時は普段のルートが使えない場合もあります。
路面の水たまりや見通しの悪い場所を把握し、必要に応じて送迎ルートの見直しを行いましょう。
1. 危険箇所の把握
雨の日は地面がぬかるみやすい場所や水没しやすい場所があるため、事前に確認し、危険箇所を避けるようにします。
また、視界が悪くなるカーブミラーや渋滞しやすい場所についてもリストアップし、必要に応じて迂回ルートを選択しましょう。
2. 迂回ルートの確認
普段とは異なるルートを使用する場合、どのくらい時間がかかるかを把握しておくことも重要です。
利用者さんの安全を確保しながら、予定の時間内での送迎ができるようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
雨天時の送迎はリスクが伴なう為、適切な対策を講じる必要があります。
路面状況や視界の確保、停車場所の選定といった運転面での工夫や、利用者さんが濡れないように雨具を準備するなどの配慮が、安心できる送迎に繋がります。
スタッフ一同、利用者さんの安全と快適を第一に考えた送迎を心がけ、雨の日でも安心して利用していただけるサービスを提供していきましょう。
それではこれで終わります。
この研修記事が御社の運営に少しでもいかしていただければ幸いです。
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