介護職員初任者研修の内容を解説【費用、テスト内容、取得に要する時間、道のり、資格取得後の未来まで】
筆者
記事を書いている僕は、介護現場で10年ほど働いています。介護福祉士と作業療法士を取得し、現在は4事業所の統括をしています。スタッフの資格所得をサポートするため資格取得について調べていて、それを記事にしています。
この記事を読む価値
- 初任者研修の科目内容がわかります。
- 資格取得までの道のりがわかります。
- 資格取得した後の未来がイメージできます。
それではさっそく見ていきましょう。
初任者研修取得までの時間
どのスクールでもカリキュラムが130時間と決められています。
そして、通信による学習時間は1/3の40.5時間までと決められています。
多くのスクールが通信+通学で受講できるようになっていますが、この決まりは守らなければいけません。
通信の場合はレポート提出が必要です。
教室によってまちまちですが、3~5回の提出と添削を受けます。
スクールによって学習コースがさまざまです。
- 土日コース
- 短期間コース(1か月程度)
- 夜間コース
- 平日コース
また同じスクールで教室のある地域によって、コースが変わります。
受講しようと決めた教室には、あなたの望むコースがあるのか確認する必要があります。
初任者研修の科目内容
介護職員初任者研修で学ぶ科目は、次のとおりです。
研修科目 | 時間 |
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障害の理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
全て通学で受講することも可能ですが、通信を選べれる方が多い印象です。
通信(自宅学習)では、テキストで学び、レポートを提出し、添削を受けます。
【職務の理解】
介護職のあるべき姿、介護職の職務内容、介護保険等の社会福祉制度ついて学習します。
【介護における尊厳の保持・自立支援】
介護にあたって大切にすべき、人の尊厳や権利、介護サービス利用者の能力に応じた自立支援など、基本的な理念を学びます。
【介護の基本】
介護職としての専門用語やリハビリ・事故・感染などのリスクマネジメント・など、実際の仕事で押さえておくべき基本を学びます。
【介護・福祉サービスの理解と医療との連携 】
「介護保険制度」や「障害者総合支援制度」など、最低限必要な制度の知識を学びます。
また医療との連携、リハビリステーションに関しても学んでいきます。
【介護におけるコミュニケーション技術】
介護サービス利用者やその家族との信頼関係を築くコミュニケーションスキルを学びます。
また職員同士のコミュニケーションや、情報共有の重要性とそのポイントなども学びます。
【老化の理解】
老化による心身の変化、病気の症状や訴え、そしてこれらに伴う日常生活への影響などについて学びます。
【認知症の理解】
認知症とはどのようなものなのか、認知症ケアの理念、基本的な関わり方、介護者の役割を学びます。
【障害の理解】
障害の概念、医学的分類、ノーマライゼーションなど専門的な分野を学びます。
介護職としてどのようなアプローチが適切なのかを考えていきます。
【こころとからだのしくみと生活支援技術】
この科目は非常に長時間の講義です。
「車いすの介助」「入浴介助」「着脱介助」「体位変換」などの実技演習を行、基本的な介護技術を身につけます。
【振り返り】
研修全体を振り返ります。
質疑応答の時間もあります。
そして介護職として働くにあたって重要なポイントの説明などもあります。
初任者研修の修了試験
試験に合格すれば、修了証明書が発行されます。
これは、一生涯、全国で通用する資格です。
試験内容は、スクールが用意した問題となっているため、受講スクールによっては出題内容で異なる場合があります。
ただし、原則は問題数が最低32題、各科目から1題以上の出題と決められているので、試験実施先による試験難易度の違いは無いものと考えてよいでしょう。
筆記試験について(補足):
出題内容や合格基準は各スクール毎に異なります。
共通して難易度は高くありません。
まじめに受講していれば合格できる内容なので安心してください。
もし不合格となった場合も、大抵のスクールは再試験を開催しています。
不安であれば事前に確認しておくのも良いかもしれません。
受講費用
有名なスクールの費用は下記のとおりです。
- ニチイ 8万円程度
- 未来ケアカレッジ 3~5万円
- カイゴジョブアカデミー 3~5万円
- 参考福祉カレッジ 8万円程度
- ベネッセ 5~6万円
費用を考えるうえで、読んでいた方がお得となる記事を2つ載せておきます。
興味があれば是非読んでみてください。
初任者研修を考える人には、まずハローワークへ行くように必ず伝えています。
その理由はこちらです。【初任者研修・実務者研修の取得】費用を無料にできるかも!まずハローワークに行くべき3つの理由。
スクールには割引制度などもあります。
費用と割引制度を解説しているブログはこちらです。介護職員初任者研修の取得期間・費用・割引制度・コースなど【スクール別5社を徹底比較】
初任者研修取得後の未来
初任者研修を取得するとこんな未来があります。
- 「無資格者」と比べて月収がアップ
- 訪問介護事業所でホームヘルパーとして働くことができる
- 「実務者研修」の科目が130時間免除になる
詳しく説明していきます。
1、「無資格者」と比べて月収がアップ
2020年の厚労省の調査では、同じ介護の仕事をするのでも、無資格者と初任者研修取得者で比較すると、初任者研修取得者の方が月収2万5千円~3万円程高くなります。
また国からもらえる処遇改善加算も、無資格者よりも初任者研修取得者の方が多くもらえる事業所も多いです。
そうなるとさらに給料はアップします。
参考:厚生労働省HP
2、訪問介護事業所でホームヘルパーとして働くことができる
介護施設では、無資格でも身体介護を行うことができますが、訪問介護事業所でホームヘルパーとして働く場合には初任者研修以上の資格が必要です。
資格を取得することで、サービス付き高齢者住宅内で設置されている訪問介護事業などでも働くことができます。
3、「実務者研修」の科目が130時間免除になる
初任者研修の上位資格に「実務者研修」があります。
実務者研修を取得するのは450時間のカリキュラム+医療的ケアの演習を修了する必要があます。
でも初任者研修を取得していると、450時間のうち130時間分が免除となり、320時間+医療的ケアとなります。
国家資格である「介護福祉士」を目指す場合、受験資格として実務者研修の取得は必須です。
介護の仕事を続けるなら、初任者研修→実務者研修→介護福祉士とキャリアアップを図ってみてはいかがでしょうか。
おわりに
もちろん無資格のまま介護の仕事を続けることもできます。
でも初任者研修を取得することで、介護士としてのスキルも上がるし、給料も上がり、仕事に対するモチベーションも上がります。
介護の仕事を続けていこうと思うなら、是非、初任者研修の取得を検討してみてください。
この記事が、あなたの資格取得への後押しになればうれしいです。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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