転職したけど、新人教育が不十分ではないかと悩んでいる介護職。
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。新人教育が不十分な職場は、離職率が高いイメージです。
新人教育が不十分ということは、他にも大事なことが欠乏している可能性がります。
【介護職】新人教育のプログラムが不十分…。そんな課題だらけの職場は転職すべきか?!
筆者
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。介護にかかわる情報や介護職に役立つ情報をブログを使って発信しています。
読者さんへの前おきメッセージ
介護業界は10年ほど前までは「見て学べ」が普通でした。
でも最近ではロジカルな教育システムの構築を求められるようになってきています。なぜなら質の高い介護サービスを提供するためには、しっかり教育を受けた職員が必要であることが背景にあります。
また、介護に必要な知識や技術は日々進歩しているため、現場での「見て学べ」だけでは追いつけない状況になってきています。
でも中小企業の介護事業所や施設ではまだまだ不十分なところも多いです。では、あなたが転職した施設が教育に対して不十分ならどうすればよいか、そもそも介護業種にはどんな教育プログラムがあるのか、本記事で具体的に説明していきます。
この記事を読む価値
- 介護業種の新人教育とはどういったものかがわかります。
- 新人教育が不十分な施設の原因がわかります。
- 新人教育が不十分だと感じた時、あなたはどうすればよいかがわかります。
早速、見ていきましょう。
そもそも介護業種の新人教育とは、どんなもの?
入社前研修⇒オリエンテーション⇒基礎的な研修⇒現場研修⇒一定期間のフォローバック
それぞれの項目を簡単に説明していきます。
入社前研修
入社前に行われる教育プログラムで、介護の基礎知識や介護職としてのマナー、施設の理念・方針などを学びます。
また、介護業界の現状や課題についても学習することがあります。
オリエンテーション
入社後、まずは職場に慣れるためのオリエンテーションが行われます。
職場のルールや規則、職務内容などを説明し、新人がスムーズに職場に溶け込めるようにサポートします。
基礎的な研修
身体介護、口腔ケア、移乗介助、食事介助、排泄介助など、介護職に必要な基礎的な技術や知識を学ぶ研修が行われます。
また、法令やルールについての研修もあります。
そして感染症予防研修や高齢者虐待研修、プライバシーの保護研修などは入社時に絶対に行う必要があります。
現場研修
実際の介護現場でのトレーニングを行います。
指導者による実地指導やロープレ、シミュレーションなどが行われます。
この段階では、職場の雰囲気や実際の介護現場でのやり取りなど、実践的なスキルを身につけることができます。
一定期間のフォローアップ
新人が実際に現場で仕事を始めた後も、一定期間は指導者がフォローアップを行います。
指導者との面談や職場でのフォローアップ研修、質問や相談に応じることで、新人が安心して仕事に取り組むことができるようにサポートします。
これらのプロセスに加えて、研修制度やキャリアアップ支援制度が整備されている企業や施設もあります。
また、介護業界では、資格取得支援や研修制度など、キャリアアップのための制度が整備されていることが多いです。
介護業界は新人教育をしっかりしているところが多い
普通は介護業務に必要な知識や技術を身につけるために、入職後には数日から数週間の研修が行われます。
研修だけでなく研修後も、上司や先輩職員からのOJT(On the Job Training:職場での実地研修)が行われることが一般的です。
OJTでは、現場での実際の業務や問題解決方法、コミュニケーション方法などが指導されます。
僕の働く施設では3日間の研修と、その後1か月のOJTがあります。
さらに、介護業界では、スキルアップのための研修制度も整備されています。
施設内研修が定期的に開催されたり、セミナーなどの施設外研修へ派遣される職場もあります。
そして資格支援制度も整っている施設では、職場の援助を受けながらキャリアアップを図ることができます。
ただし、介護業界でも、人手不足や高齢者人口の増加に伴い、新人教育における課題が多く教育システムが不十分な職場もあります。
特に中小企業の介護施設では、そんな施設が多いです。
具体的には、研修期間が短いために、実践的なスキルを身につけることができない場合や、OJTが十分に行われていない場合があるといった点です。
また、職員の労働環境の改善も課題となっており、長時間労働や過剰な負荷が問題となっています。
したがって、職場によって新人教育の力の入れ具合が異なるので、気になる方は入社前の面接時に新人教育の方法について伺っておくのも一つの手です。
新人教育が不十分な職場はすぐに退職すべきか
新人教育が不十分な職場では、その後の業務やサービスに支障が出る可能性があります。
例えば「あの職員さんはここまでしてくれるのに、あなたはしてくれないのね」といったクレームにもつながります。
そのため、新人教育が十分に行われていない職場で働くことは、ストレスや負担が増えます。
だからといってすぐに退職するかどうかは、各々の判断によると思います。
退職を考える前に、自分がどのような状況にあるのか、今後どのような働き方をしたいのか、自分にとっての働きやすさややりがいとは、等を考慮してみましょう。
もし、新人教育が不十分な職場で働き続けることにストレスを感じている場合は、改善の提案をすることも検討してみましょう。
例えば、「色々な人が教えてはくれますが、言っていることが異なるため混乱します。指導担当者をつけていただくことは難しいでしょうか?」といった感じで、新人教育の改善案を上司や人事部に提案することで、職場の環境が改善されることもあります。
しかし、改善案を提案しても職場の改善が見込めない場合や、自分に合わないと感じた場合は、退職を検討することも一つの選択肢となります。
ただし、次の転職先でも同じような環境である可能性があるため、転職先を選ぶ際には十分な情報収集を行い、あなたにとって働きやすい職場を選ぶことが大切です。
もし転職を選択しようと考えた場合「転職回数が多くなりキャリアに傷がつくのでは?」と思うかもしれません。
転職回数が多いと採用は不利になるかどうか、別のブログ記事でまとめているので、良ければこちらもご覧ください。【介護職】転職回数の多い場合は採用に不利になるのか?【結論:どのような施設を選ぶかによります】
新人教育が不十分な職場になる原因
1、時間的・人的な制約
介護現場は、常に忙しく、スタッフの人手不足が問題となっています。そのため、新人教育に費やす時間や、教育を担当するスタッフの確保が難しい場合があります。
2、教育プログラムの欠如
そもそも新人教育に必要なプログラムやカリキュラムが整備されていない場合もあります。また、教育担当者が十分な教育経験や知識を持っていない場合もあります。
3、組織文化の問題
新人教育が不十分な職場には、組織文化の問題がある場合もあります。例えば、トップダウンの命令系統が強く、教育に対する意識が低い、あるいは、新人教育が重要だという認識はあるが実際の業務においては教育が優先されない、といった問題がある場合があります。
4、経済的な問題
新人教育には多くのコストがかかります。そのため、費用対効果が悪いと判断され、新人教育が犠牲にされる場合もあります。
原因を解決しない限り新人教育は不十分なままです。
でも「時間や人手がない」だから「新人教育が不十分」を繰り返している限り、原因が解決されることはないと思います。
「見て学べ」といった介護施設は今後どうなる?
具体的には、以下のような問題点が指摘できます。
1、新入職員の能力によって左右される
「見て学べ」の教育方法では、新入職員の能力によって身につけるスピードが変わります。場合によっては、なかなかスキル等が身に付かず「もう○○か月働いているのに覚えられない」など本人の自信喪失、モチベーションの低下につながります。
2、質の安定した教育が困難である
「見て学べ」の教育方法では、指導する職員の技術力や指導経験によって、内容や質にばらつきが出ることがあります。また、業務に追われる中で、指導を急いで行う場合があるため、教育内容が不十分な場合があることも問題となります。
3、業務の優先順位などが、新入職員の解釈に依存する
「見て学べ」の教育方法では、業務の優先順位などが、新入職員の解釈に依存してしまいます。よってそれが後々、職員間での不満の種になり、いじめや派閥につながりかねません。
以上のような問題点から、今後の介護現場では、より効果的な教育方法が求められることになります。
具体的には、オンライン教育やシミュレーション教育、専門的な研修プログラムなど、多様な教育手法です。
いろいろな教育方法の中でも、僕のオススメは″チューター制″です。
このシステムによって、職員の効率的な育成や、高品質な介護サービスの提供が期待されます。
よく介護現場で見られる″チューター制″について
チューター制とは、新入生や新入社員などの未経験者を対象に、経験豊富な上級者がマニュアルに沿って個別に指導を行う制度のことを指します。
指導者を″チューター″と呼び、チューターは新入生や新入職員との相性なども考慮して選ばれます。
チューター制のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
1、新人職員のスキルアップにつながる
チューター制度は、新人職員が業務に必要なスキルや知識を効果的に習得するために役立ちます。先輩職員が丁寧に指導を行うことで、新人職員はより効率的に学ぶことができ、早期にスキルアップすることができます。
2、仕事に対する不安を減らす
新人職員は、仕事に対する不安や緊張感を抱えることが多いものです。しかし、チューター制度により、先輩職員からのサポートを受けることで、新人職員は仕事に対する不安を減らすことができます。
3、コミュニケーション能力の向上につながる
チューター制度は、新人職員と先輩職員のコミュニケーションを促すことができます。先輩職員がフィードバックやアドバイスを行うことで、新人職員はコミュニケーション能力を向上させることができます。
4、新人職員の定着率が向上する
チューター制度は、新人職員の定着率を向上させることができます。新人職員が業務について理解し、スキルアップしていくことで、職場に馴染みやすく、定着しやすくなるためです。
ただし、チューター制のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
1、チューターの能力に依存しやすい
チューターの能力や意欲によって、指導の内容や質が大きく変わるため、チューターの指導力に依存しやすいです。
2、コストがかかる
チューター制は、個別指導であるため、コスト(人件費)がかかります。また、チューターに報酬を支払うシステムである場合は、更に人件費が増加する可能性があります。
3、グループ学習の場合には不向き
チューター制は、基本的に個別指導です。そのため、グループ学習には向いておらず、チームワークや協調性を養うことができない場合があります。
4、時間的な制約がある
チューター制は、個別指導であるため、チューターとの都合が合わないと、指導を受けることができない場合があります。
以上のように、チューター制にはメリットとデメリットがあります。
チューター制はデメリットもありますが、適切に導入されることで、効果的な学習支援や教育システムとなることが期待されます。
こんなシステムを導入している職場で働きたいものです。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今までの内容をまとめると以下のようになります。
1、一般的な新人教育システム:入社前研修⇒オリエンテーション⇒基礎的な研修⇒現場研修⇒一定期間のフォローバック
2、一般的には、介護業務に必要な知識や技術を身につけるために、入職後には数日から数週間の研修が行われます。研修だけでなく研修後も、上司や先輩職員からのOJT(On the Job Training:職場での実地研修)が行われます。
3、新人教育が不十分な職場では、その後の業務やサービスに支障が出る可能性があります。そのため、新人教育が十分に行われていない職場で働くことは、ストレスや負担が増えることが予想されます。
4、新人教育が不十分な職場の原因
- 時間的・人的な制約
- 教育プログラムの欠如
- 組織文化の問題
- 経済的な問題
5、「見て学べ」のような従来の新人教育方法が問題視される理由
- 新入職員の能力によって左右される
- 質の安定した教育が困難である
- 業務の優先順位などが、新入職員の解釈に依存する
6、よく介護現場で見られる″チューター制″
メリット:
- 新人職員のスキルアップにつながる
- 仕事に対する不安を減らす
- コミュニケーション能力の向上につながる
- 新人職員の定着率が向上する
デメリット:
- チューターの能力に依存しやすい
- コストがかかる
- グループ学習の場合には不向き
- 時間的な制約がある
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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