筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
送迎中の利用者さんの安全確保は、デイケアやデイサービスにとって最重要事項の一つです。
送迎車両内での体調急変など、予期せぬ事態に適切に対応するためには、準備と迅速な対応が欠かせません。
本記事では、送迎中の利用者さんの体調急変時の対応方法や確認事項について詳しく説明します。
この内容が御社の施設運営に、少しでもお役立てできれば幸いです。
この記事を読む価値
- そのままマニュアルとして施設に保管できるような内容です。
- 研修資料としても役立てられます。
- 難しい表現は省いているので、誰でも理解できる内容です。
早速、見ていきましょう。
送迎前の確認事項
まずは送迎前の確認事項です。
確認事項は次の2つです。
① 利用者さんの体調確認と準備
送迎前には必ず利用者さんの体調をチェックし、問題がないかを確認しましょう。
また、ご家族や利用者さん本人にも協力をお願いし、送迎中の急変リスクやトラブルをできるだけ減らすための準備を行います。
準備は次の4つです。
- 体調の確認:お迎え前に、ご家族や利用者さん本人にその日の体調を確認してもらい、体温や血圧測定などを行っていてもらいます。
- 水分補給:利用者さんに事前に水分補給を促し、脱水症状を防ぎます。
- トイレの利用:送迎中の緊急トイレ休憩を避けるため、乗車前にトイレを済ませてもらいます。
- 持ち物の確認:忘れ物がないか確認し、必要なものをしっかりと携帯していることを確認します。
② 送迎車両の点検
送迎車両は安全であるカ確認します。
点検内容は次の4つです。
- 車両の点検:ブレーキやタイヤの状態、ライトなどの基本的な車両整備を行います。
- 車内清掃:清潔で快適な車内環境を保つため、送迎前に車内の清掃を行います。
- アルコールチェック:ドライバーの体調や運転の安全を確保するため、アルコールチェックを行います。
- ドライブモニターの設置:車内の様子を確認できるドライブモニターを設置することで、送迎中の利用者さんの状態を確認しやすくします。
送迎中の利用者さんの様子確認
送迎中も定期的に利用者さんの様子を観察します。
ポイントは次の2つです。
① 停車時の利用者確認
信号での停車や他の利用者さんの場降車時に、素早く利用者さんの様子を確認しましょう。
視覚的なチェックや、「お変わりないですか?」声かけを行うことで、異常の早期発見に繋がります。
② ドライブモニターの活用
ドライブモニターを使用することで、後部座席の利用者さんの表情や動きを確認しやすくなります。
利用者さんの状態に変化が見られた場合は、早めに停車し、詳しく確認します。
到着後の確認事項
到着後は、次の2点を覚えておきましょう。
① 車内点検と忘れ物確認
利用者さんが降車した後、必ず車内の点検を行います。
車内に忘れ物がないか、またすべての利用者さんが無事に降車したかを確認します。
② 転倒防止と安全な移動介助
施設到着後は、利用者さんが転倒しないよう、ゆっくりと介助を行い、安全に施設内まで誘導します。
慌てず、一人ずつ丁寧に対応することが大切です。
特に雨の日は大変です。
雨の日の送迎での注意事項等は、コチラの記事を参考にしてください。
送迎中の利用者さんの急変時の対応
送迎中に利用者さんの体調に異変が生じた場合、次の① ⇨ ⑥の手順に従って迅速かつ冷静に対応します。
① 安全な場所への停車
利用者さんの体調不良や急変が見られた際は、まずハザードランプを点灯し、安全な場所に速やかに車を停車させます。
車内の安全を確保し、他の利用者さんに不安が生じないよう配慮します。
② 利用者の状態確認
停車後は、速やかに次の2点を確認します。
- 意識の有無:利用者さんの名前を呼び、意識があるかを確認します。
- 呼吸と脈拍:呼吸が正常であるか、脈拍があるかを確認し、必要であれば応急処置を行います。
返事がない場合や呼吸が確認できない場合は、「119」番に通報し、救急車の手配を行います。
意識がある場合でも急病が疑われる場合は、医療機関に判断を仰ぎ、状況に応じて対応を続けます。
応急処置等については、コチラの記事を参考にしてください。
③ 事業所への連絡
事業所の管理者に、体調不良者の氏名、症状、「119」番通報の有無を伝え、必要に応じてご家族にの連絡も依頼します。
事業所では必要な情報を確認し、現場にスタッフが応援に向かう体制を整えます。
④ ご家族への連絡
管理者から連絡を受けた職員が、利用者さんのご家族に連絡し、急変があったこと、搬送先が決まり次第再度連絡することなどを伝えます。
また、他の利用者さんが待機している場合には、それぞれの家庭に対し、遅延が発生する旨をお知らせし、誠意を持って謝罪します。
⑤ 救急隊との対応と搬送準備
救急車が到着したら、状況を救急隊員に報告し、利用者さんの持ち物や利用者さんのカルテファイルを持って同乗します。
搬送先が決まったら、再度ご家族に連絡し、搬送の進捗を事業所に報告します。
⑥ 残りの送迎の再開
体調不良者が救急車に搬送された後、車内の安全確認を行い、他の利用者さんが安心して送迎を続けられるように整えます。
その上で、残りの送迎を再開します。
送迎以外の確認事項
送迎中の安全を確保するためには、日頃からの送迎に関わる送迎以外の業務も徹底することが重要です。
送迎以外の壕無は、次の3つです。
① 送迎記録の作成
毎回の送迎について、アルコールチェック、走行距離、時間、送迎者名などを記録に残します。
② 車両の定期清掃と点検
定期的に車内の清掃や車両点検を行い、異常がないかを確認します。
③ 鍵の管理
送迎が終わったら、必ず車の鍵を決められた場所に返却し、鍵の紛失や不正使用を防止します。
おわりに
いかがだったでしょうか。
送迎前には利用者さんの体調確認や車両の点検を行い、送迎中も定期的に様子を観察することで異変を早期に察知できます。
万が一急変が起きた場合には、適切な場所で停車し、事業所や家族への迅速な連絡、救急車の手配といった一連の流れをスムーズに行うことで、利用者さんの安全と安心を守ることができます。
日々の業務を通じて送迎時の安全管理を徹底し、利用者さんが安心して施設を利用できるよう努めましょう。
それではこれで終わります。
この研修記事が御社の運営に少しでもいかしていただければ幸いです。
「他にも、送迎に関する資料がみたい」という方は、コチラの記事も参考にしてください。
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