筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
読者さんへの前おきメッセージ
デイサービスやデイケアの送迎業務は、毎日運転するため、細心の注意を払っても交通事故は発生します。
事故が起きた際は誰しも慌てますが、できる限り冷静かつ適切な対応が必要です。
その為にも事前に知識を入れておき、準備しておく必要があります。
この記事では、事故対応の基本的な手順を解説します。
この記事を読む価値
- そのままマニュアルとして施設に保管できるような内容です。
- 研修資料としても役立てられます。
- 難しい表現は省いているので、誰でも理解できる内容です。
早速、見ていきましょう。
事故発生時の最初の対応
事故発生後、最初にするべき対応は負傷者の確認です。
もし負傷者がいる場合は119番に通報します。
救急隊へは、次の3点を伝えます。
- 「救急です」
- 事故現場の場所(目印となる建物など)
- 負傷者の状況(意識の有無、呼吸、けがの有無)
次に、110番に通報し、交通事故の状況を伝えます。ポイントは次の3つです。
- 「交通事故が発生しました」
- 事故現場の場所(目印となる建物など)
- 事故の内容(「追突事故」「自転車との接触事故」など)
事故直後に避けるべき行動
人にぶつかった場合、運転手の判断で「軽傷」とみなして現場を離れると、「ひき逃げ」と見なされる可能性があります。
どんな軽傷でも、必ず警察に連絡しましょう。
車同士でも、その場で解決しようとせず、必ず警察を呼び処理は保険会社を通しましょう。
後々問題となり、処理が大変になる可能性があります。
どんな場合でも「事故が生じたら施設に連絡をして、上司の指示を仰ぐ」と決めておいても良いかも知れません。
事故後の対応
事故後の対応は、次の9つです。
これらを事務所に貼っておく等して、もし事故が発生した場合、抜けのないようにしましょう。
① 負傷者の救護
事故相手もしくは同乗者に負傷者がいる場合は、すぐに救護を行います。
② 危険防止措置
他の車や人に危険が及ばないよう、車を端に寄せる等、適切な措置をとります。
③ 救急車と警察への連絡
119番と110番に連絡を入れます。
④ 事業所への連絡
管理者またはリーダーに事故発生を伝え、状況を共有します。報告内容には以下を含めます。
- けがの状況(相手・同乗者)
- 車両の状態(自走可能か、レッカーが必要か)
- 送迎引き継ぎの有無
⑤ 相手情報の確認
相手の氏名、住所、電話番号、車種、ナンバーをメモします。
⑥ 連絡先の交換
施設の連絡先を相手に渡します。
⑦ 車の損傷箇所を撮影
事故当事者双方の車両の損傷部分を撮影しておきます。
⑧ 事業所への報告と記録
帰所後、所定の事故報告用紙に記入し、管理者に提出します。
停車中の車、物への接触事故の対応
万が一、停車中の車や壁、その他の物と接触してしまった場合も必ず警察に届け出を行います。
そして次の5項目を抜けることなく実施しましょう。
① 所有者情報の確認
物や壁の所有者の氏名、住所、電話番号を確認し、メモします。停車中の車であれば、車種やナンバーも控えます。
② 連絡先の交換
相手が明確な場合は、施設の連絡先を相手に渡します。
③ 事業所への連絡
管理者またはリーダーに連絡し、状況を伝えます。
④ 損傷箇所の撮影
事故に関わった物や車の損傷部分を写真に撮ります。
⑤ 事故報告書の記入と提出
事業所に戻ったら、事故報告書を記入し、管理者に提出します。
送迎時の準備事項
送迎に事故はつきものです。
送迎前には次の5つのポイントを忘れず、準備しておきましょう。
①余裕を持った出発
送迎中、何が起こるか分からないため、事前に時間に余裕を持って出発します。
②メモとペンの携帯
車内には常にメモとペンを用意し、すぐに記録できるようにしましょう。
③身分証明の携帯
送迎中はネームプレートなどを携帯し、身元が分かるようにします。
④緊急連絡先の確認
施設の連絡先、管理者の連絡先、保険会社の連絡先(名前)など、事故後に必要となる連絡先を確認しておきましょう。
⑤報告の徹底
小さな傷でも必ず報告します。無断で立ち去ると「当て逃げ」と見なされる可能性があるため、相手がいない場合はメモを残したり、近隣の人に伝えます。
事故後のフォローアップ
事故対応が一通り完了した後は、フォローアップが大切です。
特に、事故によって影響を受けた利用者さんやご家族に対して、誠意を持った説明やサポートを行いましょう。
また、利用者さんやご家族の不安を和らげるため、事業所での再発防止策や今後の改善点も伝えます。
事故当事者は精神的にダメージを負っている可能性があります。
メンタル面のケアをすると同時に、事故が起きた原因を改めて振り返り、今後の改善策を検討する必要もあります。
そして事故後は、運転に係わる全てのスタッフの安全意識を高めるとともに、事業所全体で事故防止に努める機会を設けましょう。
送迎業務の安全性向上に向けた取り組み
送迎業務において事故を防ぐため、普段から安全管理を徹底しておきましょう。
その為にはマニュアルの整備、定期的な送迎研修、または応急処置や心肺蘇生法などを取得しておくことが重要です。
それらの記事もありますので、興味のある方は是非ご覧下さい。
【送迎マニュアルの記事】
【送迎研修の資料となる記事】
【応急処置や心肺蘇生法に関する記事】
おわりに
いかがだったでしょうか。
この記事を通じて、デイサービスやデイケアの送迎業務における事故対応の基本的な流れを理解していただけたと思います。
事故は避けられない場合もありますが、日頃の準備や知識があることで、冷静かつ適切な対応が可能です。
安全な送迎業務を目指し、今後利用者さんや自分自身を守る送迎を心がけていきましょう。
それではこれで終わります。
この研修記事が御社の運営に少しでもいかしていただければ幸いです。
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