介護職の勉強会や研修を継続的に行うなかで、「毎回のネタ探しが大変」「同じテーマばかりでマンネリ化している」といった悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。
職員の参加率が下がったり、内容に新鮮味がなくなってしまうと、せっかくの研修も効果が薄れてしまいます。
また、限られた時間で「参加して良かった」と思ってもらうためには、テーマ選びや進め方に工夫が必要です。
そこでこの記事では、勉強会・研修を企画・運営する際のヒントを幅広く紹介しています。
訪問介護など特定の現場に特化したネタも扱っているため、自施設に合った勉強会を見つけたい方にも役立つ内容です。
この記事を参考に、現場の課題解決につながる効果的な勉強会を企画してみてください。
勉強会のネタ選びのポイント
まず大切なのは、勉強会の「目的」と「現場の課題」を明確にすることです。
「スキルアップを図りたい」「離職防止につなげたい」「現場での課題を改善したい」など、目的がはっきりすれば選ぶべきテーマも見えてきます。
ヒヤリハットやインシデント報告、アンケート結果などから現場の声を拾い上げることも有効です。
次に、職員の「声」や「ニーズ」に耳を傾けましょう。
「今、どんなことに困っているか」「何を学びたいか」をアンケートで聞くことで、現場に即したテーマを見つけることができます。
関心のあるテーマは、参加率の向上にもつながります。
また、過去の事故報告やヒヤリハットをもとにしたテーマも効果的です。
転倒や誤嚥など実際の事例を分析し、グループワークで対策を話し合うなど、実践的な内容にすることで、学びが現場に定着します。
対象者の職種や経験年数に応じて、内容のレベルを調整することもポイントです。
新入職員には基礎的な内容を、リーダー層にはマネジメントやリスク管理など、段階的に学べる仕組みを整えることで、より効果的な教育につながります。
勉強会の運営のコツ
介護職の勉強会では、「職員が眠そうにしている」「参加率が低い」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
せっかく準備しても「つまらなかった」と感じられてしまうと、モチベーションも下がります。
こうした課題を解決するには、テーマ選びだけでなく、伝え方や巻き込み方も重要なポイントです。
また、一方通行の座学だけでなく、参加型の研修スタイルを取り入れることも効果的です。
グループワークやロールプレイ、事例検討を通じて、参加者が自分の意見を出したり、仲間と話し合ったりすることで、学びの定着が深まります。
たとえば、ヒヤリハット事例を題材に「どうすれば防げたか?」を考えるワークは、実践にもつながりやすく、職員の納得感も得られます。
そして忘れてはならないのが、振り返りの時間です。
アンケートや感想共有の場を設けることで、参加者の声を次回に活かせるだけでなく、自身の学びを再確認する機会にもなります。
職員が「また参加したい」と思える勉強会づくりには、現場の課題に寄り添い、対話と体験を重視した運営が鍵です。
形式にとらわれず、工夫を凝らしてみてください。
必須研修(法定研修)
まずは、介護サービス事業者の必須研修からご紹介します。
令和6年4月1日からから、業務継続計画(BCP)等が義務づけられました。
次の表を参考にしてください。


尚、小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護は、令和6年度より身体拘束等の適正化が義務づけられました。
減算対象になるので注意が必要です。
そして、それぞれに当たる研修の資料をブログやYoutubeで公開しているので、是非参考にしてください!
補足:デイサービスでは、入浴介助加算を算定している場合、入浴介助研修の開催が必須です。
参考となる研修記事はコチラです。
また、ハラスメント対策に関する研修は、その事業所も必須です。
コチラの記事を参考にしてみてください。
情報公表調査で確認される研修項目
次に、情報公表調査で確認される研修項目を確認していきます。

情報公共調査とは、介護保険法に基づき1818年4月からスタートした制度で、利用者さんが介護サービスや事業所・施設を比較・検討して適切に選ぶための情報を、都道府県が提供する仕組みです。
この情報公共調査の結果は、「介護サービス情報公表システム」に反映され、それを使うことで、インターネットでいつでも誰でも気軽に情報を入手することができます。参考:厚労省HP
言い換えると、上記ような研修をしっかりこなしている事業所や施設が、利用者さんに選ばれ、今後生き残っていく事業所・施設になるわけです。
そして、それぞれに当たる研修の資料を、ブログやYoutubeで公開しているので、是非参考にしてください!
その他、ためになる研修一覧
介護施設内で効果的に実施できる研修テーマの一例です。
実際の現場での課題や事故報告、制度改正、季節的な要素、そして何より職員のニーズを踏まえて選定することが重要です。
介護技術・身体介助関連:
- 利用者のQOLやADLを向上させるための援助(食事、睡眠、排泄、入浴、離床など)
- ボディメカニクスに関する知識
- 移乗やトランスファーの方法
- 介護技術の裏ワザ・時短テク共有会
専門職との連携・他職種協働:
- ソフト食について(栄養士との連携)
- 半身まひのある方の移乗(理学療法士との連携)
- トランスファー技術(理学療法士との連携)
- 介護プランの理解と連携(ケアマネージャー)
- バイタルサインの見方(看護師との連携)
ケアプラン・記録関連
- ケアプランの読み方・書き方・目的理解
- 介護記録のブラッシュアップ研修
- 介護記録を効率的に行う方法
- アセスメントとモニタリングの理解
メンタルヘルス・チームワーク・コミュニケーション:
- ストレスマネジメント
- アンガーマネジメント(感情のコントロール)
- チームワーク強化・その重要性
- コミュニケーションスキルの向上
- 「伝える力」を磨く!報連相コミュニケーション
- 夜勤あるある!共感&改善ワーク
制度・法改正関連:
- 介護制度・法改正の内容理解
- LIFEへの対応
- 外部評価(第三者評価・監査)への準備
その他:
- レクリエーションの企画・実施研修
- ターミナルケア
- 緩和ケア
- 高齢者の身体・心理的特徴について
- 新人研修
- モチベーションアップについて
- 介護福祉士受験対策
- 【介護施設】デイサービス・デイケアの送迎マニュアル
おわりに
いかがだったでしょうか。